2019年のスーパーGTもシーズン終盤戦に突入し、タイトルの行方を占う第6戦が大分県のオートポリスに上陸。9月7日(土)に公式練習が行われ、スーパーGT GT500クラスはKEIHIN NSX-GTが、GT300クラスはシンティアム・アップル・ロータスがトップタイムを記録した。
週末に向け台風13号の影響が予想され、前日夜半から風が強まり始めた阿蘇地方は、公式練習開始時刻の8時50分を前に小雨がぱらつく状況となったものの、本格的な降雨はなし。1時間45分の公式練習は気温24度、路面温度26度、湿度39%というドライコンディションでスタートした。
【タイム結果】2019スーパーGT第6戦オートポリス 公式練習
スーパーGTではフル参戦している車両のウエイト係数がシリーズ終盤2戦で変更されるため、このラウンドがもっともウエイトハンデが重くなる1戦ということもあり、ランキング上位勢はしのぎどころだが、テクニカルコースながらウエイト感度が低いと言われるオートポリスで、GT500クラスはランク首位、数値上はウエイトハンデ120kgとなるWAKO’S 4CR LC500を筆頭にここまで4連勝中のLC500が勢いを維持し上位を固めるか。
それに対し、今季2基目のエンジンを投入したニッサンGT-Rや、ここオートポリスで速さを見せながら勝利のないホンダNSX-GT勢が一矢報いるかが週末の焦点となる。
セッション開始と同時に、ホームストレートアウト側のピットレーン1コーナー側に陣取ったニッサン陣営から続々とコースインした車列は、多くのマシンがアウトインですぐさまピットへ。一方のGT300クラスはPACIFIC MIRAI AKARI NAC PORSCHEが1分58秒台で最初の計時ラップを記録する。
9時を過ぎたところでGT500も周回を重ね始め、ARTA NSX-GTが1分36秒602をマーク。その後も各車が1分36~37秒台で連続周回へ。GT300もLEON PYRAMID AMG、蒲生尚弥の1分46秒307を先頭に1分47秒台前半までにラップタイムが揃う展開となる。
さらに両クラスとも路面コンディション改善とともにじりじりとタイムを上げ続け、GT500はホンダ陣営の本命、KEIHIN NSX-GTが1分36秒172で首位に立ち、リアライズコーポレーション ADVAN GT-R、au TOM'S LC500と3メーカーがトップ3を分け合う形に。
GT300もSUBARU BRZ R&D SPORT、ARTA NSX GT3の2台が1分45秒台に突入してくると、直後の9時15分にT-DASH ランボルギーニGT3の高橋翼が最終セクターの立体交差先でスピンし、マシン右サイドをバリアにヒットしてサスペンションを破損。これで赤旗が掲示されセッションが中断される。
T-DASH ランボルギーニは手負いの状態ながらなんとか自走でピットへと戻り、9時21分から走行が再開。このタイミングで、GT500で最後までコースインを見合わせていたWedsSport ADVAN LC500の国本雄資がコースへと入っていく。
じっくりウォームアップを続けたWedsSport LC500は、9時30分を過ぎたところで1分36秒185を記録し3番手へ。同じタイミングでレクサス陣営のau LC500、中嶋一貴が1分35秒台に突入し首位へと浮上。2番手のKEIHIN NSX、塚越広大もポジションは変わらずながら、1分35秒870へと自己ベストを更新する。
その同じころ、GT300クラスも埼玉トヨペットGB マークX MC、シンティアム・アップル・ロータスがタイムを更新し、マザーシャシー勢がワン・ツー体制を構築。すると9時40分に第2ヘアピンでスピンを喫した植毛GO&FUN GT-R回収のため、2度目の赤旗が掲示される。
この中断を前に、GT500上位にはレクサス勢が進出し、前戦富士での手痛いトラブルから逆襲を期す、立川祐路のZENT CERUMO LC500が1分35秒901を記録し4番手へ。DENSO KOBELCO SARD LC500のヘイキ・コバライネンも1分35秒669とタイムを縮めて2番手へと上がってくる。
■専有走行で軽量級ホンダ勢が躍進。KEIHIN、ARTAがワン・ツー占める
9時46分のセッション再開後は大きなトラブルなく各車が周回を重ね、GT300専有走行まで残り15分となる10時には、GT300でマザーシャシーに割って入る2番手までタイムを上げたD'station Vantage GT3がジョアオ・パオロ・デ・オリベイラから藤井誠暢にスイッチしてコースインしていく。
混走時間が残り10分となったところで、第1ヘアピンでGT300の車両に詰まったKeePer TOM'S LC500の平川亮がカルソニック IMPUL GT-Rの右サイドに軽くコンタクトし検証となる場面があるも、深刻なマシンダメージはなかったようだ。
10分間のGT300クラス専有走行では各陣営予選シミュレーションを行い、タイム更新を果たしたシンティアム・ロータス、加藤寛規が1分45秒308で首位タイムを奪取するしている。
なお、このGT300専有走行では、コミュニケーショントラブルか、GT500を戦うCRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが走行を続けてしまい、黒白旗を掲示されるハプニングも起きている。
続けて10時25分からのGT500専有走行では、そのCRAFTSPORTS GT-Rが走行禁止のペナルティを受け、14台がコース上へ。終盤にはGT300と打って変わってタイム更新合戦が繰り広げられ、KEIHIN NSXのベルトラン・バゲットが1分34秒211までタイムを縮め、見事に最速タイムを記録。
2番手にもARTA NSXが入り、ホンダNSX-GTがワン・ツー体制となり、3番手にレクサス最上位のWedsSport LC500、以下リアライズコーポレーションGT-R、DENSO LC500のトップ5となった。
セッション中はくもり空が続き、気温上昇が抑えられたことで高地でのターボ負荷がいくぶん和らいだ結果か、軽量級のNSX-GT勢が速さを見せた公式練習。このあと14時30分からノックアウト方式での公式予選が行われるが、コンディション変化がどうなるかが気になるところだ。
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