ドリキンも絶賛! 見応えある追走のオンパレード
3月最終週の週末となる3月24日~25日の二日間、日光サーキットを舞台に、「ドリフトキングダム」の第2戦が開催となった。2月の筑波サーキットでのドリフトキングダム開幕戦からちょうど1カ月の日光戦は、周辺の梅の花が満開の春らしい陽気の下で開催となった。
「D1」や「頭文字D」などでお馴染みのドリフトってそもそもどういう意味?
3月24日(土)に開催のクラブマンクラスは、全27台が出走。単走予選トップ通過の中⻄武蔵選手と、開幕戦を制した金田ワグネル・ヒロミ選手との決勝戦となったが、中西選手を下した金田選手が開幕2連勝を挙げることとなった。3位には中村のぶえ選手が入った。
そして25日(日)のプロクラスでは31台がエントリー。開幕戦を上回る多くのドライバーを集めての開催となった。春休みということもあってか、会場には600名を超える観戦者と60名もの子どもたちも来場。これまでにない、非常に多くのドリフトファンが観戦に訪れた。
第2戦の舞台である日光サーキットは、全長1.1km、12個のコーナーを持つミニ・サーキット。ドリフトキングダムでは、バックストレートをスタート地点とし、10コーナーを経て、11コーナーからドリフトを開始しホームストレートで進入速度を計測。その後4コーナーを抜けるまでが審査区間となる。審査員席は1コーナーの外側に設けられるが、死角となる最終コーナー側にはカメラも設置し、審査区間のすべての様子が審査される。ちなみに、今回、松田次生審査員はSUPER GTの合同テストのため欠席となっている。
プロクラスでは、前日のクラブマンクラスの走行を踏まえ、朝のドライバーズ・ブリーフィングとは別に、参戦全ドライバーによるミーティングなども行われた。また、土屋圭市審査委員長からも、前日のクラブマンクラスでの進入速度最速で123km/hが出ていることを引き合いにハッパがかけられたこともあってか、これまで以上に走りに対して気合いの入る一戦となった。
ポイントランキングの順に、AとB、2グループ分けて出走となる単走予選では、先に走行を終えたランキング下位のAグループが高得点を連発。そのため上位ランカーのBグループ勢の予選1本目の走行では、決勝進出16台のボーダーラインあたりに有力選手がひしめくという状況で周りをひやひやさせたものの、さすがにプロクラス・ランカーということもあって、しっかり2本目に圧巻の走りを見せ、Bグループ勢も挽回。
そしてベスト16に残ったのは、Aグループからは増田和之選手(#831 ますぴSPL/JZX100)、髙嶋健市選手(#867 伊藤オートチェイサー健/JZX100)、長瀬幸治選手(#111 チーム イトウオート 2号機/JZX100)という、チーム伊藤オートの面々。伊藤満紀代表以下、プロジェクトミューカラーのチーム4台すべてがベスト16に残るという快挙。
予選単走をトップで通過したのは、川井謙太郎選手(#109 AUTO-TEC チェイサー/JZX100)。続いて平岡英郎選手(#777 MADFACE ZT RX-7/FD3S)、前田 翼選手(#74 ZESTINOオディエイティー/RPS13)というオーダー。ブリヂストン、フェデラル、グッドイヤー、ダンロップ、トーヨー、ゼスティノ、ナンカンなどなど、数多くのタイヤ銘柄をドリフトキングダム各選手が使用しているわけだが、ゼスティノタイヤが予選トップ3を占めることとなった。
そして迎えた追走決勝は非常に面白いトーナメント表となった。開幕戦2位の野島卓弥選手(#538 ゼグラスDUNLOPサバビア/S13 )、開幕戦4位の斎藤久史選手(#51 mature with 宮精密/RPS13)がともに第一回戦敗退。開幕戦3位の平岡選手は、1回戦を突破したものの、走行後に燃料系トラブルのリタイア、というまさかの展開から始まった。
そんな波乱もあったが、この日の追走決勝は各選手ともに、スタート直後から気合いが入っており、いずれの追走も非常に見ごたえのあるものばかりだった。
特に、1回戦の木口健治選手(#28 サイトウロールケージC33/C33)との対戦、そして前田選手との対戦と、この日3度行われたサドンデスのうちの2回を戦った中村大介選手(#79 WISRETIA 中村屋/RPS13)の走りは非常にアグレッシブで別格。1コーナーへのドリフト同時振りで、なおかつ追走間隔が近い。まさに「土屋圭市が求める追走」だった。しかし、準決勝で益山 航選手(#530 3代目マスビア/S14)との準決勝対決で残念ながら敗れ、3位へ。
そしてこの日最も強かったのが、開幕戦も制している箕輪慎治選手(#23 HEYMAN!!チェイサー/JZX100)。決勝戦まで勝ち上がってきた益山選手との対決も、後追いでしっかりと張り付き、さらに射して引いてと、格上の追走を披露した。
「今日はみんないい追走だったね~。最初から最後までどれも正々堂々としていて見てて気持ちがいい。箕輪は今日も強かったし、うまい、そしてバトルがきれいだった。益山は壁を感じただろうけど、これからも伸びていくだろうし、ほかの選手もどんどんレベルを上げていってほしい」と土屋圭市審査委員長。
「クルマは直してきたんですが、またクルマがボロボロになってしまいました。今日はお客さんがいっぱいいたので、盛り上がればいいなぁと、いい追走をすることだけに集中しました。また次回もかんばります」とレース後の箕輪選手。
2位の益山選手は「ここから15分くらいのところに住んでいるんで、日光がホームコースってことになるんですが、いつになってもうまく走れない難しいコースだなって感じてました。今回、日光戦でドライは初めてだったんですが、うまくできましたね。ただ、最後に追い詰められてミスしてしまって……。次の名阪ではもう少し上に行けたらと思います」。
3位の中村選手は「ようやくクルマができて、今シーズンはシリーズを追えるだけ追おうと思って参戦しています。このキングダムの前に本庄ドリフトGPでぶつけてしまって、先週直してもらったばかり。今日は最低でも表彰台にという思いで来てましたので、表彰台に上がれてよかったです。今日の表彰台はチームのみんなのおかげです」とコメントした。
走行の合間に行なわれるドリフトキングダム恒例イベント、チェリオの「ライフガード無料サンプリング」、「トークショー&サイン会」、来場した子どもたちを対象とした「コースde宝さがし」、そして「優勝者当てコンテスト」といった来場者を対象としたイベントも大好評。さらに今回は、「NEXZAS(ネクザス)特製うまい棒」もふるまわれた。
パドックでの催しものも楽しく、もちろん競技のほうも、非常にレベルの高い追走がみられるようになってきたドリフトキングダム。続く第3戦は、5月12日(土)~13日(日)の2日間、奈良県にある名阪スポーツランド Cコースで開催となる。
また、今回、シリーズのスケジュールの変更も伝えられた。11月3日~4日の開催予定となっていた最終戦となる第7戦日光が、第2回FIAインターコンチネンタル・ドリフティングカップ(東京・お台場)との日程が被ってしまうということで変更となるという。変更スケジュールは追って発表される。
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