「もうICEには戻れない」
日産自動車は今後、欧州では電気自動車(EV)のみを発売し、2030年からは同地域でのすべてのICE(内燃エンジン)車の販売を停止する。
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この突然の発表は、英国政府が2030年のICE車禁止を2035年に延期したわずか5日後のことだ。日産は、現地生産のキャシュカイとジュークで英国市場シェアが大きいことから、この期限延期で利益を得るメーカーの1つであった。
しかし、日産は9月25日に行われた日産デザイン・ヨーロッパ(NDE)設立20周年の記念式典で、英国と欧州におけるEVシフトを前倒しすることを発表した。
「わたし達は今、EV普及の転換点にいる。もうICEには戻れない」と、内田誠社長兼CEOは語った。
日産はこれまで、欧州では2030年までに100%電動化すると発表してきたが、これはキャシュカイeパワーに代表されるハイブリッド車の販売継続を意味していた。今回の発表では、ジューク、キャシュカイ、エクストレイルの後継車がEVのみになることが示された。
日産は、この決断の一因として、英国政府がゼロ・エミッション車の販売比率を高めること(2024年に22%、2030年に80%、2035年に100%)を各メーカーに義務づける「ZEV義務化」を控えていることを挙げている。
日産の欧州責任者ギヨーム・カルティエ氏の推測によると、この義務化によって、2030~2035年に販売されるディーゼル車やガソリン車の比率は全体の10%程度になり、残りの10%はハイブリッド車になるという。
カルティエ氏は「2030年は変わりません。ZEVの義務化は残っている。わたし達は、このマイルストーンで決断を下したのです」と述べた。
日産の現在のEVは、ハッチバックのリーフとSUVのアリアの2車種である。2025年には、リーフを小型SUV(英サンダーランド工場で生産)に置き換え、さらにマイクラ(日本名:マーチ)の後継車を追加する予定だ。
日産は、現在から2030年までの間に世界全体で19車種のEVを発売する計画だとしているが、詳細は明らかではない。
2026年までにコバルトフリーのバッテリー技術を導入し、2028年にはより軽量で航続距離の長い全固体電池を実用化することで、バッテリーのコストを削減したいという。
内田社長は、「コバルトフリー」がリン酸鉄リチウム(LFP)を指すのか、また日産のバッテリー・パートナーであるエンビジョンAESCが運営するサンダーランドのセル工場に導入する計画なのかについては言及しなかった。
日産は、2028年までにバッテリーコストを1kWhあたり75ドルまで下げることを目標としている。電池材料のアナリストであるベンチマーク・ミネラル社の最近のレポートによると、現在のセル価格(パックを除く)は1kWhあたり98ドルだという。ICE車と同等にするには、セル価格を1kWhあたり80ドルまで下げる必要があるとされている。
「お客様の行動を決定する重要なポイントは、総所有コストです。EVの方が有利であれば、EVを選ぶでしょう」とカルティエ氏は語っている。
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日産大丈夫?ってのが本音だ。