いま、怒涛の勢いで売れている、トヨタのヤリスクロス。自販連の登録車ランキングでは、9月のヤリスの販売台数は2万2066台。このうちのおよそ3割、数にすると約7,000台がヤリスクロスだという。
ヤリスクロスの月販目標台数は4,100台であるから、その約1.5倍の登録台数を得ていることになる。また、ヤリスクロスの累計受注は3万台突破ともいわれており、いまもの凄い勢いで売れているのだ。ライズ、ハリアー、RAV4、C-HRと、人気SUVをいくつも抱えるトヨタが、また新たに人気SUVを手にした。
このヤリスクロスには、7つのグレードがある。今回は、ヤリスクロスを検討中の方向けに、ヤリスクロスを買うならば、どのグレードが最もお勧めなのか、考えていこうと思う。
文:吉川賢一
写真:TOYOTA
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4WDがおススメ!!
ヤリスクロスの7種類のグレード構成は、1.5リッター直列3気筒ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド車が、「HYBRID Z」「HYBRID G」「HYBRID X」の3グレード、1.5リッター直列3気筒ガソリン車に、「Z」「G」「X」「Bパッケージ」の4グレード、となっている。
さらに、それぞれに2WDと4WDモデルが用意されている。
ヤリスは全幅1695mmに抑えられているが、ヤリス クロスでは全幅が70mmも広げられており、フェンダー周りがグッとグラマラスになった
FF車のリアサスには、トレッドが50ミリ広い、欧州向けヤリスのリアトーションビームを使用し、軽快なハンドリングと上質な乗り心地を両立している。4WD車のリアサスは、ダブルウィッシュボーン式だ。
左右を繋いだ形状のテールアンプが、ヤリスの兄弟車ということを物語っている
ヤリスクロスを検討するならば、まず真っ先におススメしたいのが4WDモデルだ。街中を走るだけなら4WDは必要ない、と思われるかも知れないが、その辺の一般道を通常走行するにしても、より高い安心感を得られるのが、4WDだ。
常にタイヤのスリップ状況を見張り、タイヤの回転差を感知すると、瞬時に駆動力が後輪に入るため、どこを走っていても、スタビリティが高い。
4WDは雪道やオフロードだけじゃなく、一般道であってもその安定性の高さによる恩恵は多大なものだ
しかも、ヤリスクロスでは、4WDモデルを選んでも、ガソリン車ならば250万円を超えないという安さだ。車両価格が250万円以上になるならば、安い2WDをお勧めするが、ヤリスクロスでは、4WDを逃すのはもったいない。
パワートレインは好みで
ハイブリッド車とガソリン車の価格差は、37.4~38.8万円と大きい。気になるのは燃費の違いだが、ハイブリッド車は、クラス世界トップレベルの低燃費30.8 km/L(X,2WD ※WLTCモード燃費)を持つ。4WDでも28.7km/L(X,4WD)だ。実走行では、その9割程度の印象だが25km/L程度はたたき出すポテンシャルはある。
しかしガソリン車も、19.8km/L(G,2WD)と、悪くはない。それどころか、1.5リッターのガソリンエンジン車として相当に良い数値だ。ガソリンの4WDも18.2km/L(G,4WD)と、大差はない。
ガソリン代でハイブリッド車との価格差を燃料代で取り戻すのに必要な計算ほど、無意味なことはない、と筆者は思っている。そんなものは、ちょっとした環境の変化で変わってくるからだ。
最廉価化のBパッケージを除いても、189万円からという価格は相当に安い。ねらい目は4WDで、ガソリン車はZ、ハイブリッド車もGグレードであれば、車両価格は260万円程度に抑えらえる
それよりも、ハイブリッド車の静粛性の高さ、なめらかで力強い加速、1500Wが使えるコンセント付、などの魅力を優先するか、ガソリン車の価格の安さを優先するか、で判断するのが賢い選択ではないだろうか。
後悔しないためには、内装もケチらないほうがいい
また、装備品の違いで変わってくる、Z、G、Xの各グレードは、巧みにヒエラルキーが付けられており、下位グレードになるほど、ダッシュボードのパネルや計器盤、メーターディスプレイのサイズ、シート表皮、といった、インテリアの質感が徐々に下がる。
最上位グレード(HYBRID Z 内装色:ダークブラウン)は、シートの素材や模様・ドアノブやシフト周りにシルバー加飾が施されており、高級感が漂う
ベースグレード(HYBRID X 内装色:ブラック)は、シートの柄やパネルなど、コストを抑えた影響が見て取れる
運転中にドライバーが目にするのは、インテリア。やはり少しでも長く、豪華さを味わいたいのであれば、「Z」もしくは「G」といった上級グレードがお勧めだ。しかし、それ以外にも判断材料がある。グレード指定のメーカーオプションだ。
オプション選択をミスると、リセールに影響も
上記のような判断ポイントに加えて、新車購入時は、グレード標準オプションにも気を付ける必要がある。例えば、ルーフレール(HYBRID X、X、Bパッケージでは選択不可)や、4:2:4分割可倒シート(HYBRID X、X、bには6:4分割タイプ)、ハンズフリーパワーバックドア(HYBRID X、X、Bパッケージでは選択不可)といったアイテムは、グレードによっては手に入らない。
またそのアイテムが、人気のメーカーオプションだと、下取り時の査定にも影響を及ぼすため、慎重に検討する必要がある。
中でも、先進安全技術は必須と言っていいだろう。全車速追従式レーダークルーズコントロールや、レーントレーシングアシスト(LTA)のような大きなアイテムではなく、細かなアイテムがポイントだ。
例えば、「Toyota Safety Sence」は、Bパッケージを除く全車標準装備だが、アダプティブハイビームシステム(AHS)や、ヘッドアップディスプレイは、上級グレードの「HYBRID Z」と「Z」でしか手に入らない。そして、ブラインドスポットモニター(BSM)や、アダプティブハイビームシステム(AHS)は、「HYBRID Z」「Z」にのみ設定されている。
アダプティブハイビームシステム(AHS)は、後から付け足すことができないアイテムだ。
また、全車標準装備とあるディスプレイオーディオも、「HYBRID X」「X」「B」は7インチの小さいサイズだ。それ以上は8インチとなる。珍しいデッキボードの6:4分割アジャスタブルも、「HYBRID Z」「HYBRID G」「Z」「G」の2WDモデルのみだ。それ以外は通常通りの一体式となる。
おススメは「ガソリンZ-4WD」か「ハイブリッドG-4WD」
筆者ならば、ガソリン車の「Z-4WD」、もしくはハイブリッド車の「G-4WD」を選択する。そのうえで、安全装備系はフルオプションとするだろう。
もちろん、予算の都合などあるだろうが、何年か後に下取りに出す可能性があるならば、その時のことも考えておいたほうがいい。装備品の違いで、驚くほどリセールバリューは変わってくる。
新型車紹介の記事や雑誌広告では、上級グレードを紹介することが多い。そのため、それだけを見て判断してしまうと、「このクルマすごい!! 」となり、その憧れをもったまま販売店にいって、確認もせずに購入してしまうと、「あれ!?」ということになりかねない。
カタログについている主要装備一覧表は穴が開くほど熟読し、そのうえで、営業マンにも確認するようにしてほしい。
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