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新しいトヨタ・センチュリーは“超”こだわり抜いたSUVだった

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新しいトヨタ・センチュリーは“超”こだわり抜いたSUVだった

トヨタの最高級車「センチュリー」に追加されたSUVモデルを見た小川フミオはなにを思ったか。ロールス・ロイス「カリナン」などとのライバルとは異なるアプローチを考える!

リヤシートのための豪華SUV

新しいトヨタ・センチュリーのSUV、堂々登場! 日本最高峰のクルマはオープンモデルも選べるぞ──GQ新着カー

トヨタのフラッグシップ「センチュリー」にSUVが追加されたという、驚くようなニュースが、2023年9月6日に飛び込んだ。ただしこのSUV型モデルは、「新しいセンチュリー」(トヨタ自動車)とされ、具体的なモデル名は与えられていない。SUVは“新しいショーファーカー”をめざして開発されたものという。

興味ぶかいのは、ショーファーカー(運転手つきのクルマ)を、後席乗員を可能な限りリラックスさせることと解釈したと思われる点。

具体的には、後席左側の乗員はほぼフルフラットの状態で移動できる。これまで「アルファード」「ヴェルファイア」のような大型ミニバンで挑戦してきたコンセプトを、より合目的的に進めた結果だ。

2950mmのロングホイールベースを活かしたパッケージングが実現。身長190cmの乗員がフルフラットのシートに身を置いても、つまさきが助手席側のシートに触れないとされる。後席ドアは最大75度まで開くうえに、「掃き出しフロア」なるサイドシルをまたがず乗り降りできる構造が採用されている。くわえて、自動電動格納式ステップもそなわる。

ひと目でセンチュリーとわかるスタイリングはSUV型だけれど、“SUV人気”というトレンドに沿った結果ではなさそう。頭部が上部シルに接触することを気にせず、「背筋をスッと伸ばしたままスムーズに乗車」できると謳うあたり後席乗員のためにSUV型にした可能性が高い。SUV的リヤクォーター部分をもつが、ボディ構造は、荷室とキャビンをしっかり分離。これもたいへんユニークな点だ。

「ラゲージルームセパレーター骨格採用」と、名づけられた構造によりセダンを超えるボディ剛性を確保し、かつ優れた静粛性と心地よい乗り心地を実現したという。

一見、SUVに見えても、じつは乗降性や居住性を第一に考えてのデザインというのが、このセンチュリーの持ち味なのだ。

最初見たときは、ロールス・ロイスの大型SUV「カリナン」を連想したものの、目指すところはまったく異なる。

カリナンはあくまで自分でもハンティングロッジとか運転して出かけちゃうアクティブなユーザーが想定されている。後席を倒して大きな荷物を積むことも想定されているのだ。これに対しセンチュリーは、あくまでリヤシート重視だ。

ひとつ共通点があると私が思ったのは、大きなところで見たデザインコンセプト。ロールス・ロイスのヘッド・オブ・デザインは「カリナンは美しいというより、一目でロールス・ロイスとわかればよい」と言っていた。

今回のセンチュリーにも同じようなところがある。

徹底したこだわりもうひとつ、共通点があるのは、ディテールの仕上げへの徹底したこだわり。

スピリット・オブ・エクスタシーでなく、こちらはセンチュリーの象徴という「鳳凰エンブレム」。江戸彫金の流れをくむ匠がすべて手彫りにしているそうだ。さらに、匠の技と先進技術が融合したという「本杢(ほんもく)パネル」。それに、「樹脂磨きの匠」や「高精度な締付トルク出し」も、このクルマならでは。

「樹脂磨きの匠」とは「バンパーの美しい塗装面に不可欠な素地磨きを通常は100分の1ミリ程度のところ、1000分の1ミリのレベルまで段差をなくす細かな仕上げ」(トヨタ)とのこと。「高精度な締付トルク出し」は「ボルト1本1本を匠の繊細な感覚による高精度な締結」にすることで、乗り心地などクオリティに寄与するそうだ。

パワートレインは、3.5リッターV6エンジンを使ったハイブリッド。「ショーファーカーとして優れた環境性能と高い機動性 (高出力化/十分な航続距離)を両立」させたという。

上記ハイブリッドシステムに、「e-Axle」とトヨタが呼ぶ高出力モーターを使った4WDシステムが組み合わされる。前後輪へのトルク配分を緻密に電子制御することで快適な乗り心地をめざしたと説明される。

くわえて、後席乗員に揺れを感じさせないための装備として「リアコンフォートモード」が新設されている。後輪操舵システムと、電子制御サスペンションシステムと、ブレーキを統合制御。車線変更時やブレーキング時の揺れ戻しの低減がはかられている。注文受付開始は2023年9月6日の発表と同時。ただし発売は2023年中を予定とするから公道でみかけるのはまだ先となる。なお、セダンも継続販売される。

文・小川フミオ 編集・稲垣邦康(GQ)

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