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最近影が薄いのが残念! ジムニーの兄貴分「初代エスクード」はいまみてもシビれるカッコよさ

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最近影が薄いのが残念! ジムニーの兄貴分「初代エスクード」はいまみてもシビれるカッコよさ

平成末期、まだSUVという言葉がなかった時代

 初代「スズキ・エスクード」が登場したのは1988年のこと。この年に自工会が発行した『自動車ガイドブックvol.35』を見てみると、このころの「乗用車」のページに載っているクルマは、たとえばトヨタ車ならばセンチュリーを筆頭にソアラ、クラウン、マークII/チェイサー/クレスタに始まり、スターレット、スプリンター・カリブといった風に、セダン、クーペ、2BOXなどのモデルが、ヒエラルキー(ボディサイズ、クラス順)で並べられているページがまず続いた。まあこれは昔からのしきたりのようなものだ。

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 そして「乗用車」の途中から見出しが「ワゴン/コーチ」と変わり、1BOXのライトエースや、ランクル、ハイラックスが載っているが、まだオマケのようで、今のようにもはやSUVが乗用車の主力になっているムードとは、たいそう様相が違っていた。

 では今で言うSUVのカテゴリーの車種は? というと、全メーカーのページから拾っても5ナンバーの範囲だと先に挙げた2車のほか、ブリザード、テラノ、パジェロ、ビッグホーン、ラガー、以上、である。当時あったRV誌を手伝うことがしばしばあったが、こんなに少ない車種(あとは1BOXも含まれていたが)でよく月刊誌を毎号まわしていたものだ……とも思う。

ジムニーの上のクラスの世界戦略車

 なので、そんななかにまさしく彗星の如く現れたのが初代エスクードだった。当時のスズキには、言わずと知れたジムニーがあり、1300ccのJA51型の輸出仕様だったSJ413型が小型4×4として人気を集め、とくに北米仕様の「SAMURAI」は販売が好調。そこでジムニーの上をいくクラスの世界戦略車として企画されたのがエスクードだった。ちなみに車名のエスクードとは、スズキの資料によれば「昔のスペインとスペイン語圏の中南米諸国、ポルトガルで使用されていた各種金貨、ポルトガル、ポルトガル領の通貨単位」に由来したものだ。

 最初に登場したのは3ドア。全長×全幅×全高は3560×1635×1665mm、ホイールベースは2200mmと、JA51型ジムニーより205mm長く170mm幅広く、高さは35mm低い設定で、ホイールベースは170mm長かった。さらにトレッドは前後で185~180mm幅広くとられたものの、最小回転半径はJA51型ジムニーと同じ4.9mとし、コンパクトさが守られた。

ブリスターフェンダーがカッコよかった

 スタイリングはそれまでの4×4とはまったく別世界の見るからに洗練されたもので、曲面フロントガラス、フラッシュサーフェスボディ、ブリスターフェンダーなどが特徴。とはいえ前後に樹脂バンパーを採用し、アプローチアングル40度/ランプブレークオーバーアングル25度/デパーチャーアングル41度と、本格オフロード車の数値だった。一方でインテリアは乗用車感覚。ウエストラインが一段下げられていることで、ドアミラーの視界も巧みに確保されていた。

 エンジンには、当時のスズキでは最大の4気筒1.6L(82ps/13.1kg−m)を搭載。軽量化設計のエンジンで、車重を950~1010kgに抑えるのにも貢献した。ドライブトレインにはトランスミッションとトランスファーを一体化したセンタースルー方式を採用。ラダーフレーム構造の採用をはじめ、サスペンションはフロントがストラット、リヤがトレーリングリンクwithセンターウイッシュボーンで、前後とも160mmのストロークが確保されているなど、本格的なスペックも与えられていた。

「カタナ」のデザイナーが手がけた「レジントップ」

 ボディタイプは、登場時は3ドアのハードトップ(バンを含む)とコンバーチブルを設定。さらに1990年9月には5ドアが追加された。この5ドアは「ノマド(=遊牧民)」の名が与えられ、3ドア(ショートボディ)より全長+415mm、ホイールベース+280mmと大幅にボディサイズを豊かにしたもの。ガソリンタンク容量もショートボディの42Lに対し55Lへと拡大させていた。またコンバーチブルトップをベースに樹脂製トップを装着したレジントップも登場しており、このトップのデザインは、2輪の「スズキ・カタナ」でおなじみだったドイツ人デザイナー、ハンス・ムートが手がけたものだった。

 駆け足で追っていくと、その後1994年12月には、スズキ初の6気筒だったV6の2L・DOHCと2Lディーゼルターボを搭載。1996年10月には新開発となる2Lの4気筒DOHC、2.5LのV6・DOHCを搭載するなどしたほか、走行中の4WDと2WDの切り替えを可能とする新機構の「ドライブセレクト4×4」を採用するなどしている。

 初代エスクードは、欧州では「ビターラ」、北米では「サイドキック」として好評を得たほか、GM販売網では「ジオ・トラッカー」「ポンティアック・サンランナー」としても販売された。9年半と長いライフを過ごしたあと、1997年11月に2世代目にバトンタッチし、北米を中心とした市場要求に応えるクルマへと進化を遂げていった。

アウトドア系ブランドとのコラボモデルもあった

 ちょこっとだけ私見を挟ませていただくと、今、エスクードといえばやはりイメージするのは初代の、しかも3ドアショートボディで、後期型のようにグリルもフェンダーもまだデコラティブではないころのあのクリーンでコンパクトな姿がイチバン新鮮で魅力的だったような気がする。ヘリー・ハンセン、ゴールドウィンなどのブランドとのコラボモデルも限定車であったが、粋な初代エスクードはそれらのモードも無理なく着こなしていた。

 手元にある1992年10月のカタログには、「私は、街も、草原も。」/「週末異邦人。」/「東京発、今夜7時。」/「道あり、予約なし。」など、決してキャッチーさは狙っていないが、いかにもさり気なく旅に誘うようなコピーがページごとに続く。

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みんなのコメント

27件
  • 圧倒的に当時のRAV4よりデザインは良かったが売れなかったw
    トヨタのディーラーは楽だよなクソみたいなデザインでもテキトーに客煽てりゃ車買ってもらえんだからw
  • それにひきかえ、2代目のソフトシェイプスタイルはダメダメでしたね。
    ライバルのトヨタRAV4に大きく水をあけられてしまいました。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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