アグレッシブすぎて当初は非難が相次いだクルマも下克上!
クルマも人と同じように第一印象は重要だ。そのためスタイルに代表される第一印象がよくないクルマは人以上に浮上できないことが多い。しかし、少なからず登場時は批判されながらも成功を収めたクルマというのもある。
前のほうがイケメン? マイナーチェンジで理解しがたい見た目になった国産車トップ5
1)トヨタ・クラウン(14代目・2012年)
保守的なイメージが強いクラウンだが、深く見ると世界初、日本初、トヨタ初といった技術を投入することが多いなど、挑戦的な面もある。14代目クラウンはメインとなるパワートレインを2.5リッターの4気筒ハイブリッドにし、メインとなるエンジンを長年続いた6気筒から4気筒にするというチャレンジを行った。
さらにゼロクラウンと呼ばれた12代目モデルあたりから販売比率が増えていたスポーティなアスリートのグリルは当初「稲妻」、「ピカチュウ」と揶揄されたアグレッシブなものとされた。14代目クラウンのアスリートのグリルに対しては「アグレッシブすぎるのでは?」という声も多かったのだが、見慣れるのも意外に早く、ユーザーからは好評を集め十分な成功を収めた。
こういったアグレッシブなデザインを市販化し、かつ成功に導くというところからはトヨタのデザイン力の高さを痛感させられる。
日本を見捨てた? 歴代のファンから批判の声が上がったモデルも
2)スバル・レガシィ(5代目・2009年)
スバルにとって基幹車種の1台であるレガシィは、5代目モデルで当時芳しくなかったスバルの経営状態もありアメリカ市場をメインに見据えるという大転換を行った。そのため日本では成功したものの、世界的には成功作と言えなかった4代目レガシィに対し、全高を含め大幅にボディサイズを拡大。さらに初期モデルではインテリアの質感の低下が目に付くなど大味感は否めず、歴代モデルを乗り継ぐユーザーも多いレガシィファンからの批判の声も少なくなった。
しかし5代目レガシィはそれまでのレガシィファンとは違ったユーザー層から受け入れられたことや、登場翌年の2010年に採用され、現在もスバルの基幹技術となっている自動ブレーキ&停止まで対応するアダプティブクルーズコントロールなどから構成されるアイサイトを10万5000円という低価格で幅広く設定。アイサイトは5代目レガシィの強い武器となり、モデル末期まで堅調な販売をキープした。
5代目レガシィはメインとしたアメリカ市場でも4WDやリーズナブルな価格を武器に大成功を収め、スバルは2014年には5代目レガシィの後継車的なモデルとなるレヴォーグをリリース。5代目レガシィは現在好調なスバルの基盤を築くという重要な役割を果たした。
3)三菱eKワゴン(初代・2001年)
初代eKワゴンはスズキ・ワゴンRやダイハツ・ムーヴに近い軽ハイトワゴンとして登場。登場時には「スタイルがシンプルすぎる」、「パワートレインがNAエンジン+3速ATしかない」といった不満も少なくなかった。しかし全体的に堅実的なクルマだったのに加え、価格は約100万円と軽ハイトワゴンとしてはリーズナブルだったこともあり人気車となり、当時苦しかった三菱自動車の経営立て直しに大きく貢献した。
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