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900万円、1985万円! 一番高いのは初代インテRを超えた意外なクルマだった……歴代タイプR中古車爆上がりランキング

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900万円、1985万円! 一番高いのは初代インテRを超えた意外なクルマだった……歴代タイプR中古車爆上がりランキング

 ホンダのスポーツカーの象徴と言えば“タイプR”だろう。1992年11月27日にNSXタイプRが販売開始となり、今年で30周年を迎える。

 タイプRは「徹底した軽量化」、「サーキット走行を念頭においた足回りのチューニング」、「高精度のエンジンバランス取り」という3項目を施し、高い走行性能と操縦性能を実現したモデルを指す。

900万円、1985万円! 一番高いのは初代インテRを超えた意外なクルマだった……歴代タイプR中古車爆上がりランキング

 30周年を迎えた2022年、6代目となる新型シビックタイプRが登場。噂によるとこれが最後の純ガソリンエンジンを搭載したタイプRと言われている。

 そこで、今回は30周年を迎えたNSX、インテグラ、シビックの歴代タイプRの中古車相場を調べ、爆上がりランキングを大公開!

文/萩原文博
写真/ベストカーweb編集部、ホンダ

■2代目シビックタイプR/値上がり率=約112% 中古車価格帯=約99.8万~約247.7万円

2001年10月に登場した2代目シビックタイプR

 ランキングを発表する前に、2002年5月に登場したNA2型NSXタイプRは、残念ながらデータを調べた際には中古車は全く流通していなかった。新車時価格は1195万7000円。もし、流通していれば4000万~5000万円になるはずだろう。

 それでは、ランキングを発表しよう。今回のランキングは流通している中古車の最高値を新車時価格で割り、どれくらい値上がりしているかを計算した。

 まず、値上がり率が約112%となったのは、2001年10月に登場した2代目シビックタイプR。このモデルは、ホンダ車として初めて、英国・Honda of the U.K. Manufacturingで生産され、日本に輸出された。

 弾丸をイメージした個性的で存在感、躍動感のある力強い外観デザインが特徴。搭載するエンジンは、高回転時に吸・排気バルブタイミング・リフト量を切り替えるVTECと、吸気バルブタイミングの位相をエンジン負荷に応じて連続的に制御するVTC(Variable Timing Control)を組み合わせた最高出力215ps、最大トルク202Nmを発生する2L直列4気筒DOHC i-VTECエンジンとなっている。

 2代目シビックタイプRの中古車は約36台流通していて、中古車の価格帯は約99.8万~約247.7万円とタイプRで唯一100万円以下の中古車が流通している。

■4代目シビックタイプR/値上がり率=約117% 中古車価格帯=約349.9万~499.8万円

2015年10月に登場した4代目シビックタイプR

 続いて値上がり率約117%を記録したのが、2015年10月に日本国内限定750台で販売された4代目シビックタイプRだ。このモデルはFF量産車最速を達成するために、サスペンション、ブレーキ、タイヤ、ステアリングシステムなどを専用設計のシャシーを採用。

 さらに、4輪のダンパー減衰力を独立制御するアダプティブ・ダンパー・システムによりフラットな車両姿勢を保ち、4輪に適切な荷重配分を行うことで、高速度域でも安定感のある車両挙動を実現している。

 搭載するエンジンはVTECと直噴技術そしてターボを組み合わせた2L直列4気筒VTECターボ。エンジン内部の運動部品は徹底的な軽量化を施し、排気側にVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)を、吸排気双方に「VTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)」を採用することで、最高出力310ps、最大トルク400Nmを発生する。

 現在、4代目シビックタイプRの中古車は約17台流通していて、中古車の価格帯は約349.9万~499.8万円。値上がり率も低いがそのぶん値落ち率も低くなっている。

■2代目インテグラタイプR/値上がり率=約135%、中古車価格帯=約115万~約349.8万円

2001年7月に登場した2代目インテグラタイプR

 続いて、2001年に登場した2代目インテグラ3ドアクーぺタイプRが値上がり率約135%となった。2代目インテグラタイプRは、スポーツ走行での応答性と限界性能の向上を目指し、徹底したボディの高剛性化を実施し、先代タイプR比で曲げ剛性35%、ねじり剛性116%向上。さらに、フロントのバンパービームなどをアルミ材に置換し、徹底的な軽量化を実施している。

 搭載しているエンジンは、最高出力220ps、最大トルク206Nmを発生する2L直列4気筒DOHC i-VTECエンジン+6速MTだ。

 2代目インテグラタイプRの中古車は約114台と流通台数は豊富で、中古車の価格帯は約115万~約349.8万円。平均価格は約189.4万円とタイプR入門車として最適なモデルとなっている。

■初代インテグラ4ドアハードトップタイプR/値上がり率=約175%、中古車価格帯=約147万~約398万円

1995年8月に登場した初代インテグラ4ドアハードトップタイプR

 値上がり率約175%となっているのが、1995年8月に登場した初代インテグラ4ドアハードトップタイプRだ。2代目は3ドアクーペのみとなったが、初代インテグラには4ドアハードトップのタイプRも用意されていた。

 インテグラタイプRは、究極のFFスポーツモデルを目指しボディの高剛性化をはじめ、徹底した軽量化、パーツの高精度化。そして、ロール剛性を強化したハードセッティングサスペンション+専用開発のハイグリップタイヤを装着するなど運動性能の徹底追及を図っている。

 搭載しているエンジンは、タイプR専用に開発された1.8L直列4気筒DOHC VTECエンジンで、最高出力200psを発生し、当時自然吸気エンジンとして世界最高のリッター当たり111psを達成していた。

 現在、初代インテグラ4ドアハードトップタイプRの中古車は約10台しか流通しておらず、NSXタイプRの次に絶滅の危機に瀕している。中古車の価格帯は約147万~約398万円となっており、4ドアだから安いという理由にはならない。

■3代目シビックタイプR/値上がり率=約233% 約189.8万~約660万円

2007年3月に登場した3代目シビックタイプR

 2007年3月に登場したノーマルの3代目シビックタイプRの値上がり率は約233%。

 このモデルはサーキットを含むあらゆる走行シーンで、人とクルマの一体感ある操るよろこびを目指して開発された。ベース車のシビックの高いボディ剛性や優れたレイアウトを活かし、軽量、高剛性ボディを実現。さらに、軽量化と剛性力のアップを図り、従来のインテグラタイプR比で、ボディ剛性約50%向上させている。

 搭載する2L直列4気筒DOHC i-VTECエンジンはNSX製法へッドポート処理の伝承により、ポート表面を滑らかにし、吸排気抵抗を低減。そして圧縮比を向上、インテークマニホールド及びエキゾーストマニホールドの最適化により高回転、高出力とともに実用域のトルクを向上したことで、最高出力225ps、最大トルク215Nmを発生する。

 さらに、専用サスペンションと高性能な専用18インチタイヤ、トルク感応型ヘリカルLSD、耐フェード性に優れた大径ブレーキなどの採用により、中高速コーナーでの高い旋回性能と、操縦安定性を獲得し、操る楽しさを実現させたモデルだ。

 3代目シビックタイプRの中古車は約142台流通していて、平均価格は約309.8万円。中古車の価格帯は約189.8万~約660万円となっている。最も高い中古車は1.9万kmのワンオーナー車で、続いて1.2万km、550万円。極上車は450万~500万円前後のタマが多い。ボディに輝く真っ赤なエンブレムはその高い性能が色褪せないように、価値も変わらないのが特徴だ。

■初代シビックタイプR/値上がり率=約249% 中古車価格帯=約175.5万~約498万円

1997年8月に登場した初代シビックタイプR

 ここからは値上がり率200%を超えている。値上がり率約249%を記録したのが、1997年8月に登場した初代シビックタイプR。デビュー当初の車両本体価格が200万円を切った199万8000円というのが驚きだ。

「EK9」という型式で呼ばれ、現在でも高い人気誇る初代シビックタイプRはスポーティハッチバックとして高く評価をされているシビックをベースに走りの楽しさと運動性能を徹底追求した3ドア・FFスポーツモデルだ。

 パフォーマンスロッドの採用などによるボディ剛性の強化をはじめ、車高ダウン、低重心化、ハードチューニングサスペンションの採用。トルク感応型ヘリカルLSDの搭載そしてタイプR専用ブリヂストンポテンザRE010タイヤを装着し、優れた旋回性能と安定性、制動力を確保し、人車一体感のある走りを実現している。

 搭載しているエンジンは、最高出力185ps、最大トルク16.3kgmを発生する1.6L直列4気筒DOHC VTECエンジンで、自然吸気エンジンとして世界最高峰の高出力、リッター当たり116馬力を実現した。

 現在、初代シビックタイプRの中古車は約61台流通していて、平均価格は約269万円。中古車の価格帯は約175.5万~約498万円となっていて、根強い人気を誇る。

■初代NSXタイプR/値上がり率=約257% 1台のみ2500万円

1992年11月に登場した初代NSXタイプR

 値上がり率約257%となっているのが、1992年11月に登場したNSXタイプR。新車時価格970万7000円で、現在中古車はわずかに1台しか流通していないが、約2500万円となっている。

 NSXタイプRで2500万円というのはかなりボトムで、ここからスタートと考えたほうがいいだろう。NSXタイプRは、より高度な運動性能を実現するため、NSXで採用した材料置換 による軽量化技術をさらに推し進めるとともに、レーシングカーのチューニング理論を随所に応用したピュアスポーツモデルとして開発されたモデルだ。

 元来軽量なオールアルミボディに加え、更に数十項目にわたる徹底した軽量化を進め、120kgにおよぶ重量軽減を実現。世界各地のサーキットでの充分な走行テストによる、サスペンションをはじめとする足廻りの専用チューニング。そして、ドライバーとクルマとの一体感を重視したダイレクトな操縦性、操作性を実現し、これがタイプRの礎となった。

■5代目シビックタイプR/値上がり率=約290% 中古車価格帯=約380万~約1599.9万円

2017年7月に登場した5代目シビックタイプR

 値上がり率290%を記録したのが、2017年7月に登場した5代目シビックタイプRだ。最高価格1599.9万円を記録したのは、2020年10月に国内200台限定販売されたリミテッドエディション。通常のモデルの残価率は約244%となっている。

 このタイプRは開発当初よりTYPE Rを見据えてプラットフォームを新開発され、先代モデルに対し、ねじり剛性の向上(+約38%)やボディーの軽量化(−約16kg)、低重心化、ホイールベースとトレッドの拡大などにより、さらに優れた走行安定性を追求しているのが特徴だ。

 搭載するエンジンは最高出力320ps、最大トルク400N・mを発生する専用の2L直列4気筒DOHC VTECターボで、ローレシオ化された6速MTや軽量シングルマス・フライホイールの採用により、加速性能をさらに向上させている。また、減速操作に合わせてエンジンの回転数が自動で調整されるレブマッチシステムをホンダ車として初めて採用しているのも特徴だ。

 現在、5代目シビックタイプRの中古車は約186台流通していて、平均価格は新車時価格を上回る約534.1万円。中古車の価格帯は約380万~約1599.9万円となっている。限定車のリミテッドエディションならば1000万円以上は確実。

■初代インテグラ3ドアクーペタイプR/値上がり率=404% 中古車価格帯=約150万~約899.9万円

1995年8月に登場した初代インテグラ3ドアクーペタイプR

 ここからは新車時価格の4倍となっている値上がり率400%以上の車種だ。まずは1995年に登場した初代インテグラ3ドアクーペタイプR。先ほど紹介した4ドアハードトップと同じ仕様となっている。

 現在、初代インテグラ3ドアクーペタイプRは約49台流通していて、平均価格は222.8万円の新車時価格を100万円以上上回る323万円。中古車の価格帯は約150万~約899.9万円だ。

 最高値の中古車は走行距離1.6万km、整備記録簿が13枚とこれまでの履歴がすべてわかるノーマル車。こんなコンディションのクルマは2度と出てこないので、この価格となっている。

■番外編:MUGEN RR/値上がり率=415% 中古車価格帯=1985万円

3代目シビックタイプRをベースに無限が手を加えたコンプリートカーのシビックMUGEN RR

 歴代タイプRで、最も値上がり率の高い約415%を記録したのは、2007年6月にファクトリーブランド無限が初のコンプリートカーとして300台限定で発売したMUGEN RR。ただMUGENブランドなので、番外編としたい。新車時価格477万7500円が1985万円で販売されている。

 最高値のMUGEN RRはこのシビックタイプRをベースに15psのパワーアップし、5kg以上の軽量化を達成。走行性能面では、ブリヂストンと共同開発した専用タイヤ「ポテンザRE070 RRスペック」、軽量・高剛性専用鍛造ホイール、専用サスペンション等の採用によりコーナリングパフォーマンスを高める。減衰力5段階調整式ダンパーにより、パフォーマンス追求のみならず乗り心地等の快適性との両立も果たしている。

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みんなのコメント

57件
  • ここ数年の90年代~の日本の中古車の値上がりを見て
    「ホント、この値段で買う人がいるのか?」と不思議でしょうがないです。
    海外の富裕層が主客なのでしょうかね? 
  • インテグラとシビックもFD2までは、タイプRも、ちょっと頑張れば手に入る高性能車だったのにねえ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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