3月16日、岡山県の岡山国際サーキットでスーパーGT公式テストのセッション2が行われた。今回は例年と異なり、新たな予選スタイルをシミュレートした“模擬予選”として行われ、山下健太、坪井翔とアタックしたau TOM'S GR Supraが2分34秒953で“模擬ポールポジション”を獲得。GT300クラスはapr LC500h GTが合算でトップタイムとなった。
2024年のスーパーGTではさまざまなレギュレーション変更が行われているが、大きな変化とも呼べるのが予選方式の変更。環境負荷軽減を目指したタイヤ持ち込み本数削減にともない、300kmレースの場合は持ち込みタイヤが4セットとなるが、これにともない公式予選では予選Q1、Q2、さらに決勝スタートを1セットで行い、タイム合算でグリッドが争われることになる。今回、公式テストの1日目午後のセッション2では、本番さながらに新たな予選スタイルのシミュレーションが行われた。ただ今回はテストであり、必ずしも全車が1セットのタイヤで予選シミュレーションを行ったわけではないという。
【タイム結果】2024スーパーGT岡山公式テスト 3月16日午後 セッション2/模擬予選
14時からスタートしたのは、GT300クラスのQ1のA組。10分間の走行のなかで、まずは12台(本番では14台を想定)が出走しQ2グループ1の“アッパーグループ”進出をかけたアタックが展開された。ここでまず1分26秒245を記録したのは、ルーキーの中村仁がアタックしたapr LC500h GT。2番手には吉田広樹のGreen Brave GR Supra GTが1分26秒248で続き、3番手には吉本大樹のSyntium LMcorsa GR Supra GTが1分26秒379で続き、GTA-GT300規定車両がトップ3を占めた。
続いて14時18分からは、GT300クラスのQ1のB組がスタートした。13台が出走(本番も13台想定)しアタックが展開されたが、午前のセッション1でもトップタイムを記録したJLOCの88号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボIIが小暮卓史のアタックで1分25秒865を記録。アッパーグループ進出を果たした。2番手には小林崇志のUPGARAGE NSX GT3が1分26秒097で続き、3番手にはグッドスマイル 初音ミク AMGの谷口信輝が1分26秒516で続いている。
14時34分からは、GT500クラスのQ1がスタートした。こちらはQ2での組分けはなく、15台がそれぞれアタックしそのタイム合算となったが、まずはセッション1でも首位だったENEOS X PRIME GR Supraが福住仁嶺のアタックで1分17秒317を記録。トップにつけた。継いでau TOM'S GR Supraが山下健太のアタックで1分17秒409を記録し2番手に。今回牧野任祐が参加しないことで山本尚貴がQ1、Q2とも“模擬担当”するSTANLEY CIVIC TYPE R-GTが1分17秒695で3番手につけた。
■Q2でau TOM'S GR Supraが合算タイムで“逆転”
3回のQ1に続き、14時54分からスタートしたのがGT300クラスのQ2ロワーグループ。Q1のA組、B組の下位グループがアタックし、今回は9台が走行。井口卓人がドライブしたSUBARU BRZ R&D SPORTが1分26秒977を記録し、合算で2分53秒803でトップに。合算タイムはサーキット内のタイミングモニターにはすぐに表示された。
続いて15時10分からは、GT300クラスのアッパーグループのQ2がスタートした。ここで合算タイムで最速だった車両がGT300の“模擬ポールポジション”を獲得できる。このセッションで1分25秒974を記録したのは、小高一斗がアタックしたapr LC500h GT。合算で2分52秒219を記録し、“模擬ポールポジション”を獲得してみせた。
2番手には野中誠太がQ2を担当したGreen Brave GR Supra GTがつけ、3番手にはリル・ワドゥが参加していないことから、ケイ・コッツォリーノがどちらもアタックしたPONOS FERRARI 296がつけた。なお、瞬時に表示はされなかったが、アッパーグループとロワーグループでの順位変動もあったようだった。
15時24分から行われたのはGT500クラスのQ2。本番ではQ1で使用されたタイヤがそのまま用いられる。このセッションでは、坪井翔がアタックし1分17秒544を記録したau TOM'S GR Supraが合算で2分34秒953を記録。“逆転”でENEOS X PRIME GR Supraを上回り“模擬ポールポジション”に。2番手には合算で2分35秒190を記録したENEOS X PRIME GR Supra、3番手には2分35秒630のDENSO KOBELCO SARD GR Supraがつけ、4番手には2分35秒653でSTANLEY CIVIC TYPE R-GTが、5番手には2分35秒666でMOTUL AUTECH Zがつけた。
今季からの予選について、GTアソシエイションでは「新しいモータースポーツのエンターテインメントとして、新たにチャレンジしたいと思っており、一戦一戦アップデートして面白さを伝えられるようにしていきたい(沢目拓レース事業部長)」としている。
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