MotoGP第6戦カタルニアGPが今週末行なわれるが、ヤマハはここで空力のアップデートを投入する。同じ日本メーカーで苦戦中のホンダとの間で、開発プログラムの違いが浮き彫りとなった。
今シーズン、ヤマハとホンダは最も緩い条件の優遇措置対象のメーカーとなった。苦戦から脱却するために彼らは恩恵を活かしてプライベートテストを積極的に行なっているが、ここに来てヤマハとホンダの間にある開発への姿勢の違いが見えてきている。
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カタルニアGPでヤマハは新しい空力デザインのカウルを投入する。これはヘレステストで用意された全く新しいYZR-M1に装備されていたもので、第5戦フランスGP後にムジェロで行なったプライベートテストでも試されたものだ。
この新型エアロパッケージはポジティブな結果となったため、ヤマハはホモロゲーションを取得し、カタルニアGPで早くも実践投入することを決めた。
ライダーのファビオ・クアルタラロはアップデートパッケージについて、次のように語った。
「テストは素晴らしかったよ。今からシーズン終盤までに、僕らがテストし改善していく上でどこが主な優先事項になるのかを、とてもしっかりと分析することができたんだ」
「どうやって改善するかは決まっているわけじゃないけど、どこに問題があるかは分かっているんだ。そして新しいエアロパッケージは僕にとっても、(チームメイトの)アレックス・リンスにとっても、カル(クラッチロー/テストライダー)にとっても良かった。だから今週末、それを使うつもりなんだ」
ヤマハのアップデート投入に対する姿勢は興味深いモノがある。彼らはパフォーマンスに及ぼす効果が僅かな差であっても、アップデートを早急に持ち込んでいる。大きくパッケージを改良してレースへの準備を整えることを待つのではなく、小さなアップデートをコンスタントに投入し続けたいという彼らの考えを示している。
実際、今回の新型エアロパッケージのパフォーマンスについて、クアルタラロは大きな違いではないと語っている。
「少しだけど、コーナリングの助けになるんだ。当然大きな差ではないけどね。でも僕らは少しでも改善できるものなら、それをやるんだ。リーンアングルやバンクさせる量では、少しでも改善があるんだ」
アップデートを精力的に投入しようというヤマハの姿勢と対照的なのが、ホンダだ。彼らもムジェロでプライベートテストを実施し、苦戦するRC213Vの空力やシャシー、エンジンの改善に取り組んで来た。
しかし同様に苦戦中のヤマハとは異なり、ホンダはアップデートを急いでマシンに投入しようとはしていない。
レプソル・ホンダのジョアン・ミルは、ムジェロでのテストがポジティブなものだったと説明しているものの、カタルニアGPにはフランスGPと基本的に同じマシンで挑むことになると語った。
「たくさんのことを試したよ。特にエアロダイナミクスもね。それとエンジンの異なる設定も試した」
「とても生産的だった。ここ(カタルニア)に向けては、テストでやっていたことは持ち込まれないだろうから、同じようなパッケージで走ることになるだろう」
「おそらく今月、そして6月末に予定される次の2レースが必要になってくる。あと1ヵ月はあるから、さらに前進していけるだろう」
「(新エアロパッケージは)大きな進化というわけではないけど、前進があった。ここでは使わないだろうけど、おそらく次のレースでは使うと思う。ホモロゲーションなんかもあるからね。でも、僕らは前進している」
そしてミルのチームメイトであるルカ・マリーニは、ホンダがアップデートによるパフォーマンスへの大きな改善があると確信できるまで、アップデートを投入することを望んでいないと語った。
「今、僕らはテスト後のレポートや分析全てをもとに、どのパーツを投入すべきかを理解する必要があるんだ。色々な組み合わせがあるからね」
マリーニはそう語る。
「エアロダイナミクスのホモロゲーションについても確認する必要がある。僕たちは急いではいないんだ」
「ホンダは懸命に取り組んでくれているし、この1年でもっとアップデートは投入されていくだろうから、スマートかつクレバーに理解して行く必要がある。明確に何かポジティブなモノがあれば、『よし、これを投入だ』となるだろう」
「そうでない場合、さらなるアップデートを待ったほうが良いかもしれない。今はトップとのギャップが大きいから、僕らはもっと近づくために何ステップも必要なんだからね」
ホンダの開発姿勢やメンタリティは過去半年を通じて変化してきており、よりリスクをとるようになったことは否定できない。しかし、まだレースウィークにいきなりアップデートを持ち込むことに躊躇があるようだ。
「彼らのメンタリティは、イタリアのエンジニアと比べると違っている」とマリーニは言う。
「でも彼らは本当に正確だし、強力なんだ。そして、全てをしっかりと理解したいと思っている」
「コースで投入する前に隅々まで理解したいと考えるのが、彼らのアプローチだ。おそらく、何かが壊れてライダーに問題を引き起こす前に、ちゃんと機能することを確認したいんだ」
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