現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタ「ハイラックス」生誕50周年 タフさと快適性を磨き続けた半世紀の軌跡を振り返る

ここから本文です

トヨタ「ハイラックス」生誕50周年 タフさと快適性を磨き続けた半世紀の軌跡を振り返る

掲載 更新
トヨタ「ハイラックス」生誕50周年 タフさと快適性を磨き続けた半世紀の軌跡を振り返る

■1968年3月、初代「ハイラックス」が誕生

 積載性とタフな走行性で使い勝手に優れたトヨタ「ハイラックス」は、2018年に生誕50周年を迎えた歴史あるモデルのひとつです。そこで、半世紀に渡る「ハイラックス」の進化の過程を、改めて振り返ってみようと思います。

ついに登場! トヨタ新型「スープラ」の市販プロトタイプを公開

 1968年3月、トヨタは当時のラインナップにあった「ブリスカ」と「ライトスタウト」の統合後継モデルとなる初代「ハイラックス」を企画し、日野によって生産が開始されました。

「ハイラックス=HILUX」というネーミングは、英語で「高級な」「より優れた」という意味の「High」と「ぜいたくな」「豪華な」という意味の「Luxury」を組み合わせた造語です。

 ハシゴ状のフレームに「トヨエース」と同じ1.5リッター/70PSのエンジンを搭載した初代モデルは、フロントサスペンションにダブルウィッシュボーン/コイルスプリング、リアにリジッドアクスル/リーフスプリングを採用し、乗用車並みの装備を持つ『デラックス』に、廉価版の『スタンダード』と、2種類のグレードがありました。  定員3名で積載量1000kgだったこのモデルは、1969年4月にそれまで1850mmだった荷台長を2250mmに延長したロングホイールベース仕様を追加し、1970年7月にはアルミバンと保冷車を追加。1971年2月にはエンジンを1.6リッター/83PSの12R型に変更しています。

■ATが初採用された2代目は1972年5月に発売

 1972年5月に発売された2代目では、それまでの1.6リッターエンジンに加え、高速道路走行を考慮した2リッター/105PSエンジン搭載の『ハイウェイ』を新設定しました。このモデルでは「ハイラックス」で初となるフロア3速AT仕様も用意されました。

 また、2代目ではブレーキ・システムを見直すことで、安全面も強化。1975年10月には「昭和50年排出ガス規制」に対応するため、エンジンは1.6リッター/80PSの12R-J型のみとなりました。

■大幅にラインアップを拡充した3代目は1978年9月に登場

「HILUX CALIFORNIA-日本生まれのアメリカ育ち」のキャッチコピーで、1978年9月に発売された3代目は、アメリカで使われているピックアップトラックのように、乗用車の代わりやレジャーに使うことを提案したモデルです。

 乗用車的な仕様・装備と乗り心地が与えられ、3種の標準ボディと4種のロングボディを設定し、先代から続く1.6リッターエンジンを搭載。

 トップモデルであるスーパーデラックスは室内空間に余裕を持たせるため、90mm長いキャビンが採用されたほか、デラックス以上のグレードには前輪にディスクブレーキが標準装備されました。

 1979年10月には「ハイラックス」としては初となる4WDモデル(エンジンは2リッター)を導入し、同年12月には初のディーゼルエンジン仕様を2WDモデルにも追加しました。

 1981年10月のマイナーチェンジでは、レジャー用として重宝する2列シートの「ダブルキャブ」を加えるなど、3代目では大幅な車種体系の拡充が図られています。

■派生モデルとしてトヨタ初のSUVも発売された4代目

 1983年11月に発売した4代目では、2WDモデルの内外デザインを一新した『コンフォタブル』シリーズと、3代目の継続生産である『ポピュラー』シリーズ、新ボディの4WDモデルがラインナップされました。

 2WDモデルには1.6/1.8リッターのガソリンエンジンと、2.2/2.4リッターのディーゼルエンジン、そして4WDモデルには2リッターガソリンエンジンと2.4リッターディーゼルエンジンが採用されました。  4WDモデルは「シングルキャブ」と「ダブルキャブ」の2バリエーションがあり、モデル数は従来の17種から20種に増加。1984年5月には、4WDモデルをベースにステーションワゴン化した、トヨタ初のSUV『ハイラックスサーフ』(海外向けは4ランナー)も発売されています。

■強力、強靱、快適の3要素を基本コンセプトにした5代目の登場

 1988年9月に発売された5代目では、「強力、強靱、快適」の3要素を基本コンセプトとし、「休暇・楽しみのための自動車」RV(レクリエーショナル・ビークル)としての機能も高めるため、さらなる装備の充実が図られました。

 エンジンは2WDモデルに1.8リッターガソリン/2.4リッターディーゼル、4WDモデルに2リッターガソリン/2.8リッターディーゼルの4種類を用意。2WDモデルのAT装着車を拡大するとともに、4WDモデルのショートボディ車に高級仕様の『SSRパッケージ』を新設定するなど、顧客ニーズの多様化に応えています。

 また、1991年8月のマイナーチェンジでは「ダブルキャブ」4WDモデルのフロントサスペンションをダブルウィッシュボーン/トーションバースプリングの独立式に変更することで、乗り心地と安定性が向上されています。

■広い室内空間と静寂性の両立が図られた6代目モデル

 1997年9月に発売した6代目は、トラックとしての機能を優先した『ビジネスユース(商用)』仕様と、『パーソナルユース(乗用)』仕様の2シリーズで構成されています。

 パーソナルユースでは『スポーツピックアップ』の名を冠し、RVとしての機構や装備を充実させるため、室内高と室内長を拡大するとともに、静粛性を向上。また、1997年11月登場のワイドボディ(全幅+100mm)の「エクストラキャブ」では、後席に2名分の補助シートを備えながら、充分な荷台長を確保しました。

 エンジンはガソリンが2リッターと2.7リッター、ディーゼルが2.4リッターターボと3リッターの計4機種を用意。2WD/4WDモデル共に「ダブルキャブ」と「エクストラキャブ」が設定されています。

■2004年登場の7代目は高いレベルの耐久性と快適性を実現

 2004年8月に発売した7代目は、世界140か国以上の市場に導入することを前提とし、6代目までの無骨でタフなイメージを継承しつつも、広い室内空間が確保されています。乗用車の乗り心地とSUVの利便性を高い次元で両立させることで、21世紀を生き抜くクルマとして開発されました。  また、このモデルはピックアップトラック3車型(ハイラックス)とミニバン(イノーバ)、SUV(フォーチュナー)を同じプラットフォームとするIMV(イノヴェーションインターナショナル・マルチパーパス・ヴィークル)プロジェクトの一貫として、開発・生産されています。  残念ながらこの7代目「ハイラックス」は日本での生産ではなくなり、タイ、南アフリカ、アルゼンチンから、世界各国へ供給し、ほかにもマレーシア、パキスタン、ベネズエラで生産されていました。

■13年ぶりに国内復帰、最新技術を導入した8代目

 2015年5月に発売した8代目は、開発にあたり『道が人を鍛える。人がクルマをつくる』という考えのもと、世界中の様々な道を走り、使用環境を実際に体験するとともに、ユーザーからの声を直接聞くことで生み出されました。

 このモデルでは、『タフの再定義』を開発コンセプトとして掲げ、あらゆる観点からタフさを追求。「低燃費がもたらす、ゆとりある航続距離」「過酷な道を安全に走るための疲れにくい乗り心地」「車内のコミュニケーションに影響しない静かな室内」という新基準を設け、「丈夫さ」「力強い走り」「走破性」「衝突安全性」を徹底的に鍛えなおしました。

 また、2017年9月12日に、13年ぶりとなる国内販売復帰が果たされました。国内向けは2.4リッターのディーゼルエンジンを搭載。大柄なボディながらも燃費11.8km/L(JOC08モード)の達成や、レーダー+単眼カメラ方式の安全運転支援システム「プリクラッシュセーフティ(昼間の歩行者検知機能付き衝突回避支援タイプ)」(Zモデルのみ搭載)を装備するなど、様々な面で進化を遂げています。

こんな記事も読まれています

トーヨータイヤが小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135」と、小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV」の2モデルを発表
トーヨータイヤが小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135」と、小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV」の2モデルを発表
くるまのニュース
より安心で快適な軽バンへ!ホンダが「N-VAN」の新型モデルと特別仕様車を発売
より安心で快適な軽バンへ!ホンダが「N-VAN」の新型モデルと特別仕様車を発売
バイクのニュース
シックなブルーの350台限定車 フィアット500/500Cグランデ・ブル 同時に新グレード追加も
シックなブルーの350台限定車 フィアット500/500Cグランデ・ブル 同時に新グレード追加も
AUTOCAR JAPAN
751馬力! BMW「XM」をACシュニッツァーがカスタマイズ。史上最強のMに挑みました
751馬力! BMW「XM」をACシュニッツァーがカスタマイズ。史上最強のMに挑みました
Auto Messe Web
三菱コンパクトSUVが、もっとハンサムに変身! 改良型「ASX」は日本の町並みにもきっと似合う
三菱コンパクトSUVが、もっとハンサムに変身! 改良型「ASX」は日本の町並みにもきっと似合う
Webモーターマガジン
バニャイアが今季初の初日トップ。「異なる作戦」で表彰台を阻んだ問題解決に取り組む/第4戦スペインGP初日
バニャイアが今季初の初日トップ。「異なる作戦」で表彰台を阻んだ問題解決に取り組む/第4戦スペインGP初日
AUTOSPORT web
ペナルティで3位失うも、スプリント好走にクアルタラロ満足。決勝は「トップ10なら良い結果」
ペナルティで3位失うも、スプリント好走にクアルタラロ満足。決勝は「トップ10なら良い結果」
motorsport.com 日本版
MINIに“新顔”登場、電動クロスオーバー『エースマン』世界初公開…北京モーターショー2024
MINIに“新顔”登場、電動クロスオーバー『エースマン』世界初公開…北京モーターショー2024
レスポンス
ホンダ:中上はホンダ勢最上位の16番手。ザルコ「今日の転倒でマシンへの理解が深まった」/第4戦スペインGP初日
ホンダ:中上はホンダ勢最上位の16番手。ザルコ「今日の転倒でマシンへの理解が深まった」/第4戦スペインGP初日
AUTOSPORT web
新車のクラシックバイク、ロイヤルエンフィールドの伝統を、名を受け継いだ「ブリット350」にアクティブバイク女子、指出瑞貴が乗ってみました!!
新車のクラシックバイク、ロイヤルエンフィールドの伝統を、名を受け継いだ「ブリット350」にアクティブバイク女子、指出瑞貴が乗ってみました!!
バイクのニュース
レクサスの「“ミッドシップ”スーパーカー」!? 美麗シルエットが超カッコイイ! まさかの「ミッドエンジンLC」CGの実現性は?
レクサスの「“ミッドシップ”スーパーカー」!? 美麗シルエットが超カッコイイ! まさかの「ミッドエンジンLC」CGの実現性は?
くるまのニュース
ヤマハ:クアルタラロ、リンスともにコーナリング性能に苦戦。「ブレーキングで考えすぎてしまう」/第4戦スペインGP初日
ヤマハ:クアルタラロ、リンスともにコーナリング性能に苦戦。「ブレーキングで考えすぎてしまう」/第4戦スペインGP初日
AUTOSPORT web
スイフトのリッター24km超えも優秀だけど……ヤリスはリッター36kmで圧勝!! 燃費で選ぶコンパクトカー
スイフトのリッター24km超えも優秀だけど……ヤリスはリッター36kmで圧勝!! 燃費で選ぶコンパクトカー
ベストカーWeb
最新 i7の防弾仕様「プロテクション」へ試乗 動きが鈍重では無意味 BMWの特別プログラムを体験(2)
最新 i7の防弾仕様「プロテクション」へ試乗 動きが鈍重では無意味 BMWの特別プログラムを体験(2)
AUTOCAR JAPAN
まるで違う「装甲」性能 7シリーズ・プロテクション 爆弾15kgにも耐える! BMWの特別プログラムを体験(1)
まるで違う「装甲」性能 7シリーズ・プロテクション 爆弾15kgにも耐える! BMWの特別プログラムを体験(1)
AUTOCAR JAPAN
「オービスをぶっ壊せ」国民の怒り爆発!? “プライバシーより取締り”の顛末とは 恐怖のオービスお国事情
「オービスをぶっ壊せ」国民の怒り爆発!? “プライバシーより取締り”の顛末とは 恐怖のオービスお国事情
乗りものニュース
モリタのコンテスト:小学生が描く「未来の消防車」、最優秀賞は埼玉県在住の新口さん
モリタのコンテスト:小学生が描く「未来の消防車」、最優秀賞は埼玉県在住の新口さん
レスポンス
テスラ失速! もうどうにも止まらない……販売不振で30万円値下げ! 低価格車EVの投入前倒しへ
テスラ失速! もうどうにも止まらない……販売不振で30万円値下げ! 低価格車EVの投入前倒しへ
ベストカーWeb

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

407.2477.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

69.8690.0万円

中古車を検索
ハイラックスの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

407.2477.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

69.8690.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村