現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【注目モデル試乗】3代目に進化した「ニッポンの国民車」、ホンダN-BOXの幸せポイント

ここから本文です

【注目モデル試乗】3代目に進化した「ニッポンの国民車」、ホンダN-BOXの幸せポイント

掲載 更新 7
【注目モデル試乗】3代目に進化した「ニッポンの国民車」、ホンダN-BOXの幸せポイント

ベストセラーがさらに進化。より安全にフレンドリーになっている

 N-BOXは、いまやホンダの主力車種であり、日本を代表するベストセラーである。2011年末に初代が登場し、2017年8月に2代目にモデルチェンジした際には、まだ十分に通用する実力がありながら、全面刷新を図ったことに驚いた。Kカーながらハイテン材を多用するなど、内容的にも非常に凝っていたのが印象的だった。

日本のベストセラーカーのホンダN-BOXがフルモデルチェンジ。軽スーパーハイトワゴンとしての総合力を一段とレベルアップ

 3代目となる新型N-BOXは、これまで培ってきた広さや使いやすさを受け継ぎながら、より幅広い層のユーザーに寄り添い、「幸せな時間を乗る人すべてに提供すること」を目指したという。プロトタイプを、本田技術研究所のテストコースで、従来型と比較試乗した。

 キープコンセプトの外観は、これまでのシンプルな造形を継承しながら各部を洗練。ひと目で新しさを感じる。標準仕様はかわいらしく、カスタムはワイド&ローの精悍なイメージでまとめられている。

 車内は、インパネ回りをはじめ雰囲気がだいぶ変わった。メーターはホンダのKカーでは初採用となる7インチのフルグラフィック型ディスプレイを装備し、2本スポークタイプに変更されたステアリングホイールの内側に配された。これによりインパネはフラット形状になって、死角が減少して見晴らしがよくなっている。メーターディスプレイは、100種類もの背景がランダムで表示されるカレンダーや記念日など、表示に遊び心のある機能を備えている。実用面では、ホンダのKカーとして初めてマルチビューカメラシステムを採用。独自の「ピタ駐ミラー」は、サイドアンダーミラーがドアミラーの根元へ移設され、映す範囲の見直しと併せて、より直感的でわかりやすくなった。

 室内は広く気持ちいい。細部の見直しで、各部のクリアランスが拡大し、収納スペースはグローブボックス容量が倍増するなど使い勝手が向上した。自在に演出でき、アイデアが満載された空間設計は、N-BOXの大きな魅力。各部の作りも一段と上質になっていた。

4シーター・パッセンジャカーとして高い完成度

 走りは、ファーストカーとして通用する実力を確認。扱いやすくて爽快な走りを追求した成果を実感した。2代目も大きな不満を感じることのない実力の持ち主だったが、新型は確実に先をいく。乗り比べると、進化の幅は大きかった。

 パワートレーンは、VTECや電動ウエストゲートなど他社にはない技術を導入したエンジンはもちろん、CVTも基本的にはキャリーオーバー。3代目では雑味を排除するための制御が見直されている。

 ドライブしてより大きな違いを感じたのはターボ(64ps/104Nm)だ。2代目もパワー感は十分だが、ややオーバーシュートぎみにトルクが立ち上がる場合が多い。そのため小舵角で曲がる際にフロントが浮いてアンダーステアが出やすい。ところが3代目は力強さをそのままに、加速がリニアになりずっと乗りやすくなった。アクセルを踏み増したときにもダイレクト感があり、キックダウンの仕方も自然で滑らかだ。一方の自然吸気(58ps/65Nm)は、ライバル各車と比べNAとしては力感がある点は従来どおり。こちらも全体的にスムーズになっている。

 ボディはハイテン材の使用率を継承しながら配置などを見直し、NVHや操縦安定性、乗り心地、静粛性を向上させたほか、フロアに遮音フィルムを追加するとともにルーフライニング素材を変更。下側と上側の両方で静粛性を高めた。カスタムにはライニングに吸音材を追加して、ワンクラス上の静粛性を目指している。

 その効果は明らか。走り出してすぐに違いを直感する。高速周回路を巡行すると、とくにカスタムはもはや普通乗用車と変わらないほど静か。前後席間で明瞭に会話できることに感心した。

 シャシーの変更はサスペンション締結の最適化とアライメント適正化、ダンパーの減衰力変更、電動パワーステアリングの舵角制御変更など。足回りは、硬さ感が減るとともに収斂性が向上。うねった路面でもフラットライドで、ざらついた路面でのブルブル、ビリビリとした感覚が減った。頭が振れにくくなったのは、乗り物酔いしにくいよう配慮された視界と併せて、快適性に大いにプラスをもたらした。

 電動パワーステアリングは、操作に対する予測量をもとに制御していた方式から、実際の舵角に応じたコントロールに改められた。フィーリングは大幅に向上。フリクションとイナーシャが減り、修正舵を要する状況が激減している。

 アライメントは、フロントがトーアウトになりにくいように変更され、直進安定性が向上していることが今回の短時間の試乗でもうかがえた。高速道路を使った長距離ドライブをより快適に楽しめそうだ。
 新旧を乗り比べて、予想よりも進化していたことが印象的だった。

隠れた名車、スロープ仕様にも注目

 N-BOXは車いすのまま乗り降りができるスロープ仕様車を設定している。速度調整・進路補正機能付き電動ウインチを標準装備し介助者の負担を軽減したのがポイント。スロープはフラットに収納できる設計のためN-BOX本来の室内ユーティリティはそのまま。車いす利用の場合は定員3名だが、通常は4シーターとして利用できる。

 後席はスライド機構レスの折りたたみ機能付き。車いすのほか、アウトドアユースにも便利に使える。駆動方式はFFと4WD、標準車のスロープ仕様は184万4400円(FF)。エンジンは自然吸気のみでターボは未設定となる。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年7月20日時点
【新車価格情報】輸入車 デビュー&改良情報(ダイジェスト)※2024年7月20日時点
カー・アンド・ドライバー
レクサスIS 後継は『HZ』!? 1020hpのトリプルモーターBEVセダン登場へ!
レクサスIS 後継は『HZ』!? 1020hpのトリプルモーターBEVセダン登場へ!
レスポンス
「グランツーリスモ7」大幅アップデートでクルマがよりリアルで躍動感ある動きに! ミシュランタイヤも忠実に再現!
「グランツーリスモ7」大幅アップデートでクルマがよりリアルで躍動感ある動きに! ミシュランタイヤも忠実に再現!
くるまのニュース
スズキが新型「スペーシアギア」初公開! 丸目ライト×縦グリルの“ジムニー顔”で登場! アウトドア仕様の内装がスゴい!
スズキが新型「スペーシアギア」初公開! 丸目ライト×縦グリルの“ジムニー顔”で登場! アウトドア仕様の内装がスゴい!
くるまのニュース
コンチネンタル、ソフト定義自動車や自動運転の最新技術発表へ…IAAトランスポーテーション2024
コンチネンタル、ソフト定義自動車や自動運転の最新技術発表へ…IAAトランスポーテーション2024
レスポンス
BMWジャパン、EVステーションワゴン「i5ツーリング」を披露 小澤征悦さんがオリジナル曲を演奏
BMWジャパン、EVステーションワゴン「i5ツーリング」を披露 小澤征悦さんがオリジナル曲を演奏
日刊自動車新聞
911の進化はとどまるところを知らない!パフォーマンスハイブリッドを搭載した「ポルシェ 911 GTS」の走りは?
911の進化はとどまるところを知らない!パフォーマンスハイブリッドを搭載した「ポルシェ 911 GTS」の走りは?
AutoBild Japan
名古屋~高崎が最短ルートに!? 長野の“山岳地帯”つらぬく新高速道路「上田諏訪連絡道路」のすごさとは 「地味に遠回り」解消図る超短絡路
名古屋~高崎が最短ルートに!? 長野の“山岳地帯”つらぬく新高速道路「上田諏訪連絡道路」のすごさとは 「地味に遠回り」解消図る超短絡路
くるまのニュース
小学生からEV技術者育成へ、日産が英国に世界的な訓練施設を建設
小学生からEV技術者育成へ、日産が英国に世界的な訓練施設を建設
レスポンス
「飛葉ちゃんのCB750FOUR」が青島文化教材社から1/12スケールのプラモデルで2024年11月発売予定!
「飛葉ちゃんのCB750FOUR」が青島文化教材社から1/12スケールのプラモデルで2024年11月発売予定!
モーサイ
昔じゃ考えられない「長期の夏季休暇」を設定する新車ディーラー! 最大10連休なんて店もあるが裏で苦悩するディーラマンもいる
昔じゃ考えられない「長期の夏季休暇」を設定する新車ディーラー! 最大10連休なんて店もあるが裏で苦悩するディーラマンもいる
WEB CARTOP
トヨタが「新たなクラウン」を初公開! 話題の「エステート」はどうなる? SUVやセダン以外のモデル登場は? クラウン群の行方とは
トヨタが「新たなクラウン」を初公開! 話題の「エステート」はどうなる? SUVやセダン以外のモデル登場は? クラウン群の行方とは
くるまのニュース
カワサキ「Z2」マフラーから白煙の原因を排気ポートから診断!
カワサキ「Z2」マフラーから白煙の原因を排気ポートから診断!
バイクのニュース
サーブ 9-3Xは派手さはないが、よくできたクロスオーバーSUVだった【10年ひと昔の新車】
サーブ 9-3Xは派手さはないが、よくできたクロスオーバーSUVだった【10年ひと昔の新車】
Webモーターマガジン
6月販売ランキング、NーBOX首位返り咲き!ダイハツ・タント3位に浮上!(24年6月の全乗用車 国内販売登録ランキングTOP20とブランド別販売台数 )
6月販売ランキング、NーBOX首位返り咲き!ダイハツ・タント3位に浮上!(24年6月の全乗用車 国内販売登録ランキングTOP20とブランド別販売台数 )
カー・アンド・ドライバー
スバルから新「凄い4ドアセダン」登場! 300馬力超えの水平対向ターボエンジン搭載!? 謎の「X FUTURE」が九州を走る!?
スバルから新「凄い4ドアセダン」登場! 300馬力超えの水平対向ターボエンジン搭載!? 謎の「X FUTURE」が九州を走る!?
くるまのニュース
巨大リアウイングがそびえ立つ! 670馬力の史上最強・最速のWRX 米国スバル「WRXプロジェクト・ミッドナイト」登場
巨大リアウイングがそびえ立つ! 670馬力の史上最強・最速のWRX 米国スバル「WRXプロジェクト・ミッドナイト」登場
VAGUE
夜間も車が停めやすい! 埋め込み型ソーラーライトが便利 
夜間も車が停めやすい! 埋め込み型ソーラーライトが便利 
月刊自家用車WEB

みんなのコメント

7件
  • 佐藤 忍
    カスタムターボ試乗しましたけど、エンジン静かで乗り心地よかったので欲しくなりました。先代のメッキギラギラが嫌いで新型は控えめなので好きです。
  • ********
    jf3乗りだけど、ホンダセンシングってこんなもん?
    アイサイトは少しうるさいけど敏感に反応してくれるが
    センシングは前車との距離が短くなってもあまり反応しないし(設定高)
    ようつべ見ても「あくまでも補助」「過信しないで」
    と言われてもねぇって感じ。
    どっかのディーラーでテスト中に社長撥ねちゃったけど
    こういうもの?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

164.9188.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

10.8299.0万円

中古車を検索
N-BOXの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

164.9188.1万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

10.8299.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村