現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ワゴン需要減少でもなぜ新型投入? スバルが「レヴォーグ」を刷新する狙いとは

ここから本文です

ワゴン需要減少でもなぜ新型投入? スバルが「レヴォーグ」を刷新する狙いとは

掲載 更新 2
ワゴン需要減少でもなぜ新型投入? スバルが「レヴォーグ」を刷新する狙いとは

■ワゴンが下火でも、なぜスバルは新型モデルを投入する?

 かつてのワゴン(正確にはステーションワゴン)は、車種数も多く、相応に人気の高いカテゴリでした。

【画像】もはやコクピットじゃん! 超進化した新型「レヴォーグ」をチェック(36枚)

 しかし近年になると、国内では車内が広いミニバンが人気を集め、ワゴンの売れ行きは下がりました。北米ではSUVの需要が増して、同様にワゴンが下火になっています。

 その結果、国産ワゴンは次々に廃止。トヨタ「カルディナ」「マークIIブリット」、日産「アベニール」「ステージア」、ホンダ「アコードツアラー」など、すべて過去のクルマになっています。

 現在販売されている国産ワゴンは、トヨタ「プリウスα」や継続生産型の「カローラフィールダー」を加えても、合計6車種程度です。

 このような状況で、ミドルサイズワゴンのスバル「レヴォーグ」がフルモデルチェンジを実施します。

 新型レヴォーグは2020年8月20日に先行予約を開始して、10月15日に正式「発表」をおこない、11月27日に納車を伴う「発売」となります。

 先行予約の開始から発売までに3か月もあると、メーカーにとっては売れ筋動向が分かって生産効率を高められますが、ユーザーは納車まで延々と待たされます。

 こういった売り方には疑問がありますが、ワゴンの車種数が減っている現状を考えると、新型レヴォーグは貴重な新型車でしょう。

 ワゴンが売れない時代ですが、スバルがレヴォーグをフルモデルチェンジするのはなぜなのでしょうか。

 スバルの開発者は次のようにいいます。

「レヴォーグは、『より遠くまで、より速く、より快適に、より安全に』というスバルのグランドツーリング思想と、『レガシィツーリングワゴン』の血統を受け継ぐクルマです。

 日本のお客さまに向けた商品として開発され、いまでは国内で売られるスバルの中心的な存在に成長しました。そのためにレヴォーグは進化を続けます」

 ワゴンの人気が下がった現在でも、レヴォーグがフルモデルチェンジをおこなう背景には、大きく分けてふたつの意味があるのでしょう。

 まずは開発者がコメントした通り、レヴォーグがレガシィツーリングワゴンを含めたスバルの伝統を受け継ぐ車種であることです。

 スバルは1966年に水平対向エンジンを搭載する「スバル1000」を発売して、1972年には「レオーネ」のエステートバンに4WDを設定。

 1981年には、レオーネにツーリングワゴンが登場して、水平対向エンジン+4WD+ワゴンという組み合わせが築かれました。

 その後、レオーネは熟成を重ね、1989年にはレガシィに発展。レガシィツーリングワゴンが新たな進化を開始しました。

 このようなスバルの営みを継承する車種がレヴォーグなので、いわばブランドの根幹に位置する存在です。やめるわけにはいかないでしょう。

■スバルのラインナップで中心的な存在になったレヴォーグ

 もうひとつの意味は、スバルの車両開発コンセプトに、ワゴンというボディ形状が適していることです。

 先の開発者の言葉にあった「より遠くまで、より速く、より快適に、より安全に」は、スバルの全車種に通じる考え方でもあります。

 そして「速く、快適に、安全に」走るには、低重心で左右に振られにくいクルマ造りが求められます。この条件に合ったボディタイプは、ルーフの低いセダンやワゴン、クーペです。

「より遠くまで」という要素も加えると、荷物を相応に積める使い勝手の優れた荷室も必要です。アクティブな雰囲気まで含めて、ワゴンボディが相応しいわけです。

 スバルがワゴンに力を入れる意味は、欧州車を見ても分かります。

 前述の通り、日本と北米ではワゴンの車種数が大幅に減りましたが、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、フォルクスワーゲンといった欧州車には、いまでもワゴンが豊富に用意されています。

 欧州車にワゴンが多い理由は、低重心のボディにより、積載性に優れたクルマは走行安定性と乗り心地を高く保ちやすいからです。

 欧州では日常的に高速走行をおこなう機会があることから、ほかの地域以上に優れた安定性が求められます。

 そのためSUVが普及した現在でも、欧州ではワゴンの支持が厚く、日本にも豊富なラインナップが輸入されています。

 そしてスバルの場合、2008年に3列シートミニバンの「エクシーガ」を発売しましたが、売れ行きは伸び悩み、SUVの「クロスオーバー7」に発展させても低迷して終わりました。

「レガシィアウトバック」は、北米のニーズに合わせてボディが拡大し、国内では売れ行きを下げています。

 そうなるとスバルとしては、ミドルサイズワゴンのレヴォーグが自ずから中心的な存在になるのです。

 スバルにはミドルサイズカーの標準ともいえる「インプレッサ」、そのSUV仕様になる「XV」、本格SUVの「フォレスター」、スポーツセダンの「WRX」、スポーツクーペの「BRZ」もありますが、スバルの考え方をもっとも色濃く反映させた主力車種はレヴォーグだといえます。

 ワゴンの需要がミニバンなどに押されて下がったのは事実ですが、車種の数はそれ以上に減ってしまいました。

 その結果、国産ワゴンを好むユーザーの視線は、設計の新しいミドルサイズワゴンのレヴォーグと、コンパクトなカローラツーリングに向けられています。

 ライバルになるワゴンが減ったいまだからこそ、レヴォーグにとっては売れ行きを伸ばすチャンスで、力の入った開発をしているともいえるでしょう。

 レヴォーグが新型になった背景には、いろいろな理由とスバルの思惑があるのです。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
家族のおでかけマンネリ解消へ、日産が新プロジェクト 全国の「奥名所」を発掘
レスポンス
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
メルセデスAMGから「CLE53カブリオレ」発売!専用のパワフルなルックスと先進・洗練のインテリア
LE VOLANT CARSMEET WEB
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
平凡な男が突如、何百万人もの夢の中に現れる!?『ドリーム・シナリオ』
バイクのニュース
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
「悪くはないが、良くもない」勝田貴元、シェイクダウンは入念に走行。改善のカギと戦略は/ラリージャパン
AUTOSPORT web
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
新車が買えないレベルで人気沸騰中のメルセデス・ベンツGクラス! EVが売れない日本でも「G 580 with EQ Technology」ならバカ売れするか?
THE EV TIMES
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
軍用ジープが最新モデルで蘇る…ドアなし&オリーブドラブが渋い「ラングラー ウィリス'41」発表
レスポンス
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
ロゴスと「ファイナルファンタジーXIV」コラボのアウトドアグッズの予約受付がスタート!
バイクブロス
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
インディカー初体験の角田裕毅、インディ500への挑戦に現状関心ナシも「もう少し歳をとって考えが変われば……」
motorsport.com 日本版
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
ベントレーCEOの旧私邸を改装。ベントレー本社近隣の特別な顧客体験スペース「The Mews」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
スズキ「最上級SUV」新発表! トヨタ「ヤリスクロス」サイズの“豪華仕様”! 精悍顔もカッコイイ「グランドビターラ ドミニオンE」印国に登場
くるまのニュース
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
アドベンチャースタイルの“軽二輪スクーター”ホンダ「ADV160」に2025年モデル登場! ふたつの新色をプラスした「全3色のカラバリがスポーティ」
VAGUE
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
「RS」最新モデル日本上陸!! アプリリア「RS457」発売
バイクのニュース
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
「ルノー・セニック E-Techエレクトリック」が「モーター・トレーダー・インダストリー・アワード2024」で「ニューカー・オブ・ザ・イヤー」受賞
LE VOLANT CARSMEET WEB
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
BMW R1300GSアドベンチャーをイギリス人レーサーが斬る「30Lタンクの巨体で攻めの走りができる…そのシャシーと電子制御に驚愕だ」
モーサイ
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
「シボレー コルベット E-Ray」は4WD化の恩恵が絶大!もっと刺激的な電気エイの襲来に喝采を【新車試乗】
Webモーターマガジン
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
軽さと居住性を両立したバックパッキングテント「Thouswinds サジタリアスシングルテント」が発売!
バイクブロス
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」  理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
「緊急車両が来て道を譲らないとどうなりますか」 理由に「『聞こえんかった』は通用するのですか」 譲るのはマナー?義務? 具体的にどう譲ればいいのですか。
くるまのニュース
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
日産のフルサイズSUV『アルマーダ』新型、ベース価格は5.6万ドルに据え置き…12月米国発売へ
レスポンス

みんなのコメント

2件
  • 対抗馬全滅で総取り状態。スバルの規模からすれば「売れるクルマ」だから。
    血統だ存在だと大事にするなら、レガシィツーリングワゴンの名前を海外専売にはしなかっただろう?
  • 魅力的な国産ワゴンが少ないだけでは?まぁ、そもそも国産ワゴンが少なずぎるけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310.2576.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.8638.0万円

中古車を検索
レヴォーグの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

310.2576.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

59.8638.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村