ランドローバーのミドルクラスSUV「ディスカバリースポーツ」の最新モデルに小川フミオが試乗した。内外装が大幅に変わった2020年モデルをどう評価する?
ディスカバリーよりひとまわり小さい
工業デザインの世界で、デザイナーたちから、まるで“父”のように尊敬されているのが、ドイツのディーター・ラムズだ。1961年から95年まで、家電メーカーの「ブラウン」社でデザインディレクターを務めたラムズの信奉者には(意外かもしれないが)マクラーレンのディレクターであるロブ・メルビルも含まれる。
英国つながりでいえば、ランドローバーの製品も、ラムズの唱えるグッドデザインの要件をいくつも満たしているように思える。
「グッドデザインとは理解しやすい」「グッドデザインとは内容を偽らない」「グッドデザインとは審美性が高い」といった定義を、ことごとく裏書きするようなデザインである。だから、見ているだけで、すとんと腑に落ちるかたちをしているのだろう。
ラインナップの構成も、ここで挙げた”グッドデザイン”のなかに入るのではないだろうか。ランドローバー・シリーズだけをみても、使用者の目的に合致したデザインの展開を見せている。
2019年11月に登場した「ディスカバリースポーツ」の2020年モデルは、スタイリング的には、より大きなディスカバリーのデザインテーマを敷衍(ふえん)している。
あまり興味がないと、「ディスカバリーとよく似ている」と、思われるかもしれないけれど、じつは、3列シートのパッケージと、コンパクトに切り詰めたリア オーバーハングをもつ軽快なスタイリングは独自なもの。
セダンのように走らせられる
操縦すると、まさに乗用車的に気持よく走らせられる。さまざまな改良を受けた新型ディスカバリースポーツは、レスポンスのいいシャシーと、トルキーなエンジンを持ち、都会的なSUVとしてレベルが高い印象だ。
全長4970mmに達するディスカバリーでは「少し大きいなぁ」と、感じるひとにとって、全長4597mm、ホイールベース2741mmのディスカバリースポーツは、よりニーズに適したプロダクトといえよう。
新型ディスカバリースポーツは、「プレミアム トランスバース アーキテクチャー」と呼ぶシャシーを採用。フロント部分が新設計となって、横置きされるエンジンの搭載位置が下がったことが注目点だ。
2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ エンジンの搭載位置を、従来よりも低くしたのは、車両の低重心化を図ったため。「コーナーリング時のステアリング レスポンスを改善し、高い操縦性能と静粛性を実現した」と、メーカーは説明している。
くわえてランドローバーによると、改良されたシャシーによって、剛性が高くなり、かつ走行中の騒音や振動が低下したという。たしかに、そのとおりで、着座位置が高い点を除けば、運転感覚や快適性は乗用車といってよい。
しっかりと動くサスペンションに、剛性の高いシャシー、そして応答性のいいステアリングのおかげで、ハンドリングにすぐれる。コーナリングでのロールも抑え込んでいる。脚をやや前に投げ出すようなドラインビング ポジションとあいまって、「レンジローバー ヴェラール」や「イヴォーク」と同様、セダンのように走らせられる。
“5プラス2”のシート配列
試乗車は、ディーゼルエンジン搭載の「RダイナミックSE D180」という仕様。1999cc直列4気筒ディーゼルターボエンジンは、132kW(180ps)の最高出力と、430Nmの最大トルクを発生する。車重は1.9トンあるものの、重さをものともせず、力強いダッシュ力を発揮する。
ドイツ車に較べると、やや遮音性に劣り、“カラカラ”というディーゼル エンジン特有のノイズが聞こえるものの、「聞こえたっていい」というレベルにとどまっている。2000rpmちかくからトルクが盛り上がるというめりはりの効いたドラマチックなキャラクターで、運転が好きなひとを楽しませてくれる。
インテリアも魅力だ。ひとつはデザイン性の高さ。たとえば、やわらかな素材を使ったダッシュボードと、タッチスクリーン液晶パネルとの組み合わせは絶妙である。
建築も家具も大好きという、ランドローバーのデザインディレクター、ジェリー・マクガバンのディレクションのたまものだろうか。試乗したモデルのように、白系と黒系の2トーン カラーが特徴のレザースポーツシートを選べるなど、多様性にも富んでいる。
インテリアの魅力はさらにもうひとつあって、それはシート配列だ。「5プラス2」と、ランドローバーがうたう3列シートを備えている。米国市場を意識したものだろう。2人がけの3列目シートへのアクセスはちょっとキツいが、小学生だったら、乗っていられそうだ。
3列目シートをたためば荷室も大きく、機能性も高い。新型レンジローバー イヴォークで初採用した、フロアパネルの下まで”見える”カメラを使った技術「クリアサイトグラウンドビュー」も搭載されているので、いざオフロードにいったときの安心感も高そう。
ラインナップは、「ディスカバリースポーツ」と「ディスカバリースポーツRダイナミック」で構成されている。前者には、最高出力200psを発揮するガソリンモデル「P200」と、ディーゼルモデル「D180」が選べる。後者は、このふたつのエンジンにくわえ、最高出力249psを発揮するガソリンモデル「P250」も用意されている。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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