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羽根付き「ポルシェ911」を買う最後のチャンス!? 還暦前オヤジの「清水の舞台から飛び降りる」妄想編【役物911長期レポ】

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羽根付き「ポルシェ911」を買う最後のチャンス!? 還暦前オヤジの「清水の舞台から飛び降りる」妄想編【役物911長期レポ】

アラカンが羽根付き911と付き合える最後のチャンス?

トラベル系コンテンツディレクターとして糊口をしのぐ筆者が、齢60を前にして憧れだった羽根付きポルシェ「911」の購入を決意。買える? 乗れる? 維持できる? 赤裸々な姿で挑むポルシェライフの奮闘記です。はたして羽根付きポルシェ911はアラカンのシニアに、翼を授けるのか? 初回はその経緯をお届けします。

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子どもの頃はイェーガーマイスター「934」に憧れた

子どもの頃に熱狂したクルマは羽根付きポルシェ911だった。世代的にもご多聞にもれず『サーキットの狼』を読み、早瀬左近の愛車に心惹かれていたこともある。それに、遊ぶものといえば「ナナサンカレラ」に「930ターボ」、「934ターボ」のプラモやミニカー。とくに934はお気に入りで、「MAX MORITZ PORSCHE/イェーガーマイスター」のプラモは2度作ったし、いい年の大人になってもル・マン仕様934のミニカーを買っている。そう、911自体も好きだが、固定式リアウイングの911にずっと憧れを抱いていたのだった。

あれから約45年。気が付けば60の大台は目前である。わが子も成人し、いくぶんか気がラクになったそんなアラカンのおっさんを襲ったのは

「これでよいのか俺の人生? 羽根付き911に乗らずに枯れていくのか?」

という疑念(というか欲望)。年齢的にもカーボンニュートラルなど社会面でも、この手のクルマに乗る環境は厳しくなるばかり。それにどんどん手の届かなくなっていく歴代911の姿を見るにつけ、還暦前のいまが手にする最後のチャンスかもしれないと強く思うようになっていた。

ポルシェの公式サイトの名言がダメ押しに

60歳の大台にのる前に乗る! というそんな想いを後押ししたのは、じつは最新の992型GT3の公式サイトであった。イマドキの羽根付き911ってどんなモデルなんだろう? となにげなく覗いただけだったのだが、そこに、一秒一秒を大切にする「Carpe secundum(カルペ・セクンドゥム)=その瞬間を生きろ」という992型GT3のモットーも大きく綴られているではないか! よく見ると、最近気に入っている言葉、ラテン語の「Carpe diem(カルペ・ディエム)=今を生きろ」(ブラジリアン柔術のネットワーク名で知っている人も多いハズ!)の文字が目に飛び込んできた。

そう、いまこの時こそが大事なのだ! と、ひとりパソコンを前に思わず叫んでしまった。なにかと理由をつけては腰が引け気味なアラカンのおっさんの胸にぶっ刺さりましたねぇ。しかも締めの言葉は「ゆっくりしている暇はありません。乗り込むなら、今です」と。こ、これは、自分に言っているのか? ポルシェという神様の思し召しに違いない! と思ったのはいうまでもない(笑)。

でも、実際に明日がどうなるかわからない時代に生きているだけに、この言葉にはほんとグッときた。筆者の場合、やっぱり還暦前の今しかない! と改めて決意した瞬間であった。もちろん買えるかどうかもわからない。しかーし、チャレンジしてみなければ始まらない。買えなかったらそれまでのことだ。その時はミニカーで我慢しよう!(笑)

買えもしないが、現代の新車購入事情を聞いてビックリ

ところで、何十年も新車などと縁がない筆者は、今どきのポルシェの新車購入事情を聞いて驚いた。GT系モデルの新車は世界的に大変な人気で、まず購入権なるものを手にしなければならず、しかも、それ自体が抽せん対象だという。

さらに購入の権利を得たとしても(予約金200万円以上払う必要あり)、GT系は全世界的争奪戦となっているうえに、昨今の世界情勢の影響もあって生産枠がいつ割り当てられるのかも分からず、「納期不明が当たり前」という。ラッキーな人で半年、長い人では2年近くも待たなければならないらしい。ヘタすると乗る頃にはモデルが変わってしまう可能性すらあるではないか。ガマン強い! だが、それだけGT系は魅力があるということか。

ちなみに、購入権の抽せんは、予約販売開始の発表と同時に応募者が殺到し、ほとんど秒殺である。プレミアム性が高いことから殺到する人の中には転売ヤー的プロも多く、それゆえディーラーのポルシェセンター(PC)では、購入実績のある人を優先しているという。ようするに一見の客はお断りなのだ。購入実績がない筆者のような一般人は、新車を手にすることはまず不可能なのである。フェラーリのスペチアーレは昔からそうだし、最近はレクサスの限定モデルもそうらしいが、まずはフツーのモデルを買って実績を積まないと始まらないのだった。

ちなみに2023年3月現在、まったくオプションのない標準仕様の992GT3新車価格は2438万円(消費税込)であり、その中古車(新古車)相場価格は軽く3000万円を超えている。市場の原理とはいえ、ほんと一般人にはキビシすぎる新車購入事情なのだった。

空冷? 水冷? どっちを選ぶ?

さて、ということもあり、筆者が狙えるのは過去の、すなわち中古の羽根付き911しかない。まず空冷モデルか水冷モデルか? である。これはズバリ水冷一択。空冷はいろいろな意味でアラカンのおっさんにはキツそうなのだ。

子どもの頃に惹かれていたこともあり、姿形はドハマリなのだが、筆者はロングツーリングやスポーツ走行をしてみたいのである。空冷でもぜんぜん楽しめるとは思うが、本質的にビビりなため、気兼ねせずに乗れそうにない。もはやそんな使い方をするには気が引ける存在なのだ。それに、快適性も確保したいところである。とくにエアコンだ。最近の気候は人にもクルマにも厳しすぎる。964や993は930以前よりはまだマシかもしれないが、効かないとか壊れやすいのでは困る。

加えて、若き頃に1970年式911S(フツーの若者でも手に届く良き時代でした)、そしておっさん化後に1986年式カレラ(これも底値時代)を所有する機会に恵まれたこともあって、いま乗って楽しむなら空冷ではなく、新しい21世紀の水冷911と思っていたのだ。

そもそも空冷は、価格面でハードルが高過ぎる。憧れのナナサンカレラといえば、もはやコレクターズアイテム。記憶では1990年代初頭当時の中古価格は1500万円していなかったが2019年のオークション落札価格の一例では、ミツワもののTouring仕様で約7300万、今は世界的には1億円くらいが相場らしい。ナナサンカレラと同じメカポン(ボッシュ製機械式フューエルインジェクション)のエンジンを積むビッグバンパーのナナヨンカレラもコレクターズアイテム化し、これまた5000万円近い。

羽根付きといえば歴代の空冷911ターボが挙げられるけれど(3.2カレラは経験済みのためSCも含め対象外)、これらもかなり高騰していることは知っていた。今や964ターボも2500万円以上が当たり前の相場価格である。どれもが遠い存在となってしまったのだ。さて、ではどの水冷羽根付き911なら乗れるのか……。

* *

アラカンのおっさんは一体どんな21世紀の羽根付き911を選ぶのか? 次回は、中古車市場で悶絶編をお届けします。

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