11月28,29日に富士スピードウェイで開催されたスーパーGT選手権最終戦で、予選7番手からスタートしたRAYBRIG NSX-GTがファイナルラップでトップのKeePer TOM'S GR Supraを逆転。勝利を飾るとともにシリーズタイトルを獲得した。
KeePer TOM'S GR Supraがポールポジション
土曜日に行われた予選Q1では37号車KeePer TOM'S GR Supraの平川亮がトップで通過。続くQ2では、ニック・キャシディの代役として第7戦から起用された山下健太がコースレコードタイム叩き出しポールポジションを獲得した。これにより1ポイントが加算された37号車スープラは、17号車KEIHIN NSX-GTをポイントで上回り、暫定ランキングトップに浮上。2番手に39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supra、3番手に36号車au TOM'S GR Supra、そして4番手に38号車ZENT GR Supraと、グリッド2列目までをブリヂストンタイヤ装着のスープラ勢が占拠する結果となった。
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MOTUL AUTECH GT-Rがスタートダッシュ
日曜の決勝レースは、3周に延長されたフォーメーションラップにより当初の66周から減算され65周で争われる。スタート直後こそ4台のスープラが順当に1コーナーをクリアするが、6番手スタートの23号車MOTUL AUTECH GT-Rがミシュランタイヤの特性を生かし次々とスープラをパス。1周目を終わるころにはトップに立ちレース序盤にリードを広げる。
KeePer TOM'S GR Supraがトップを独走
しかしタイヤが温まったスープラ勢が本来のペースを取り戻すと、23号車GT-Rのリードは長く続かず7周目に37号車スープラにトップの座を明け渡すとその後は徐々にポジションダウン。代わって順位を上げてきたのは7番手からスタートした100号車RAYBRIG NSX-GT、2番手を走行する36号車スープラの背後に迫り2番手争いを繰り広げる。その接近戦を尻目に首位走行の37号車スープラはリードを広げると独走状態に持ち込む。
早めに動くピット戦略
レース距離1/3の22周が終了するとルーティン作業のためマシンが続々とピットイン。GT500クラスで最初にピットへ向かったのは100号車NSX、タイヤ4本を交換し牧野任祐から山本尚貴へバトンタッチ。同時にピットインした14号車WAKO'S 4CR GR Supraはタイヤ無交換、100号車NSXの前でコースに復帰する。14号車スープラは翌周ピットインした37号車スープラも押さえることに成功するがトップを維持するにはペースが上がらず、またその後のバトルで接触もあり後退してしまう。36号車スープラを攻略し2番手となった100号車NSXは、15秒前を行き独走状態の37号車スープラをフルプッシュで追いかける。
圧倒的なリードから衝撃的な結末に
トップと2番手の差は圧倒的だと思われたが、レース終盤50周を過ぎたあたりから急速に縮まり始める。しかし追いつくには周回数が足らず64周終了時点で両車の差は約3秒。ファイナルラップを迎え37号車KeePer TOM'S GR Supraの勝利と平川のタイトル獲得は確実なものと思われた。しかし最終コーナーを立ち上がった37号車スープラが突然のガス欠症状、ゴールまであと数百メートルのところで100号車RAYBRIG NSX-GTに交わされてしまう。トップチェッカーは100号車、これによりRAYBRIG NSX-GTの勝利と、山本/牧野のシリーズタイトルが決定した。
さようなら、そしてありがとう
1994年から26年間に渡ってチームKUNIMITSUと共にレースを戦ってきた「RAYBRIG」、スタンレー電気が2021年3月をもって同ブランドを終了させることにより、RAYBRIG NSX-GTもこのレースをもって最後になる。この劇的な逆転勝利でまさに有終の美を飾ることになった。そして100号車NSXもチェッカー後のウィニングランでガス欠ストップするといった極限状態のチャンピオン争いは、スーパーGT史上最高のドラマとして名を残すことになるだろう。尚、来期以降もチームは参戦を続けるが、スポンサー支援については発表していない。
GT500クラス 決勝結果
1位 100号車 RAYBRIG NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
2位 37号車 KeePer TOM'S GR Supra(平川亮/山下健太)
3位 36号車 au TOM'S GR Supra(関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ)
4位 17号車 KEIHIN NSX-GT(塚越広大/ベルトラン・バゲット)
5位 8号車 ARTA NSX-GT(野尻智紀/福住仁嶺)
6位 3号車 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R(平手晃平/千代勝正)
7位 12号車 カルソニック IMPUL GT-R(佐々木大樹/平峰一貴)
8位 38号車 ZENT GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
9位 23号車 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
10位 19号車 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/宮田莉朋)
11位 64号車 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
12位 16号車 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(武藤英紀/笹原右京)
13位 24号車 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R(高星明誠/ヤン・マーテンボロー)
14位 39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(ヘイキ・コバライネン/中山雄一)
GT500クラス ドライバーズランキング(Best10)
1st 山本尚貴/牧野任祐(100号車 RAYBRIG NSX-GT)69pt
2nd 平川亮 (37号車 KeePer TOM'S GR Supra)67pt
3rd 塚越広大/ベルトラン・バゲット(17号車 KEIHIN NSX-GT)59pt
4th 関口雄飛/サッシャ・フェネストラズ(36号車 au TOM'S GR Supra)56pt
5th 野尻智紀/福住仁嶺(8号車 ARTA NSX-GT)54pt
6th 松田次生/ロニー・クインタレッリ(23号車 MOTUL AUTECH GT-R)51pt
7th 大嶋和也/坪井翔(14号車 WAKO'S 4CR GR Supra)47pt
8th ニック・キャシディ (37号車 KeePer TOM'S GR Supra)46p
9th 中山雄一(39号車 DENSO KOBELCO SARD GR Supra)42pt
10th 立川祐路/石浦宏明(38号車 ZENT GR Supra)40pt
[ アルバム : スーパーGT第8戦 GT500クラス はオリジナルサイトでご覧ください ]
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