フェラーリにとって、F1中国GPは実に形容しがたい週末になってしまった。スプリント予選ではルイス・ハミルトンがポールポジションを獲得し、F1スプリントで優勝したが、決勝レースでは2台ともが失格となってしまったのだ。
失格の話題で忘れ去られてしまったかもしれないが、レース中のハミルトンとシャルル・ルクレールのポジション入れ替えを巡るやり取りも、本来ならレース後の大きなトピックとなっていたはずだ。
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レース前半、13周を走って最初のピットストップを終えたハミルトンは4番手、ルクレールはその2周後にピットに入って5番手を走行していた。そして20周前後のタイミングで、フェラーリは2台のポジションを入れ替えようとしていた。
ハミルトンの担当レースエンジニア、リカルド・アダミが「ターン14でマシンをスワップする」と指示すると、ハミルトンは「彼が近づいてきたら、そうだね」と答えた。
このやり取りが国際映像で取り上げられた際、前後の文脈が分からないことから、各国のコメンテーターはハミルトンがチームオーダーに乗り気ではないと推測したことだろう。
その後、アダミが「このラップでスワップしよう」と言うと、ハミルトンはそっけない返事を返した。そしてその際の「スワップするときに言うよ」という返事は、まさにハミルトンがルクレールに交わされたタイミングで放送にのせられた。
ルクレールがオープニングラップの混乱の中でハミルトンと接触し、フロントウイングにダメージを負ったまま走行していた中でのチームオーダーだったが、これが正しい判断であることはすぐに証明された。ハミルトンはその後ペースが上がらず再びピットイン。最終的にルクレールの2秒後方、6番手でチェッカーを受けた。もちろん、前述したように最終的に2台は失格となってしまったのだが。
しかしテレビの視聴者には知ることができなかったが、そもそも2台のポジションスワップを提案したのは、ハミルトン自身だった。
「僕は苦戦しているから、シャルルを行かせようと思う」と彼は言ったのだ。
このメッセージはテレビのコメンテーターが憶測で誤った発言するのを防ぐための重要なピースだったが、放送されることはなかった。
メディア向け報告会で、フェラーリのフレデリック・バスール代表はF1の権利所有者であるFOM(フォーミュラワン・マネジメント)が自分のチームをめぐるドラマを作り出していると感じたとして、不満を示した。
ハミルトンは開幕戦オーストラリアGPでのアダミとの無線のやり取りが「そっけない」として、メディアに大げさに取り扱われていると語ったばかりなのだ。
「これはFOMのジョークだと思う。なぜなら最初の提案はルイスからだったのだから」
「ルイスが我々にスワップを申し出たのに、ショーを作るため、状況を混乱させるため、やり取りの後半部分しか放送しなかった。 彼らと話し合うつもりだ」
motorsport.comの調べによると、F1はその後バスール代表と連絡を取り、ハミルトンの最初のメッセージを省略したのは視聴者に誤解を与えるための意図的な決定ではなく、見落としであったと説明しているという。
「フェラーリのチーム無線について誤解を招くような説明をする意図はまったくなかった。レース中に別の状況が発生したため、ルイスからのメッセージは流されなかったが、これは意図的なものではない」と、FIAの広報担当者は説明している。
ハミルトンのフェラーリへの適応がどのように描かれているかについて、バスール代表は次のように語った。
「(メディアは)先週、エンジニアとルイスの間で交わされたメッセージについて大騒ぎした。正直なところ、ルイスがブリーフィングルームに戻ってきたとき、彼はこのエンジニアに『よくやった』と言ったんだ」
「彼らは”K1”(オーバーテイク時に使えるボタンと思われる)の使い方について話し合っていて、彼は『僕が戦っているときはしゃべるな』と言ったから、大量の疑問を抱いたんだ」
「スワップを要求したのはルイスだ。このような状況は、他のチームではシーズン中に10回あるかどうかもわからない。ピットウォールにいる我々としては、ルイスが『みんな、ペースが落ちているからスワップしたい』と言ってくれたことに本当に感謝している。2人のコラボレーションはとても素晴らしい」
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