現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ノッポ車増えた駐車場の「全高1550mm問題」 SUV全盛期で施設側も対応に追われる? 2mまで対応施設も登場!

ここから本文です

ノッポ車増えた駐車場の「全高1550mm問題」 SUV全盛期で施設側も対応に追われる? 2mまで対応施設も登場!

掲載 更新 25
ノッポ車増えた駐車場の「全高1550mm問題」 SUV全盛期で施設側も対応に追われる? 2mまで対応施設も登場!

■SUV&ミニバンが全盛の時代の弊害?「1550mm問題」とは

 都市部に多く見られる機械式駐車場ですが、「全高1550mm」という制限が設けられていることが少なくありません。
 
 しかし、SUVやミニバンが全盛となっている昨今では、この数値は過去のものとなりつつあるようです。

【画像】恐ろしい! 無断駐車すると 「モヒカン」にされる駐車場(20枚)

 世界有数の人口密度を誇ることで知られる日本の都市部では、駐車場の確保が大きな問題となります。

 そこで、日本では古くから「機械式駐車場」という独自の駐車システムが発達しました。

 機械式駐車場には、大規模商業施設に設置されている大型のものから、住居向けの2層式のコンパクトなものまで大小さまざまな種類が存在します。

 機械式駐車場の歴史は古く、日本では1962年1月に日本橋高島屋で初めて採用されて以降、高度経済成長、そしてモータリゼーションの波に乗って日本の都市部各地へと広がりました。

 欧米各国と比べて、都市部への人口集中が極端な日本において、土地を有効活用できる機械式駐車場はまさに願ったりかなったりの存在でした。

 しかし、近年機械式駐車場について、「1550mm問題」あるいは「ハイルーフ車問題」と呼ばれる問題が発生しているといいます。

 機械式駐車場の種類によって入庫可能なサイズは異なりますが、全高については1550mmの制限を設けている場所は少なくありません。

 これ以上の全高を持つクルマについては、「ミドルルーフ車」あるいは「ハイルーフ車」と呼ばれ、専用のスペースへ入庫するか、機械式駐車場の利用を断られることがあります。

 セダンやクーペのほとんどが全高1550mm以下のため、入庫に際して全高が問題となることはありません。

 しかし、近年トレンドとなっているSUVや、ファミリー層に人気のミニバン、あるいは軽スーパーハイトワゴンなどは、全高1550mmよりも高くなることも珍しくありません。

 実際に、日本自動車販売協会連合会が発表した2021年の新車販売台数ランキング上位のなかで、全高が1550mmを超えるグレードが存在するのは、「ヤリスクロス(1590mm)」、「ルーミー(1735mm)」、「カローラクロス(1620mm)」、「アルファード(1935mm)」、「ライズ(1620mm)」、「ハリアー(1660mm)」、「ヴォクシー(1895mm)」、「フリード(1710mm)」と全高1550mmを超えるものがかなり多く見受けられます。

 かつてのセダンやクーペが全盛だった頃をベースとした基準となる全高1550mmですが、セダンやクーペが下火となり、それに変わって居住性に優れるSUVやミニバンが人気となった昨今では、その基準がもはや意味を成さないものとなっています。

■新規施設はハイルーフ対応が標準も、既存施設が課題に

 SUVに関しては、単なる流行り廃りではなく、今後の自動車業界においては、もはやクルマの基本形といってもよいほどの存在となっています。

 そのため、近年新設される大規模商業施設などの機械式駐車場では、ハイルーフ車の入庫台数をできるだけ多くするという方針が採られているようです。

 例えば、2018年に開業した日比谷ミッドタウン(東京都千代田区)には、平面式と機械式合わせて約200台の駐車場が用意されていますが、どちらも全高2000mmまでのクルマに対応しています。

 乗用車では、純正の状態で全高2000mmを超えるクルマはほとんど存在しないため、事実上ほぼすべてのクルマが駐車できることになります。

 駐車場の開発・運営をおこなう日本駐車場開発の担当者は「個人の保有車両でハイルーフ車が増えていることは事実であり(ハイルーフの駐車が可能な)平面式駐車場のニーズは高まっています」と話します。

 さらに、「普通車サイズの機械式駐車場を導入済みのビルオーナーに対して、ハイルーフ対応のものへとリニューアルする提案も進めている」と話すように、駐車場側でも時代の変化に即した対応をおこなっていることがうかがえます。

 一方で、機械式駐車場のリニューアルには多額の費用と時間が必要となる場合も多く、二の足を踏むビルオーナーも少なくないようです。

※ ※ ※

 かつてはホンダ「オデッセイ」がミニバンでありながら1550mm以下の全高であることをアピールしたり、メルセデス・ベンツ「Bクラス」の日本仕様車がサスペンションを調整するなどして全高を1550mm以下におさえたりするなど、メーカー側も「1550mm」という数字を強く意識していた時代がありました。

 しかし、昨今のユーザーニーズはむしろ居住性の高いハイルーフ車であり、あえて1550mm以下の全高に設定することはあまりないようです。

こんな記事も読まれています

前年から運用方法が一部変更。2024年のル・マン24時間セーフティカールールをおさらい
前年から運用方法が一部変更。2024年のル・マン24時間セーフティカールールをおさらい
AUTOSPORT web
伝説の「6輪F1マシン」を生んだ小屋 70年前のティレル工場が移転保存 英国
伝説の「6輪F1マシン」を生んだ小屋 70年前のティレル工場が移転保存 英国
AUTOCAR JAPAN
JAFが義務化しているユニバーサルロゴの意味は? 実際にラリー車両に貼ってモータースポーツ参戦している人の声を聞いてきました
JAFが義務化しているユニバーサルロゴの意味は? 実際にラリー車両に貼ってモータースポーツ参戦している人の声を聞いてきました
Auto Messe Web
余裕と安心の「サイレント」スポーツ ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(2) 創業者も認めた1台
余裕と安心の「サイレント」スポーツ ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(2) 創業者も認めた1台
AUTOCAR JAPAN
ロールス・ロイス傘下の「ダービー」世代 ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(1) 端正なコーチビルド
ロールス・ロイス傘下の「ダービー」世代 ベントレー 4 1/4リッター・ヴァンデンプラ(1) 端正なコーチビルド
AUTOCAR JAPAN
日産「新型“超凄い”スカイライン」まもなく登場! 420馬力の“史上最強”モデルはまさに「集大成」! もはや「次期型」に期待な“NISMO”実際どう?
日産「新型“超凄い”スカイライン」まもなく登場! 420馬力の“史上最強”モデルはまさに「集大成」! もはや「次期型」に期待な“NISMO”実際どう?
くるまのニュース
日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは
日本のキャンピングカーは仕上がりが違う! 知られざる「キャブコン」の製造工程とは
WEB CARTOP
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
首都高つながらない「関越道」どう行く? 渋滞を“まるっと避ける”マル秘ルートとは “練馬から正面突破”は最悪?
乗りものニュース
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズに『カローラ』『シエンタハイブリッド』など6車種の適合が追加
テインの純正互換ショック「EnduraPro」シリーズに『カローラ』『シエンタハイブリッド』など6車種の適合が追加
レスポンス
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
メルセデスF1、トモダチ改造計画でW15を“ドライバーの味方”に「改善のためにマシンをいじめ抜く」
motorsport.com 日本版
最高出力830PS、最高回転数9500rpm!フェラーリから自然吸気V12エンジン搭載モデル「12チリンドリ」が登場
最高出力830PS、最高回転数9500rpm!フェラーリから自然吸気V12エンジン搭載モデル「12チリンドリ」が登場
@DIME
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
乗りものニュース
軽自動車の「白っぽく見えるナンバー」なぜ増えた? 軽であること隠したい!? 導入7年「図柄入りナンバー」の現状は?
軽自動車の「白っぽく見えるナンバー」なぜ増えた? 軽であること隠したい!? 導入7年「図柄入りナンバー」の現状は?
くるまのニュース
61年の歴史で初 ハイブリッド化されたポルシェ改良新型「911」に熱視線! SNSでの反響とは?
61年の歴史で初 ハイブリッド化されたポルシェ改良新型「911」に熱視線! SNSでの反響とは?
VAGUE
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
【試乗】新型シトロエンC3は革命を呼びかけるヤバいクルマ! 日本上陸前に本国でBEVの「ë-C3」に乗った!!
WEB CARTOP
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年6月9日~6月815日)
モーターマガジンMovie 週間視聴回数BEST5 プラス1(2024年6月9日~6月815日)
Webモーターマガジン
東急バス「バス以外の交通手段」に参入 チャリもクルマもライバルじゃない “相乗効果”狙う
東急バス「バス以外の交通手段」に参入 チャリもクルマもライバルじゃない “相乗効果”狙う
乗りものニュース
アウディがプレミアムミッドサイズSUVの特別仕様車「Q5/Q5スポーツバック Sライン ダイナミックエディション」を発売
アウディがプレミアムミッドサイズSUVの特別仕様車「Q5/Q5スポーツバック Sライン ダイナミックエディション」を発売
@DIME

みんなのコメント

25件
  • 立駐には横幅の制限もある
    最近のは1.9mまで対応してるので、Sクラスのような大型セダンやランクルとかでない限り問題ないが、ちょっと前の1.8mのだとカムリなどの中型セダンでも利用できない
  • 買う際はそのデメリットを理解してるでしょうよ、、
    買ってから入れない、それは施設側が悪いって言う人が居るのですかね、、
    当然、新規施設は高さ制限も変わるでしょうが、既存施設じゃ無理だと思うのが普通
    判っててぶつけても自業自得ですから、、
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

190.7278.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

145.5372.4万円

中古車を検索
ヤリスクロスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

190.7278.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

145.5372.4万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村