■デザインはキープコンセプトながら排気量アップする新型BRZ
2020年11月に世界初公開されたスバル新型「BRZ」。いまでは希少な扱いやすいサイズのFRスポーツカーが約8年ぶりのフルモデルチェンジを受けるということで、話題になっています。
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また兄弟車のトヨタ「86」も2代目へとフルモデルチェンジすると噂されていますが、こちらはまだ詳細が明らかになっていません。
徐々に詳細が聞こえてきた新型BRZと、登場が期待される新型86について、初代オーナーたちはどう思っているのでしょうか。
まず新型BRZの詳細をおさらいしてみたいと思います。
ボディサイズ(北米仕様)は、全長4265mm×全幅1775mm×全高1310mmは、初代と比較して25mm長く、10mmほど低くなったとはいえ、ほぼ同サイズをキープ。ホイールベースも+5mmの2575mmとなっており、居住性もほぼ一緒のようです。
大きく変わるのは搭載されるパワーユニットです。初代では2リッター水平対向4気筒エンジンを搭載していましたが、新型は2.4リッター水平対向エンジンを搭載。
出力は初代の207馬力(後期・6速MT)から24馬力向上した231馬力を発揮すると発表されていますが、新型モデルも初代と同様に、ターボなどの過給機は装着されず、自然吸気となります。
最高出力以上に注目したいのがトルクです。初代の2リッターエンジンの最大トルクは6400rpm-6800rpmで20.9kgmとなっていましたが、新型では最大トルクの25.4kgmを3700rpmという実用域で発生させるスペックになっています。
初代は高回転までエンジンを回してパワーとトルクを稼いでいたのに対し、新型ではより扱いやすい回転域でのトルクが太くなり、それほどエンジンを回さなくても車体を前へと押し出してくれるセッティングになっているでしょう。
トランスミッションは6速MTと6速ATが用意される予定ですが、6速AT搭載モデルにはスバルの運転支援システム「アイサイト」が搭載されるのもポイントです。
プリクラッシュブレーキや全車速追従機能付クルーズコントロールなど、安全性とドライバーの負担軽減を両立したシステムが進化し、スポーツカーでも使えるようになったということでしょう。
プラットフォームにも手が加えられ、フロント横まげ剛性は約60%、ねじり剛性も約50%アップされたうえに、ルーフやエンジンフード、フロントフェンダーにアルミを採用することで軽量化も図られています。
■排気量アップによる走りの違いに期待
初代86&BRZのオーナーは新型BRZについてどう思っているのでしょうか。
実際に乗ってきたからこそ、新型に期待する部分もあるでしょう。まずは見た目の印象から聞いてみました。
「最初、シルバーのボディカラーのBRZを見たときはイマイチかなとも思いましたが、WRブルーの画像を見て、新型のデザインもかっこいいと思いました。新しい形状のヘッドライトやテールランプ、サイドのエアアウトレットなどに新しさが感じられます」(初代BRZオーナー・40代男性)
「フロントマスクが少し精悍になりましたね。全体的にはキープコンセプトなので、初代オーナーとしては極端に変わらなかったのは嬉しいところです。全体的に細マッチョな感じで初代より塊感みたいなものを感じます」(初代86オーナー・20代男性)
「リアのダックテールが印象的です。初代のウイングと同等の効果が得られるなら、スッキリして洗練された印象になりそうです。ただ、思ったより地味な印象も受けました」(初代86オーナー・30代男性)
初代オーナーの皆さんにとっては、キープコンセプトな新型のエクステリアは概ね好評のようですが、初代よりも新型のほうが筋肉質な印象を受ける人も多かったようです。
一方で賛否両論あったのがインテリア。とくにインパネは7インチTFT液晶パネルとセグメント液晶パネルを組み合わせたデジタルメーターを採用したことで、かなりスッキリした印象ですが、スポーツカーらしさが薄れた感じもします。
「インテリアはスッキリしていていいと思いますが、デジタルメーターがシンプル過ぎて、これなら初代のほうが私は好きです」(初代BRZオーナー・40代男性)
「使い勝手が良さそうですが、その反面、乗用車のようでスポーツカーっぽさがなくなった印象を受けます。まぁ乗れればすぐに慣れるんでしょうけど」(初代86オーナー・20代男性)
「デジタルメーターの採用とセンターコンソールのナビ画面が大きくなったのは時代の流れでしょう。ただ、エアコンの操作スイッチのレイアウトなどが同じようなデザインながら、メッキパーツが減ったことで、逆にスバルっぽい生真面目さが前面に出てしまった感じもします。もう少し遊び心や色気も欲しかったです」(初代86オーナー・30代男性)
また新型BRZの最大の変更点であるエンジンの排気量アップについて。ターボやスーパーチャージャーには頼らず、2.4リッターへと変更されました。
「日本だと自動車税の区分がひとつ上がってしまうのが残念ですが、排気量アップで走りにどんな影響があるのか楽しみです」(初代BRZオーナー・30代男性)
「個人的には2リッターのままスーパーチャージャーでハイパワーにして欲しかったです。排気量アップで余裕が生まれるのはいいのですが、そのぶんマイルドな味付けになっていないかが心配です」(初代86オーナー・20代男性)
「正直2リッターではパワー不足を感じていたので、2.4リッターでトルクも太くなったのは朗報です。しかし、排気量がアップするということは価格アップが確実で、さらに若者が手を出しにくくなってしまうのが残念。振り回すというより、よりGTっぽくなってしまうとトヨタ『スープラ』とバッティングしそうです」(初代86オーナー・30代男性)
6速ATモデルに「アイサイト」を搭載することについては、「BRZにアイサイトの必要性は感じませんが、他社のスポーツカーには自動ブレーキを搭載する車種もあるので、MTモデルにも何らかの先進安全装備がついて欲しかった」との意見もありました。
確かにこれからのスポーツカーは先進安全装備が搭載されていることが必須条件になってくるでしょう。マイナーチェンジなどで改良されることを期待したいです。
※ ※ ※
2020年8月をもって初代BRZの生産は終了していますが、現状では初代86はまだオーダーが可能です。しかしこれももうすぐオーダーストップとなるのでしょう。
まだ詳細が明らかになっていない新型86ですが、もし発売されるとなればエンジンが2.4リッターになることは確実。あとは、どのようなデザインで登場するのかが気になるところです。
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