先月にヴィッツあらため世界共通名のヤリスとして発表された新型にサーキットで試乗することができました。発売は来年2月中旬予定ということでプロトタイプとされていましたが、コンパクトカー向けTNGAプラットフォーム(GA-B)の初採用をはじめ、エンジン、トランスミッション、ハイブリッドシステム、サスペンションなどの一新により、先代とは全く異なる走りを体感することができました。
その詳細は近日carview!に掲載予定の試乗記をご覧いただくこととしまして…。本記事ではその際に編集が注目したトヨタ初採用を含む快適装備をいくつかレポートしたいと思います。
高齢者の方に使ってほしいターンチルトシート(写真2~4枚目)
運転席および助手席のシートが回転&チルトし、スカートや和服の際のクルマからの乗り降りや、腰痛持ちの方などをサポートする機能でトヨタ車として初設定となります。何が特徴なのか企画担当の方にお話しを伺いました。
「これまでは福祉車両という扱いでほとんどが持ち込み登録になっていましたが、今回はオプションとして設定しておりその必要がありません。また、価格面でもこれまでは同様の装備が16万円ほどしましたが、今回は大幅に下げることができましたので、幅広い方にご利用いただけるのではないかと期待しています」とのこと。標準車と同じシート調整機能も備わり、乗り込んでドライビングポジションをとると通常のシートとまったく変わりません。シートの回転は軽い操作感で非常にスムーズ。乗降時の服装を気にされる女性や、毎回「よっこらしょ…」と乗降に難儀されている高齢者の方などには魅力的なオプション装備になりそうです。
電動シートじゃないのにポジションを記憶する新装備(写真5枚目)
運転席に座ってふとシートの右側を見ると「POSITION MEMORY(ポジション メモリー)」と表示された小さめのレバーに気が付きました。これは電動シートにあるメモリー機能の手動版といった装備で、その名もイージーリターンシート。機構的にはレールにコマを仕込んだシンプルなものですが、このレバーを操作することで前回のシート位置へ簡単に復帰させることができます。降りる際に毎回シートを後ろに下げる方には便利な機能となりそうです。
ティッシュボックスがピタリとはまる助手席グローブボックス(写真6~7枚目)
ヤリスオーナーになっても言われなければ見過ごしてしまいそうなこちら。写真の通りティッシュボックスがピタリとはまっていますが、その秘密は上部に設けられたくぼみと、下部の溝です。奥には空間が残されていますので、普段収納されているものに影響はしません。地味…と言ってしまえばそれまでですが、細部にこだわる内装担当者の気遣いに感心するばかりでした。さらに、そのままドアポケットに目を移すと1.5Lのペットボトルがドンと収納されていましたよ(写真8枚目)。
簡単、素早い動きで実用的な駐車支援システム(写真9~11枚目)
今回、トヨタ初採用となる駐車支援システム「Advanced Park(アドバンスド パーク)」も体験することができました。これまで、同様のシステムを他のクルマで何度か体験する機会がありましたが、正直なところ駐車スペースの認識やその後の動作が遅く、使用シーンが限られそうな印象を受けていました。その点、アドバンスド パークは駐車スペース横に停車してからの枠認識、動作が素早く実用的。ハンドルはもちろん、アクセル、ブレーキも制御してくれるため、ドライバーは周囲の安全確認に集中することができそうです。
また、白線のない駐車場でも一度駐車スペースを登録しておけば、以降は自動認識するという世界初のメモリ機能を搭載。3カ所まで登録でき、駐車スペースの左右どちらかでも入庫動作が行えるうえ、スピードも三段階調整が可能とのこと。公道試乗の際は、街中のパーキングでも実際に試してみたいと思います。
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