SUVの中でも売れ行き好調なコンパクト系
外出自粛の出口が見えてきた今日この頃。今年は外で春を味わうことはできなかった分、状況が許すなら夏~秋はぜひともアウトドアを楽しみたい。キャンプやバーベキュー、釣りに山歩き、マリンスポーツなど。ステイホームで溜まったストレスは、自然の中で健康的に発散したいものだ。
買ってからでは手遅れ! キャンプをやるなら確認すべきクルマ選びの絶対条件4つ
その際の足として、ぜひオススメしたいのがクロスオーバーSUV系のコンパクトカー。ご存じの通り、クルマ業界はSUVブームが継続中。全体的な売り上げこそ若干減少しているものの、この「コンパクトSUV」の代表格であるホンダ ヴェゼルとトヨタ C-HRは、2019年(1月~12月)の販売台数が5万台を優に越える。
5ナンバーサイズなら肩肘張らず楽に乗れる
しかし今回取り上げるのは、もうひとまわり小柄な5ナンバーサイズのスモール系コンパクトSUVだ。なぜならいろんな意味でお手軽だから。具体的なメリットを挙げると、
(1)100万円台から買える(2)小柄で取り回しやすい(3)燃費も良好(4)いい意味で“本格SUVな雰囲気”が薄い
といったところ。
(1)~(3)はなるほどと納得してもらえると思うが、(4)は「?」となる人もいるかも知れない。これは考え方にもよるのだが、「悪路に強い4WDロックモード搭載!」とか「耐久性に優れたラダーフレーム!」といわれても、ライトユーザーにとってはあまり魅力に感じないだろう。むしろ「頑張って悪路を走らなきゃ…」という謎のプレッシャーにもなりかねない…?
そういう意味では、肩肘張らずに乗れるのがコンパクトSUVのいいところ(※ただしジムニーシエラを除く)。それでいて見た目はお洒落なオフロードテイストだから、キャンプ場でも映える。ふと思い立った週末に家族や友人、カップルで気軽にアウトドアを楽しむにはピッタリではないだろうか。
「免許取りたての若者やシニア層はもちろんですが、自分のような40代くらいの人間にとっても『楽に乗れる』のは魅力。特に誰と張り合うでもなく(笑)、遊びクルマとして割り切って楽しめる。ハスラーなど軽自動車のSUVも悪くないのですが、4人乗りというのと、高速道路だともう少しパワーが欲しい場面もある。それに今どきの軽自動車は150万円超えも普通で、コンパクトカーと価格差も小さい。中古だとむしろコンパクトカーの方が安いですからね」とカスタムパーツメーカー・KLCの川原さん。
では具体的にどんな車種がオススメなのか、川原さんのおすすめコメントと共に紹介していく。
旬の本命コンパクト、ダイハツ ロッキーとトヨタ ライズ
2019年11月から販売が始まったダイハツ ロッキーと、そのOEM車であるトヨタ ライズ。フロントまわりなどのデザインが異なるが、基本的には同じクルマだ。
「見た目はロッキーがクロカン寄り。タフな雰囲気でオフロードタイヤが似合いそうです。ライズは都会派SUVテイストで、よく言われてますが“小さい版RAV4”という感じ。どちらも30ミリくらいの『ちょいアゲ』でしっかり様になるでしょう。当社もリフトアップスプリングを開発中です」と 川原さん。
価格はロッキーが170万5000円~、ライズが167万9000円~とお手頃。エンジンは1Lターボだから自動車税が2万5000円で済むのも嬉しい。燃費もJC08モードで21.2~23.4km/Lと良好。何より全長3995×全幅1695×全高1620ミリのボディは街でも山でも運転しやすいだろう。
デリカD:5純正サイズのタイヤが履ければ面白そう
ロッキーの純正のタイヤサイズは195/65R16(外径約660ミリ)と195/60R17(外径約666ミリ)の2種類。ホイールサイズは16インチ×6.0J inset40、17インチ×6.0Jinset40となる。社外ホイールは16インチのラインナップが豊富なので、換える際はこちらが本命か。
履けそうなオフロードタイヤとしては、ノーマルの外径から考えるとジムニー純正の175/80R16(外径約686ミリ)がまず思い浮かぶ。ただタイヤ幅が純正より細くなるので、それがイヤならデリカD:5の純正サイズである215/70R16(外径約707ミリ)や、ハイエース向けの215/65R16(外径約686ミリ)がいいかも。特に前者はラインナップ多いので、もし履けるなら狙い目だ。
他には215/60R16(外径約664ミリ)、195R16(外径約718ミリ)なども候補になるだろう。※上記タイヤはいずれも装着未確認なので現車合わせのうえ検討して下さい
スズキ クロスビーは大きなハスラー? それだけじゃない!
2017年の12月にデビューしたスズキ・クロスビー。軽自動車のハスラーによく似たキュートなルックスが特徴で、サイズも全長3760×全幅1670ミリとかなりコンパクトだ。ただし全高は1705ミリと高めに設定されているため、室内の頭上にゆとりがある。エンジンは1Lの直列3気筒ターボでマイルドハイブリッド搭載。価格は179万8500円~。
「当たり前ですけど、ハスラーに比べるとかなり広い。シート位置も少し高めで見晴らしが良く、小柄な女性でも運転しやすそうです。あとは荷室と後席を畳んだ際の裏面も防汚仕様になっていたり、前席はシートヒーター標準装備だったり、MZグレードはシート座面が撥水加工されてたりと、アウトドアに強いのが魅力です」。
タイヤはオフロード系だけでなくホワイトリボンも狙い
純正のタイヤサイズは175/60R16(外径約616ミリ)。ロッキー/ライズに比べると外径が小さく、デリカD:5やハイエース、ジムニークラスのオフロードタイヤを履くのは難しいかも知れない。
「当社のデモカーはリフトアップスプリングで車高を25ミリアップし、ホイールを15インチにダウンして、ホワイトリボンタイヤの185/65R15(外径約622ミリ)を履かせています。これなら車検も問題ないですし、ホワイトリボンはアウトドア映えもしますよ」。
SUV色を強めた新グレードが注目のスズキ イグニス
イグニスは2016年2月にデビューしたコンパクトクロスオーバー。ボディサイズは全長3700×全幅1690(1660)×全高1605ミリ。クロスビーと全長と全幅はさほど変わらないが、全高が10センチ低いのでより小さく見える。エンジンは1.2Lの直列4気筒でマイルドハイブリッド搭載。価格は142万3400円~。
「2020年2月の一部仕様変更で、ハイブリッドMFという新グレードが追加されました。前後バンパーがアンダーガードっぽい専用デザインになっており、ルーフレールも標準装備に。また荷室も防汚タイプになるなど、よりアウトドア向きになっています」。
「ボコボコタイヤ」を履かせるなら15インチか
雰囲気を高める意味でも、カスタムはアゲ系が相性良し。下のデモカーはその一例で、25ミリのリフトアップサスペンションを組み、ホイールは15インチにダウン(純正は16インチ)。タイヤは195/65R15(外径約635ミリ)のM/T(マッドテレーン)を履かせている。
「純正は175/65R15(外径約609ミリ)と175/60R16(外径約616ミリ)。このクルマもクロスビー同様『ちょいアゲ』くらいだと大きなタイヤは履きにくい。でもゴツゴツしたオフロード系のタイヤは真横から見た時に分厚い方がカッコイイので、ホイールは15インチにして外径を抑えつつ、分厚くする方向(=タイヤ幅&偏平率を上げる)がいいと思います」。
トールワゴンもカスタムでキャンプ映え仕様に!?
最後は番外編として、ダイハツ トール、トヨタ タンク&ルーミー、スバル ジャスティの4車種(いずれもOEMなので基本は同じクルマ)もぜひ提案させていただきたい。これらはロッキーやクロスビーと同じ「コンパクトカーの中でも小さいクルマ」ではあるのだが、スタイリングはクロスオーバーSUVではなくトールワゴン。ワゴンRやムーヴといった上背のある軽自動車を5ナンバーサイズに拡大したようなフォルムになっている。
「ノーマルだとぜんぜんSUV感はありませんが、車高を軽く上げてオフロード系タイヤを履かせると、意外と『アリ』になるんですよ。最近の新車の傾向として、普通のクルマなのにSUVっぽい仕様を設定したりするじゃないですか。トヨタのグランパーとか、ホンダのクロスターとか。そういうノリですね」と川原さん。
利点は「安い・小さい・燃費良し・楽に乗れる」はもちろんのこと、さらに「広い室内」が加わる。例えば単純にロッキーとトールの室内寸法を比べるとこうなる。
【ダイハツ・ロッキー】◆室内長:1955ミリ◆室内幅:1420ミリ◆室内高:1250ミリ
【ダイハツ・トール】◆室内長:2180ミリ◆室内幅:1480ミリ◆室内高:1355ミリ
「それでいてボディサイズは全長3700(3725)×全幅1670×全高1735ミリ。SUV系はフェンダーまわりを膨らませて力強さを演出したり、シート座面を高めにしているんですが、そうすることで居住空間が圧迫されてしまう。その点、トールワゴン系はめいっぱい室内スペースを確保しているから、ボディサイズの割に中が広いんです。しかも便利なスライドドア。コレはイイ素材と見て、こちらのリフトアップスプリングも開発中です」。
なお、純正タイヤサイズは165/65R14(外径約570ミリ)または175/55R15(外径574ミリ)と、ほとんど軽自動車並み。ハスラー純正サイズの165/60R15(外径579ミリ)なら無難に履けるだろうし、オフロード系タイヤもそこそこある。またはラインナップは少なめながら、175/65R15(609ミリ)も車高を上げれば狙い目になりそうだ。※上記タイヤはいずれも装着未確認なので購入前に現車合わせを必ずして下さい
ファミリーはもちろん、カップルでもトールワゴンの広さ&利便性は魅力に違いない。外装を軽くカスタムして「キャンプ映え」を意識しつつ、荷物をたっぷり積んで出掛けるのもオツなものだろう。
【取材協力】KLC(ケーエルシー)◆千葉県富津市青木3-16-8◆tel.0439-88-0450◆http://www.klc-div.com◆営業時間:10時~19時◆定休日:祝祭日、イベント参加日
車検対応のリフトアップサスペンションを幅広くラインナップする人気カスタムパーツメーカー。対応車種は軽自動車が中心だったが、今後はコンパクト系も増やしていくとのこと。
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みんなのコメント
やっぱり自分はラダーフレームの【四輪駆動車】でやりたい…
SUVの否定ではないんだけど…自分ならこれでは満足できない気がする…
そこまでのクルマが日本で必要か必要ないかとよく言うが…
そうじゃなくて、自分がそれに乗りたい、ではダメなんだろうか…