過給機チューニングの方向性を考える
高い支持率を誇るHKSスーパーチャージャー仕様が面白い!
「86&BRZストリートチューンの最適解」イージードライブが可能な過給機+AT仕様が熱い!
2.4Lユニットを搭載した新型BRZ(北米モデル)が発表され、兄弟車である86の動向にも関心が寄せられる中、これまで以上に注目度が高まっているのが初代86/BRZの中古車。とくに前期型は150万円以下の個体も頻繁に見受けられるようになるなど、カスタム&チューニングベースとして人気はまさに右肩上がり。
そしてこのクルマが持つポテンシャルを存分に引き出しつつ、パフォーマンスを大幅に高めるメニューとされているのがターボ、あるいはスーパーチャージャーという過給機の追加だ。そこで今回は、両者の特性の違いや選択時のポイントなどについて、HKS九州サービスの竜円代表に話を聞いた。
「それぞれに持ち味があって、優劣をつけることは困難です。それより自分はクルマに何を求めるのか? あるいは、どういう用途に使うのか? というように、目指す方向性によって選び方は変わってくると思います。ほぼ100%街乗りという方には、スーパーチャージャーがお勧め。大排気量車のように、低回転域から力強いトルクとレスポンスが体感できます。これに対し、サーキット走行会を定期的に楽しまれるような方には、高回転からの伸びがよりシャープなターボが適しているかも知れません」。
なお、2012年の86/BRZの発売後にリリースされたHKS製スーパーチャージャーは、これまで幾度かの仕様変更が行われている。現在のGT2シリーズはポン付けでも約250ps、インジェクター交換などフューエルアップグレードキットを追加すれば300ps+αのスペックを余裕でクリア。
元々、エンジンパワーに対してシャシー性能の高さに余裕がある86/BRZとの相性は抜群で、その走りの洗練度は“これが本来ノーマルのあるべき姿だったのでは?”と思ってしまうほど。この他、取り付け時の加工部分の少なさも大きなメリットだ。
ちなみにHKS九州サービスに訪れるユーザーの大半は、そのナチュラルなフィーリングに魅了されてスーパーチャージャー化を選択するそうだ。「足回りやマフラーはノーマルのまま過給機化するお客さんも多いですね」とのこと。
GT2スーパーチャージャー仕様の取材車両は、油温対策のためにバンパーダクト左寄りの場所にオイルクーラーを追加。スーパーチャージャーキットではオプション扱いとなっているオイルクーラーだが、単なるパワー志向ではなく、耐久性や信頼性という点も重視するHKS九州サービスではキットとの同時装着を推奨している。
もちろん、HKS九州サービスではGT2-RSタービンを用いたターボ仕様の装着実績も豊富。8年前の86のデビュー当初、同ショップが最初に手がけた過給機チューンはターボ仕様であり、セットアップに関するノウハウも豊富だ。
こちらは、鍛造ピストンや90mmストロークのクランクシャフトなどが含まれたHKSの2.1リッターキャパシティアップグレードキット。走行距離が多い車両のオーナーが、オーバーホール&リフレッシュの一貫として選択するケースも最近増えてきているそうだ。
過給機からエンジンパーツに至るまで、パーツが豊富にラインナップされている86/BRZだけにチューニングの方向性は選び放題。手の届きやすくなった価格と相まって、さらにチューンドベースとしての存在感を増していくことは確実だ。
●取材協力:HKS九州サービス 福岡県北九州市小倉南区蜷田若園3-12-15 TEL:093-931-6910
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