トヨタブースでは、電動車いす「JUU(ジェイユーユー)」の実演が行われた。昨年の国際福祉機器展(H.C.R.2022)で披露された新時代の電動車いすだが、今年も進化して会場にやってきていた。このJUUの特徴は、乗り降りを安全にアシストしたり、階段、段差、急勾配など、一般的な車いすが通ることが難しい場面でも使えること。このフレキシブルな走破性能は、車いすに圧倒的な自由度を与えてくれる。
車体の後ろには補助輪と「しっぽ」が備えられている。これにより凸凹の未舗装路(砂利道など)も安定して走行できる。 実演では、シエンタの福祉車両からJUUを下ろすところから始まった。車体に積まれたJUUは、タブレットからワンタッチで自動でスロープを降りてくる。JUUの後部には「しっぽ」が取り付けられ、これによって段差でも衝撃がなくスムーズに降りられる。役目をおえた「しっぽ」は、自動的に迫り上がって格納されるため、乗員には一切の負担はない。その後、スロープを降りたJUUは、自動で運転席の横まで自走してやってくる。さらに車いすに移乗しやすいように、シートが自動で変形するのも見どころ。まさに至れり尽くせりだ。
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車体のコントローラー。これでほとんどの操作を行うことが可能。 次は段差を乗り越えるシーンを実演で再現。近年バリアフリー化が進んでいるとはいえ、当然すべての場所がそうなっているわけではない。今までなら諦めたり、だれかの手を借りなければいけないシーンもJUUなら障壁を超えられる場面が多い。ちなみに段差を登る際も、前述の「しっぽ」が活躍する。車体が「しっぽ」に支えられるため、前のめりになったり後ろに倒れないから安心なのだ。凹凸のある下り坂も、径の大きな車輪とオフロードタイヤのおかげで安定して進める。
市販化した際はどのようになるか不明だが、撮影車にはポケットが備えられていた。 電動車いすは、小まわりが効かなそうなイメージを持つかもしれないが、JUUは異なる。その場で回転するように動けるので、狭いスペースでも簡単に方向転換できるのも大きな特徴。そのほか、手持ちのタブレットでJUUの状況がわかったり、遠隔で操作もできる。これは車いす利用者だけではなく、介助者にとっても大きなメリットになるはずだ。
現在はまだ商品化されていないが、これが実現すれば多くの人に移動の自由が得られる。これは、もっともっと人生を楽しみたい気持ちを後押ししてくれるもの。JUUの発売が待ち遠しい。
【H.C.R. 2023 レポート】トヨタの電動車いす「JUU」の実演。段差も乗り越えられる!はBelieve - ビリーヴ ジャパンで公開された投稿です。
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