「ES」は1989年にレクサス最初のラインナップに加わった4ドアセダン。前輪駆動を採用したことで、広い室内空間の4ドアとして、世界各地で人気を獲得してきた。しかし、販売の中心は日本意外の地域だった。日本専用仕様が加わり、日本のユーザーにもその魅力を体感してもらえるようになったのは2018年10月にフルモデルチェンジした7代目から。7代目は「LS」に次ぐフラッグシップセダンを意識したクルマづくりを実践している。「LS」が伝統を重んじたプレステージセダンに対し、ESは最先端の新しさを体感できるニューセダンに仕立て上げられている。
新しい技術や装備を常にアップデート
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プラットフォームは低重心のGA-Kプラットフォームを採用し、操縦安定性を向上させている。そのレベルの高さは、上級モデルの「LS」を凌いでいるほど。乗り心地のハンドリングの良さでは、レクサスブランドのトップにあるといっても過言ではない。
先端技術では、量産車として世界初採用のデジタルアウターミラーを装備。これはサイドミラーをカメラが代用し、室内に画像を映し出す方式。実際に運転してみると、斜め後方の映像は、死角もなく、安心感がある。「ES」の特徴のひとつに年次改良の実践がある。
2年ごとのマイナーチェンジではなく、年毎に新しい技術や装備を時間を待つことなく、クルマに導入し、常にアップデートした「ES」をユーザーに提供しよう、という考えだ。例えば、デビュー翌々年の2020年8月にはデジタルアウターミラーに距離目安線の表示機能を加えたほか、ハイブリッドバッテリーをニッケル水素電池からリチウムイオン電池に変更した。
これによって、燃費も向上したそのほかマルチメディアシステムはSmartDeviceLink、Apple CarPlay、Android Autoに対応させ、スマートフォンを12.3インチのディスプレイと連携させることができるようになった。充電トレイやスマホ収納スペースも拡大している。2021年8月にはリニアな走りのために、リアサスのメンバーブレースの剛性を高めるために1枚板から2枚の板を合わせた構造に変更している。
さらにブレーキもシステムの制御定数を変更し、ペダルの剛性感の向上と、コントロール性の向上を図っている。最新の改良は2022年7月。前年にマイナーチェンジでともいえる改良を行なったので、2022年は予防安全技術の機能拡充やマルチメディアシステムとコネクテッドサービスの刷新を実施している。
大きな凹凸でもしなやかな乗り心地
デザイン面では内装のインパネやコンソール周辺の形状変更と、スイッチレイアウトを最適化した。カップホルダーやスマホ充電の使い勝手も向上している。このときには「ES」の中でもより上質でラグジュアリーな時を楽しめる特別仕様車「Graceful Escort」を設定した。
現在のグレードラインナップは「ES 300h」(602万円~)、「Fスポーツ」(654万円~)、「バーションL」(718万円)、これに特別仕様車「Graceful Escort」(728万円)が選べる。パワーユニットは各車共通、ガソリンエンジンは直列4気筒DOHC、2.5ℓで178PS、221Nm。これに120PS、202Nmの電気モーターが加わる。ミッションは電気式無段変速で、前輪を駆動する。
ドライブモードセレクトはSport +/Sport S/Normal/Eco/Custamの5モード、切り替えはメータークラスター左のダイヤルで行なう。メータークラスター右のダイヤルはESCの切り替えだ。
試乗車は「バージョンL」をメインに行なった。ドライブモード、Normalでスタートする。アクセルオンで走り出す。スタート時のダッシュは、それほど俊敏ではない。ゆっくりとスタートし、加速する。加速中に気になるのは2.5ℓエンジンのうなり音。室内への侵入はそれほどではないが、アクセルオンで常にうなる。それでも0→100km/hの加速データを計測すると7秒台を記録した。これは決して遅い数値ではない。そこで、Sportsモードに切り替える。ハンドリングは重さを増し、ドライバーもハンドルをしっかり握ることを要求される。
乗り心地は大きな凹凸でも上下動も収まりがよい。しなやかだ。コーナーでのロールも抑えられている。「ES」のハンドリングは、レクサス車の中でもトップレベル。電子制御と剛性感のある動きは「LS」よりも上と個人的には思う。
前輪駆動だが、そのデメリットはほとんどなく、むしろ、室内の広さなどメリットのほうが大きい。後席は足元も広く、中央部のトンネルの盛り上がりも低く抑えられている。自らもハンドルを握るオーナーなら「LS」よりも「ES」のほうが断然、楽しいと思う。燃費だって実走で15km/Lを下回ることはほとんどなかった。
「Fスポーツ」にも試乗したが、動力性能はほとんど同じ。235/40R19と1サイズ大きいホイールを履いていたためか、むしろ乗り心地のかたさやザラつき感のほうが気になった。「バージョンL」でもドライビングは十分に楽しめると思う。もう少し「ES」に注目が集まってもいい気がする。
■関連情報
https://lexus.jp/models/es/
文/石川真禧照 撮影/萩原文博
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みんなのコメント
乗り心地と静粛性重視のよくできたセダン。
特に文句をつける点はない。
ただ、エンジン横置き前輪駆動。
欧州車には残念ながら及ばない。