前年同月比29.2%プラス 2018年10月比でも堅調
text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)
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国内の新車市場は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から徐々に持ち直しているようだ。
2020年10月の登録車の新車販売台数は、前年同月比31.6%増の25万3304台と、13か月ぶりのプラスを達成(日本自動車販売協会連合会まとめ、速報値)。
また、10月の軽自動車の国内新車販売台数は、同25.6%増の15万3547台と、13か月ぶりの前年実績超えとなる(全国軽自動車協会連合会まとめ、速報値)。
結果として、トータルでの国内新車販売台数は、同29.2%増の40万6851台と、13か月ぶりのプラスを記録した。
前年の10月は台風による大型災害・消費税アップなどによって販売が大きく落ち込んでいたため、今月の成績は2桁の大幅増を記録したが、一昨年(2018年)10月の41万8993台(登録車26万1554台、軽自動車15万7439台)と比べても、マイナス幅は1.0%以下に収まっている。
登録車の10月のブランド別新車販売台数では、新型車や特別仕様車を積極的に発売したブランドの復調ぶりが目立った。
新型ヤリス・シリーズなどの販売が好調なトヨタは、前年同月比40.0%増(13万7510台)、主要モデルの商品改良を精力的に行うホンダは同44.0%増(2万6483台)、事業構造改革「Nissan NEXT」を推進して新型車の販売を加速させる日産は同10.8%増(1万9824台)を記録。
MX-30の発売などで人気のSUVモデルを拡充させるマツダは同6.4%増(1万797台)、商品改良したクロスビーなどの販売が好調なスズキは同11.8%増(7795台)、インプレッサ/フォレスターの一部改良や新型レヴォーグの発表を行ったスバルは同16.6%増(5869台)。
新型ロッキーや仕様変更したトールの販売が堅調なダイハツは、同88.2%増(5135台)とプラスを達成。
一方、レクサスは同14.3%減(3835台)、三菱自は同16.6%減(1662台)と苦戦が続いた。
消費低迷、ボーナス削減は不安要素
軽自動車の10月のブランド別新車販売台数では、全ブランドが前年実績超えを記録した。
首位に立ったのはダイハツ。新型タフトに加えて定番ハイトワゴンの販売も復調し、前年同月比41.3%増(5万4815台)を成し遂げて3か月ぶりのシェアトップにつく。
首位争いを展開するスズキは、同7.3%増(4万5530台)を記録したものの、第2位に甘んじた。
また、新型Nワンの発売を目前に控えるホンダは新型Nワゴンの受注残の解消などもあって同32.7%増(2万6871台)、新型ルークスの販売が好調な日産は同25.8%増(1万5174台)、新型eKスペース・シリーズが販売を牽引する三菱自は同20.4%増(3268台)と前年超えを達成する。
一方、OEM供給を受けるブランドは、マツダが同47.5%増(3149台)、トヨタが同27.5%増(2943台)、スバルが同12.9%増(1784台)とプラスを成し遂げた。
新車マーケットの動向について業界団体の関係者は、「新型コロナウイルスの影響はまだ続いているが、各ブランドが精力的に新型車や特別仕様車のリリースを行い、さらに“withコロナ”下における生産および販売体制の再構築を図っていることから、新車の販売は堅調に推移している」と分析している。
そのうえで、「年末商戦に向けて、各ブランドから販売を伸ばしそうな新型車がさらに発売される予定なので、プラスを維持する可能性は十分にある」と解説。
一方、今後については「なかなか収束しない日本での新型コロナウイルスの感染拡大、そして景気の先行き不安による消費意欲の低迷や業績悪化企業におけるボーナス削減などは不安要素。エコカー減税の期間延長など、政府が打ち出す景気対策に期待したい」と指摘した。
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