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【タイヤインプレッション】トーヨータイヤ ウインタートランパスTX「しっかり感のあるハイト系専用スタッドレスタイヤ」【こもだきよし】

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【タイヤインプレッション】トーヨータイヤ ウインタートランパスTX「しっかり感のあるハイト系専用スタッドレスタイヤ」【こもだきよし】

ミニバンやSUVなど、最近では背の高いクルマが人気の上位を占めている。これらを「ハイト系」と呼ぶが、重心高の高さや、車両重量の重さなどもあり、セダンやクーペと比べてもタイヤにかかる負担が大きくなる。トーヨータイヤの「ウインタートランパスTX」は、そんなハイト系車両専用のスタッドレスタイヤだ。どんなタイヤなのか、モータージャーナリストこもだきよし氏が乗ってみた。

登場から20年。歴史ある「ウインタートランパス」

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トーヨータイヤのミニバン/SUV向けスタッドレスタイヤ「ウインタートランパス」は、1998年登場の初代から数えてすでに6代目に進化している。

近年の新車登録台数を見ると、微減ながらもミニバンは相変わらず大きなシェアをもち、SUV市場もここ数年確実に増加している。こうしたミニバン/SUVというハイト系の乗用車が、売れ行きランキングトップ30の中で約半数を占めている。まさにここがトランパスブランドのターゲットなのだ。

ウインタートランパスTXは、ハイト系専用スタッドレスタイヤとして「しっかり」支え、「しっかり」走り、「しっかり」効くことをテーマに作られている。

ハイト系の車両は普通のセダンと比べると重量も重めで、当然ながら重心が高めになる。加速、減速、コーナリング時にはタイヤにかかる負担がそれだけ大きくなる。そこでアイスバーンでもしっかりと止まる制動性能、アイス路面からドライ路面までレーンチェンジをしたときの安定性を確保し、摩耗性能が良いだけでなく偏摩耗を抑えるデザインを施してあるのだ。

トレッドコンパウンドは経年変化によるグリップダウンを抑えるソフトキープコンパウンドをベースに使い、イン側はアイス性能を狙ってスーパーソフトコンパウンド、アウト側はアイスとドライ性能の両立を図ってソフトコンパウンドを用いている。もちろんトーヨー得意の鬼クルミ入りだ。NEO吸水カーボニックセル、吸水カーボニックパウダーによって吸水し、ナノゲルで密着、クルミの殻でひっかき性を持たせてアイス性能を向上させている。

トレッドパターンでも多くのサイプを用いてアイス性能向上を図り、アイスとドライ性能の両立のために溝底補強ブロックや3Dグリップサイプ、アウト側のショルダーブロックは高剛性にしてレーンチェンジ時のふらつき防止を図っている。基本的にはブロックデザインであるが、5代目のウインタートランパスMK4αと同じように4本のストレートグルーブも備えているので耐ハイドロプレーン性能も確保しているようだ。

カーカスもスーパーハイターンナップ構造にしてサイドウォールの剛性アップを図り、ふらつき防止の対策を施してある。

テストコース試走:しっかりした氷上グリップ。限界を超えても穏やかで扱いやすい

こうしたハイト系のクルマに対応したスタッドレスタイヤであるウインタートランパスTXの試乗インプレッションをお伝えしよう。

圧雪路とアイスバーンのサロマのトーヨータイヤのテストコースの周回路で、195/65R15 91QのウインタートランパスTXを履いたエスクァイアに乗った。

乗ってすぐにわかるのは、ハンドルを切ると遅れずにノーズが動くので扱いやすいということ。サイドウォールの剛性アップが効いているし、トレッドパターンデザインがうまく雪面を捉えている感じだ。コーナリング中に切り足してもさらに曲がってくるので、グリップ限界は高そうな感じで安心感がある。急激なレーンチェンジを試みると、1人乗りなので後ろが軽いせいかノーズはよく曲がるがリアが流れ気味になる。

もちろんESCが作動してそれ以上何事も起こらないが。応答性は良いが操舵力が軽く手応えがほとんどないのはクルマのせいだろう。前後方向のグリップを確かめるためにブレーキングと登坂路での発進を試したが、しっかりしたグリップ感があり、グリップ限界を超えても挙動変化は穏やかなので扱いやすく良かった。

次に試乗したVWトゥーランは205/60R16 92Qを履いていた。乗り心地はエスクァイアより硬めで上下動が大きく感じたが、少し走ると身体が慣れて気にならなくなった。こちらはハンドル手応えがあり、微小舵から反応し、S字やレーンチェンジでの切り返しでの反応も良かった。レーンチェンジ時のリアの滑りは出にくく安定感が高かった。

一般道試走:高速でもふらつかずしっかり感があり。手応えも正確だ

テストコース内での走行ではウインタートランパスTXの応答性の良さ、グリップのしっかり感を感じることができたが、別の機会に一般道でも走ることができたので、そのインプレッションもお伝えしよう。

こちらもVWだったが、今度はティグアンだ。東京から福島のスキー場に向かった。

まず首都高、東北自動車道では完全なドライ路面だが、ここでタイヤのサイドウォールが負けてヨロヨロしたり、トレッドのブロックが弱くてフラフラしたりすることがなく良かった。普通に走っているとサマータイヤに近いしっかり感である。これなら冬でも長距離ドライブに出かける気になる。

山道に入ると、圧雪路だと思って走っているとアイスバーンが隠れていることもあるが、ハンドルの手応えによってそれを感じることができた。ウインタートランパスTXはハンドルを通して路面からのフィードバックが正確なのだ。

同じ冬道でもグリップする路面なのか、滑りやすい路面なのかがドライバーがわかるということは、安全につながる大事なポイントだ。一般道での通常走行なら雪道でもほとんどがグリップ走行になるだろうが、そんな中でアイスバーンという落とし穴があっても慌てずに対処できそうな気がした。

ウインタートランパスTXは、ハイト系向けに作られただけのことはあり、とてもしっかりしたタイヤだった。ミニバン、SUV、最近流行りのクロスオーバーなどにもマッチするスタッドレスタイヤだと思う。

また今シーズンは、ダイハツ・ウェイクやスズキ・スペーシア、ホンダ・N-BOXシリーズなど、いま流行している「軽自動車のハイト系」対応サイズも3サイズ追加された(155/65R14 75Q、165/55R15 75Q、165/60R15 77Q)。ハイト系軽自動車ユーザーも、ウインタートランパスTXのしっかり感を体感してほしい。

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