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【クロカン列伝18 日産テラノ D21編】アーバンスタイルの都会派SUVの先駆けとして鮮烈デビュー

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【クロカン列伝18 日産テラノ D21編】アーバンスタイルの都会派SUVの先駆けとして鮮烈デビュー

1980年代、「クロカン」ブームを支えた4WDが、各自動車メーカーから続々と発売された。この連載企画では、今でいうSUVとは、ひと味もふた味も異なる「泥臭さやワイルドさ」を前面に押し出したクロカン4WDを紹介する。第18弾は「 日産 テラノ」だ。

今でもテレビCMに起用されるほど色あせないスタイル
以前放映されたマクドナルドのCMで、キムタク(木村拓哉)が運転するクルマがドライブスルーに入っていくシーンがあった。その時、チラリと登場したクルマ、あれはまぎれもなく1986年に発売された日産テラノ、型式名「D21」だ。クラシック感はあるものの、いま見てもすたれた感じもなく、ドライバー共どもカッコイイままだ。

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それはさておき、1981年、いすゞ「ビッグホーン」が先陣を切ってデビューすると、1982年には三菱「パジェロ」が、そして1984年には、トヨタ「ハイラックスサーフ」が誕生するなど、時はSUVブームが巻き起こっていた。

そして1986年、この市場に日産が満を持して投入したのが「テラノ」だ。先に登場したアクティブなイメージを持つモデルたちに対し、テラノは海や山にも行ける「都会派 SUV」を強くアピールした。

北米でデザインされた斬新な2ドアスタイルとして登場
斬新なプロポーションは、北米の「ニッサン デザイン インターナショナル」が手掛けた。発売当初は2ドアのみの5ナンバーサイズのみだったが、ライバル車を研究し尽くしたそのデザインには、ライバルたちのデメリットを打ち消すアイデアがたくさん盛り込まれていた。

そのひとつがリアゲートの形状だ。他車が観音開きや上下分割式などを採用する中で、テラノは雨天時の荷物の出し入れに便利な、跳ね上げ式のリアゲートを採用した。さらにリアゲートのガラスは、ガラス部分のみが自在に開閉できるガラスハッチオープナーを採用し、利便性を高めた。

さらに2ドアスタイルにもかかわらず、リアシート横の三角窓はハメ殺しでなく開閉式を採用した。セカンドシートの膝まわりクリアランスも広く、乗員への考慮が伺えた。

オフロード性能のレベルもかなり高かった。それはテラノのベース車には日産の歴史を牽引したとも言えるダットサン4WDのD21型を流用したからだ。

北米仕様の3L V6エンジンが国内投入され人気爆発
デビュー当時は、2663cc 直4ディーゼルTD27型(最高出力85ps/最大トルク18.0kgm)にトランスミッションは5速MTのみだった。グレード構成はバンが2タイプとワゴンが3タイプが設定された。

ライバルを一歩リードしていたサスペンションは、フロントにトーションバータイプのダブルウイッシュボーン、リアに国産SUV初の5リンクコイルリジッドをラダーフレームに組み合わせ、乗り心地と路面追従性、強靭さを兼ね備えていた。

そしてテラノの存在を決定づけたのが、1987年に北米仕様の「パスファインダー」に搭載していた2960cc V6のVG30i型(最高出力140ps/最大トルク23.0kgm)ガソリンエンジンが国内に登場したことだ。これによりD21の販売台数は急上昇した。また、油圧式トランスミッションが主流だったこの時代に電子制御式4速ATトランスミッションを搭載するなど、斬新な取り組みを進めた。

1988年にはTD27型にターボを装着したTD27T型(最高出力100ps/最大トルク22.0kgm)を追加。さらにディーゼル車にも4速ATを与え、選択肢を増やした。その翌年(89年)には新たに4ドアもラインナップ。リアドアハンドルをCピラーに配したことで2ドアに近いシルエットとした。

同時にガソリンエンジンをEGIを搭載してVG30E型(最高出力155ps/最大トルク21.3kgm)に変更。これらによりトータル的に高い評価を得たD21は、ハイラックスサーフに勝る販売台数を記録した。

マイナーチェンジで待望のワイドボディが追加された
1993年にはワイドボディを追加するとともに、インパネを曲線タイプに一新。1994年にはシンプルなモデル「アーバン」の追加などで、さらなる進化を遂げた。

また、同年にTD27BT型(最高出力100ps/最大トルク24.8kgm)エンジンを積んだ7シーター、4ドア車の欧州名「テラノII」、日本名「ミストラル」も国内販売を開始。日産SUVシリーズの強化を図った。

そして1995年。ボクシースタイルのテラノ(D21)は国内での役目を終え、R50へと世代交代した。一方、インドネシア日産では1996年に生産を再開し、2006年まで販売された。

なお、D21は国内販売が終了して25年も経ったが、現在、中古車市場で人気が急上昇しており、100万円を超えるタマもあるようだ。D21のような個性的なスタイルが注目されるのも大いに理解できる。

[ アルバム : 日産テラノ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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