■クーペSUVのQ3スポーツバックも十分に実用性が高い
本国では新型「Q3」が2018年7月発表、「Q3スポーツバック」が2019年9月発表と、登場に約1年のインターバルがあった2モデルだが、日本には2車種同時に導入されるはこびとなった。
Q3は8年ぶりとなる初のフルモデルチェンジ。新顔のQ3スポーツバックは、アウディ初となるコンパクトクラスのクーペSUVだ。
価格差もそれほど大きくなく、機構面での共通性も高いが、あえて作り分けられた2台の違いがどこにあるのか、気になっている人は少なくないことだろう。
アウディではこの2台のターゲット層を分けて考えている。
Q3は、結婚して小学生以下の子どものいる夫婦で、よくアウトドアやキャンプを楽しむアクティブなファミリー。対するQ3スポーツバックは、もう少し特別な人というか、独身も含め結婚しても子供はまだおらず、ファッションにデザインにこだわり、流行のスポットへクルマを使って出かけることが好きな人、といったニュアンスだという。
ボディサイズは、1840mmの全幅と2680mmのホイールベースが同一。Q3スポーツバックはQ3に対し全長が最大で30mm長く、車高が55mm低い。
ともに8角形のフロントグリルをはじめ最新のアウディのデザイン言語に則ったエクステリアは、前半分は近いが後ろ半分がだいぶ異なり、Q3も十分にスタイリッシュなところ、Q3スポーツバックはさらにスタイリッシュさが際立っている。
実用性の違いも大いに気になるところで、数値でいうと最小の荷室容量は530リッターと同一ながら、最大時にはQ3スポーツバックが1400リッターであるのに対し、Q3は1525リッターまで拡大できる。
車内空間はルーフラインの違いにより、ヘッドクリアランスはQ3のほうが前席は23mm、後席は48mm大きい。日本の成人男性の平均+αの体格である筆者が座って、Q3では頭上にコブシが縦に入るところ、Q3スポーツバックも横に入る。
膝前と横方向の余裕は同等。ただしサイドウインドウ形状の違いにより、後席の開放感はQ3のほうが上回る。
クーペだとスタイル重視で、あまり使い勝手がよくない印象もあるが、Q3スポーツバックはあくまでSUVであり、SUVのスポーツバックであることを念頭に、SUVとしてのユーティリティが十分に確保されていることは念を押しておこう。
運転席からの視界については、やはりQ3スポーツバックのほうがルームミラーに映るリアウインドウの天地が狭く、また斜め後方も制約があるものの、安全な視界は十分に確保されている。また、先進系を含め各種装備は同じと考えてよい。
日本導入時のラインアップは、いずれも出力が110kWから120kWであることを意味する「35」の、1.5TFSI(1.5リッター直列4気筒ガソリンターボ)の2WDと、2.0TDI(2リッター直列4気筒ディーゼルターボ)のクワトロ(4WD)となる。
最高出力は、ガソリンのTFSIが150ps/5000-6000rpm、ディーゼルのTDIが150ps/3500-4000rpmと出力値は同じで発生回転数が異なり、最大トルクはTFSIが250Nm/1500-3500rpm、TDIが340Nm/1750-3000rpmと、TDIがだいぶ上回り、実際の乗り味もそれなりに異なる。
■ロール感が少なくステアリング操作に対し正確な走り
1.5リッターガソリンターボのTFSIはやや線の細い印象もあるものの、静かでスムーズ、かつ吹け上がりが軽やか。静粛性もまずまずだ。
一方の2リッターディーゼルターボのTDIは走り出しが力強く、あまり回さなくてもフラットトルクで扱いやすいのが強み。ただし、まだ下ろしてまもない試乗車のせいか、今回乗った限りではいささかエンジンの回転の上がり方が重々しかった。これはもう少し距離を走ると、印象がだいぶ変わってくることだろう。
シャシに関してもいくつか違いがある。Q3スポーツバックにはニュートラルな状態でも14.8:1というスポーティなギアレシオとなり、転舵してフルロック位置では11.4:1までクイックになるプログレッシブステアリングが与えられるほか、両モデルともS lineにはスポーツサスペンションが与えられる。また、TDIにはヒルディセントコントロールが標準装備される。
今回試乗したのはQ3がTFSIの「アドバンスド」、Q3スポーツバックがTDIの「S line」だったのだが、走りの仕上がりはどちらも秀逸であった。
サスペンションとタイヤのハイトが異なるので、乗り味もそれなりの違いはあるが、いずれも4つのタイヤがしなやかに理想に近い状態で路面を捉える感覚が伝わってくる。
ステアリング操作に対して応答遅れがなく、極めて正確に反応するので、ピタッと舵角が一発で決まり、つづら折りのワインディングでも動きに一体感があり、揺り返しが小さい。ロールやピッチングなどの挙動も小さく抑えられていて、よく曲がるのにGの出方は穏やか。おかげで、どちらも乗りやすくて楽しい。
その上で、偏平タイヤを履きスポーツサスペンションの付くS lineのほうが、やや荒れた路面ではコツコツとした感触もあるが、より俊敏なハンドリングを楽しむことができるというニュアンスである。
※ ※ ※
初期受注では2台ともに好調だという。内訳は、Q3スポーツバックのほうがやや比率が高いとのことで、多少は価格が高くても、実用性も十分でプラスアルファの装備も付き、よりアウディらしさもあることから選ばれているのは大いに納得する思い。
もし筆者が買うとしても、Q3も捨てがたいところだが、よりスタイリッシュで魅力的に感じるQ3スポーツバックを選ぶことだろう。
Q3 35TFSI advanced
・車両本体価格(消費税込):464万円
・全長:4490mm
・全幅:1840mm
・全高:1610mm
・ホイールベース:2680mm
・車両重量:1530kg
・エンジン形式:直列4気筒ターボ
・排気量:1497cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速Sトロニック(DCT)
・最高出力:150ps/5000-6000rpm
・最大トルク:250Nm/1500-3500rpm
・燃費(WLTC):14.2km/L
・サスペンション前/後:ストラット/ウイッシュボーン
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤサイズ:235/55R18
Q3 Sportback 35TDI quattro S line
・車両本体価格(消費税込):563万円
・全長:4520mm
・全幅:1840mm
・全高:1565mm
・ホイールベース:2680mm
・車両重量:1710kg
・エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボ
・排気量:1968cc
・駆動方式:4WD
・変速機:7速Sトロニック(DCT)
・最高出力:150ps/3500-4000rpm
・最大トルク:340Nm/1750-3000rpm
・燃費(WLTC):14.3km/L
・サスペンション前/後:ストラット/ウイッシュボーン
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤサイズ:235/50R19
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