現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 4代目セレナはドライバーが満足できるクルマになっていた【10年ひと昔の新車】

ここから本文です

4代目セレナはドライバーが満足できるクルマになっていた【10年ひと昔の新車】

掲載
4代目セレナはドライバーが満足できるクルマになっていた【10年ひと昔の新車】

2010年11月、日産の5ナンバーサイズのベストセラーミニバン「セレナ」がおよそ5年ぶりにフルモデルチェンジされ、4代目となって登場した。モデルチェンジのたびに販売台数を伸ばし、3代目ではモデル後期にもかかわらず3年連続ミニバン販売台数1位を達成した人気モデルは、どう変わり、市場にどう受け入れられたのか。Motor Magazine誌では登場後まもなくセレナ ハイウェイスターに試乗しているので、その時の模様を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年2月号より)

新型2L直噴エンジン+エクストロニックCVTで15.4km/Lの低燃費を実現
5ナンバーサイズミニバンの先駆けとして1991年に登場。2007年から2009年までミニバン販売台数1位を達成し、今なお続くブームの牽引役になっているセレナが、2010年11月にフルモデルチェンジを行い4代目へと進化した。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

今回フルモデルチェンジのトピックは、エコ性能のさらなる向上だ。新型2L直噴エンジン+エクストロニックCVTを採用したのに加え、アイドリングストップシステムを標準装備(20X、20G、ハイウェイスター)したことにより、10・15モード燃費で15.4km/L(2WD。4WDは14.4km/L)と、クラスNo.1の低燃費を実現。合わせてエコカー減税75%対象車となっている。

従来からのCプラットフォームをモディファイさせているため、スリーサイズは全高が先代セレナよりも若干高いほかはほとんど変わらないのだが、実際に目にするとデザイン上の圧迫感が少なくなっているのに気がつく。これは先代までの角張った箱形から、抑揚のある滑らかなボディラインになったのがその理由だろう。

運転席に座ると、先代以上に明るい空間が目の前に広がる。フロントガラス、およびフロントサイドガラス(三角窓)の面積をより大きくしているために開放感が高く、視界も広いために運転する前から精神的な安心感をもたらしてくれる。またサードシートを格納した際、先代より格納位置を175mm下げ、リアサイドガラスを塞がないようにデザインされているため後方視界も良く、駐車場へのバック入庫などもよりしやすくなっていることも特筆すべき点だ。

目指したのはドライバーも満足できるミニバン!?
スタートボタンを押しエンジンを始動する。街中走行時の乗り味はマイルドで、突き上げ感が先代と比べて改善されたように思った。

アイドリングストップはごく自然。マーチではスターター式を採用するため、エンジン再始動時にセルモーター音がしたりタイムラグがあったりと、明らかな“もたつき感”があるのだが、セレナのシステムはベルトを介してダイレクトにクランクを回し再始動を行うECOモーター式を採用するため、始動時にはセルモーター音がなく静か。さらに始動にかかる時間は0.3秒とスピーディで、人間の運転感覚に合った自然な制御に仕上がっているのが好印象だ。

そうしたエコ機能の効果を知らせるために、デジタル速度計の右隣に楕円のECOメーターを配している。これは瞬間燃費計やエコドライブナビゲーター、アイドリングストップタイマーなどをマルチに表示して、エコドライブの意識を高めるための計器なのだが、その表示は直感的に少々わかりにくく感じた。

高速道路走行では、法定速度内では安定性が高く、ノイズの少なさも含めるとその速度域ではひとクラス上の走り味を実現している。背高ボディにもかかわらず、ありがちなヒョコヒョコとした細かい上下動や、高重心からくるグラッとした不安定感は上手く抑えられている。

荷物や乗員人数に合わせて14パターンに変えられる室内アレンジや、からくり箱のようにそこかしこに備わる充実の収納スペースなど、室内空間の広さを最大限に生かしたセレナらしさはもちろん新型にも引き継がれている。大開口のスライドドアやロールサンシェードなど、子どもにもやさしい機能も確かに豊富だ。

でも今回は、エコドライブの優越感、静粛性や走りの質感の向上からくる運転の楽しさ、さらにインパネまわりや手に触れる部分の質感向上など、ドライバーであるオトーサン寄りのフルモデルチェンジに思えて仕方がない。

家族向けのミニバンだからこそ、ドライバーが満足できるクルマを……新型セレナ開発陣にそういう狙いがあるのなら、これは諸手を挙げて支持したい。(文:Motor Magazine編集部/写真:玉井 充)

日産セレナ ハイウェイスター2WD 主要諸元
●全長×全幅×全高:4770×1735×1865mm 
●ホイールベース:2860mm 
●車両重量:1630kg  
●エンジン:直4DOHC
●排気量:1997cc 
●最高出力:108kW(147ps)/5600rpm
●最大トルク:210Nm(21.4kgm)/4400rpm 
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:FF
●車両価格:249万9000円(2011年当時)

[ アルバム : 4代目日産セレナ ハイウェイスター はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
[車検]費用が増える? 2024年10月より車検での[OBD検査]を本格運用へ
ベストカーWeb
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
即納って不人気車なの!? なんでそんなに待たなきゃならん!? [納期]にまつわる素朴なギモン
ベストカーWeb
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
いまさら人には聞けない「ベンチレーテッドディスク」と「ディスク」の違いとは? ブレーキローターの構造と利点についてわかりやすく解説します
Auto Messe Web
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
ラリージャパン2024開幕直前。豊田スタジアムやサービスパークの雰囲気をお届け/WRC写真日記
AUTOSPORT web
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
メルセデス・ベンツの『GLE』系と『GLS』にオンライン先行受注にて“Edition Black Stars”を設定
AUTOSPORT web
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
ラリージャパン2024“前夜祭”が豊田市駅前で開催。勝田貴元らが参加のサイン会とパレードランが大盛況
AUTOSPORT web
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
フランス人スター選手と一緒の気分? 歴代最強プジョー 508「PSE」 505 GTiと乗り比べ
AUTOCAR JAPAN
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
セカオワが「愛車売ります!」CDジャケットにも使用した印象的なクルマ
乗りものニュース
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
トヨタWRCラトバラ代表、母国戦の勝田貴元に望むのは“表彰台”獲得。今季は1戦欠場の判断も「彼が本当に速いのは分かっている」
motorsport.com 日本版
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
メルセデスAMGが待望のWEC&ル・マン参入! アイアン・リンクスと提携、2025年LMGT3に2台をエントリーへ
AUTOSPORT web
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
TCD、モータースポーツ事業を承継する新会社『TGR-D』を2024年12月に設立へ
AUTOSPORT web
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
ウイリアムズとアメリカの電池メーカー『デュラセル』がパートナーシップを複数年延長
AUTOSPORT web
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
“650馬力”の爆速「コンパクトカー」がスゴイ! 全長4.2mボディに「W12ツインターボ」搭載! ド派手“ワイドボディ”がカッコいい史上最強の「ゴルフ」とは?
くるまのニュース
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
フェラーリ育成のシュワルツマンが陣営を離脱。2025年はプレマからインディカーに挑戦
AUTOSPORT web
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
スバルBRZに新たな命を吹き込む 退役軍人のセカンドキャリアを支援する英国慈善団体
AUTOCAR JAPAN
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
オープンカー世界最速はブガッティ!「ヴェイロン」より45キロも速い「453.91km/h」を樹立した「W16ミストラル ワールドレコードカー」とは?
Auto Messe Web
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
『ローラT92/10(1992年)』“賃貸住宅ニュース”で強いインパクトを残した新規定グループCカー【忘れがたき銘車たち】
AUTOSPORT web
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
リバティ・メディアCEOマッフェイの退任、背景にあるのはアンドレッティとのトラブルか
AUTOSPORT web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

271.9503.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0488.8万円

中古車を検索
セレナの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

271.9503.6万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0488.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村