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「メジャー車種の珍グレード対決」U13ブルーバード2400ARXスーパーツーリングZ vs 1800ARX-L【ManiaxCars】

掲載 更新 14
「メジャー車種の珍グレード対決」U13ブルーバード2400ARXスーパーツーリングZ vs 1800ARX-L【ManiaxCars】

最上級グレードの4速ATモデルと、普及グレードの5速MTを比べる!

トルクで走る2400と、身のこなしが軽い1800

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1991年9月に9代目ブルーバードとして登場したU13型。4ドアセダンはレパードJ.フェリーのような尻下がりデザインを採用する一方、4ドアハードトップはボディ構造がセンターピラーレスからピラードに変わり、同時にARX(アークス)と呼ばれるようになった。

長らくブルーバードのスポーツ系モデルに与えられてきた伝統のグレードSSSと双璧をなすのが、ラグジュアリー系のARXというわけだ。

93年8月にマイナーチェンジを実施。今回の取材車両2400ARXスーパーツーリングZと1800ARX-Lは、この時ラインナップに加わった。まず2台の細部をエンジンから比較していこう。

シリーズ最上級グレードとなった2400ARXスーパーツーリングZのエンジンは、元々、海外仕様に搭載されてた2.4L直4のKA24DE型。ロングストローク型で組み合わされるミッションも4速ATだけだから、エンジン回転数を上げずにトルクで走らせるのが相応しい。

一方、1800ARX-Lに載るのは1.8L直4のSR18DE型で4速ATの他、5速MTも用意された。SR18は日産の主力エンジンとして幅広い車種に搭載されたからなじみ深い。KA24DE型と見比べてみて意外だったのはカムカバーの幅が広く、エンジン自体が大きく見えること。排気量が小さい方がサイズもコンパクト…というのは、必ずしも当てはまらないようだ。

続いて内装。ダッシュボードに木目調パネルがあしらわれるのは共通。エアコンは2400ARXスーパーツーリングZがフルオート式、1800ARX-Lがマニュアル式となる。

ステアリングホイールが違うのは、3本スポークはエアバッグレス、4本スポークはエアバッグ内蔵だから。この時代、運転席&助手席エアバッグは全グレードにオプション設定だったけれど、最上級2400ARXスーパーツーリングZには装備されてないのに普及グレードの1800ARX-Lに装着されているのが笑える。

メーターパネルは共通。タコメーターのレッドゾーンが始まる回転数は1800ARX-Lの方がわずかに高い。4速ATの2400ARXスーパーツーリングZではスピード&タコメーターの間にATポジションインジケーターが付くが、5速MTの1800ARX-Lには当然ナシ。

それと2400ARXスーパーツーリングZはタコメーター内にATモードを表示する“POWER”と“HOLD”のインジケーターが、1800ARX-Lはエアバッグ警告灯が設けられる。

U13に用意されるのは本革シート、バケットタイプシート、標準シートの3つ。2400ARXスーパーツーリングZも1800ARX-Lも標準シートだけど、表皮はダブルラッセルを採用する1800ARX-Lに対して、2400ARXスーパーツーリングZでは高級モケットとなり、パッケージオプションとして本革シートも用意される。

また、2400ARXスーパーツーリングZに装備されるランバーサポートやシートバックポケットは1800ARX-Lでは省かれる。

後席はシート表皮素材の違いはあるが、どちらも背もたれはヘッドレスト一体型となるなど基本デザインは共通。トランクスルー機能を持ったセンターアームレストが付く2400ARXスーパーツーリングZに対して、1800ARX-Lには付かないのが違いだ。

外装に目を移そう。まずはフロントグリル中央に付く逆三角形の日産エンブレム。実は2400ARXスーパーツーリングZが赤というかエンジで1800ARX-Lは白という、地の色の違いがあったとは! これは知らなかった…。ちなみに、2400ARXスーパーツーリングZはフロントグリル右側に“2.4”というエンブレムも装着。

フロントバンパーに内蔵されるフォグランプ。2400ARXスーパーツーリングZに標準装備されるけれど、1800ARX-Lではオプション設定すらされてない。夜間走行時の視界を確保するという機能系パーツだが、その装備の有無でフロントマスクの印象が大きく変わったりもする。

トランクリッド中央の日産エンブレムは、回転させるとトランク開閉用のキーホールが現れるタイプ。フロント同様に地の色は2400ARXスーパーツーリングZがエンジ、1800ARX-Lは白となる。

2400ARXスーパーツーリングZは最上級グレードらしく、マフラーテールエンドにステンレス製フィニッシャーを装着。リヤビューに重厚感をプラスする。一方の1800ARX-Lはエンドパイプを切っただけ。ちょっと情けない後ろ姿を晒してるところがたまらない。

ディテールの比較が終わったら、まずは「新車が何台売れたのよ?」と思わずにはいられない2400ARXスーパーツーリングZから試乗だ。

ロングストローク型の2.4L直4は低回転域からトルクもりもり。それ自体は良いのだけど、アクセルペダル操作に対するピックアップがちょっと過敏すぎるような…。その分、おとなしく操作してやれば良いわけだし、もちろん慣れの問題だってある。後は、交差点ひとつ曲がるにも鼻先の重さを感じたりする。

その代わりにと言ってはなんだけど、高速巡航時の安定感は抜群で、これが大衆セダンのブルーバードとは思えないほど。載っているのがトルク型エンジンだから、追い越しだってキックダウンさせることなく楽にできる。

一方の1800ARX-Lは「普及グレードはこうあるべし!」とでも訴えかけるような、まさかの5速MT車。

車重が2400ARXスーパーツーリングZより120kgも軽いため、「これが同じブルーバード!?」と思うくらい軽快に走るし、よく曲がる。本来は飛ばすクルマではないが、5速MTということもあって目の前に現れたコーナーを思わず攻めたくなるのは本当だ。見た目には全くヤル気が感じられないが、乗り手を熱くさせてくれるのは意外だった!

■2400ARXスーパーツーリングZ

車両型式:PU13

全長×全幅×全高:4595×1695×1370mm

ホイールベース:2620mm

トレッド(F/R):1465/1455mm

車両重量:1280kg

エンジン型式:KA24DE

エンジン形式:直4DOHC

ボア×ストローク:φ89.0×96.0mm

排気量:2388cc 圧縮比:9.2:1

最高出力:150ps/5600rpm

最大トルク:21.5kgm/4400rpm

トランスミッション:4速AT

サスペンション形式(F/R):ストラット/パラレルリンクストラット

ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ディスク

タイヤサイズ:FR195/60R15

■1800ARX-L

車両型式:EU13

全長×全幅×全高:4595×1695×1370mm

ホイールベース:2620mm

トレッド(F/R):1465/1455mm

車両重量:1160kg

エンジン型式:SR18DE

エンジン形式:直4DOHC

ボア×ストローク:φ82.5×86.0mm

排気量:1838cc 圧縮比:10.0:1

最高出力:125ps/6000rpm

最大トルク:16.0kgm/4800rpm

トランスミッション:5速MT

サスペンション形式(F/R):ストラット/パラレルリンクストラット

ブレーキ(F/R):ベンチレーテッドディスク/ドラム

タイヤサイズ:FR175/70R14

TEXT&PHOTO:廣嶋健太郎(Kentaro HIROSHIMA)

●取材協力:寿軽配 東京都江戸川区北葛西2-4-26 TEL:03-3689-9013/SKT 東京都あきる野市横沢欠ノ上43-1 TEL:042-519-9826

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みんなのコメント

14件
  • このモデル、この形、今でも大好きです!

    ちなみに自分は20年ほど前、レパードJフェリーとセンティアで推敲し、結局前者を選んで乗ってました。

    どうぞ、罵るだけ罵ればよろしい 笑
  • 同時とんねるずがCMしていたっけ。
    X2計画とかいう宣伝していたけど、先代に比べて格段に格好悪いデザインで、
    X2どころか全然売れなかった不人気車種。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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