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俳優・大野拓朗の「あの“絶版旧車”に乗りたい!」──Vol.1 ホンダCBX400F

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俳優・大野拓朗の「あの“絶版旧車”に乗りたい!」──Vol.1 ホンダCBX400F

1970年~1980年代に発売された国産旧車が、“絶版旧車”と呼ばれ人気だ。当時憧れていた世代はもちろんのこと、今どきのヤングライダーたちも“カッコいい!”と、注目する絶版旧車の魅力を、バイク好きの俳優・大野拓朗と元バイク雑誌編集長・カワニシが語り合う。今回は1980年代バイクブームの火付け役ともなったホンダ「CBX400F」に試乗!

400cc、4気筒モデルの決定版河西啓介(以下、カワニシ):大野さんはいま30代ですが、1970、1980年代の国産旧車に興味があるんですよね。生まれる前の時代のバイクだと思いますが?

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大野拓朗(以下、大野):父がバイク好きだったので、その影響があるかもしれません。それと以前、アメリカに留学をしていたとき、まわりの友だちが旧いバイクに乗っていたんです。彼らが乗っていたのは1960年代のトライアンフとかでしたけど。それから「旧車ってカッコいいな……」と思うようになりましたね。

カワニシ:今回試乗するのはホンダCBX400Fです。1981年に登場した、1980年代バイクブームを代表する1台で、ここ数年の再評価が著しい。ひょっとするといまいちばん“アツい”国産旧車と言えるかもしれません。

大野:パッと見た感じは、意外にコンパクトで乗りやすそうです。赤・白・黒のカラーリングがカワイイですね。

カワニシ:そう! 1970年代のバイクは「大きくて堂々としている」ことがカッコよかったんですが、1980年代になるとスポーティーさが重視されるようになり、車体もコンパクトで軽くなっていったんです。CBX400Fはその先駆けとも言えます。

大野:先ほど「いまいちばんアツい国産旧車」と言われましたが、CBX400のどこがそんなにすごいんですか?

カワニシ:まず、なんと言ってもエンジンですね。ホンダは1969年に「ドリームCB750フォア」という名車を発売しています。これが高性能な4気筒エンジンを積んだスポーツバイクとして大ヒットし、以降4気筒エンジンが高性能モデルの証となるのですが、1970年代後半になると、ホンダは徐々に製造コストや価格を安く抑えられる2気筒モデルへとシフトしていったんです。しかし1979年にカワサキが400cc4気筒DOHCエンジンを積んだ「Z400FX」を登場させたのを契機に状況が一変。ヤマハ、スズキも追随して“ヨンヒャク、4気筒”ブームが巻き起こりました。そこでホンダも満を持して4気筒4バルブの“DOHC”エンジンを採用したCBX400Fを投入。48psの最高出力は当時の400ccクラス最高でした。

大野:なるほど!今も400ccで4気筒のバイクなんてほとんどないですもんね。贅沢な時代だったんだなぁ。4本の排気管が絡み合うように交差している造形が美しいですね。

カワニシ:各シリンダーの爆発順とは排気管の長さにこだわった結果、うねるように交差しながら4→1→2と変化するエキゾーストシステムはCBX400Fのハイライトですね。ではさっそく試乗してみましょうか!

世界初、クラス初がてんこ盛り大野:じつは旧車に乗るのは初めてで、キンチョーしていたんですけど、すごく乗りやすかった! 走らせた感じも軽快だったし、今どきのバイクと比べても違和感がない感じでした。旧車の経験がないけど乗ってみたい、という人にはいいかも。

カワニシ:初めてとは思えないぐらいスムーズに走っていたので感心しましたよ。拓朗クンの後ろを走っていたけど、4気筒のサウンドが響いてよかったなあ。

大野:やっぱり音は今どきのバイクとは違うなと思いました。旧車っぽくていい音! シュイーンっていう排気音の中に、スピードを出すと「カリカリカリ」っていうメカの音(?)が混じってきて、それが「あ、可愛い」みたいな(笑)。コンパクトな車体も扱いやすかったですね。

カワニシ:じつはエンジン以外にも当時のホンダの技術の粋が注がれているんです。足まわりはホンダ独自のモノショック・サスペンション「プロリンク」に量産車世界初の中空アルミダイキャスト構造のスイングアームを採用。ブレーキシステムをカバーで覆ってしまう「インボード・ディスクブレーキ」にブレーキング時のフロントサスペンション沈み込みを防止する「アンチノーズ・ダイブ・システム」を組み合わせるなど、400cc4気筒ブームの最後発として送り込まれただけに、随所に“新開発”、“クラス初”、“世界初”が盛り込まれた渾身のモデルだったんです。

大野:当時の最先端技術によって、発売から40年後の今でも違和感なく乗れるってすごいですね。何しろ僕が生まれる前のバイクですから。

カワニシ:じつはCBX400Fは1981年にデビューして、2年後の1983年末に生産終了してしまうんです。当時はモデルチェンジのサイクルが早くて、後継モデルの「CBR400F」が登場したからなんですが、市場からの「また生産してほしい」という声が大きく、1984年10月に再生産されるという異例の経緯があるんです。今回の試乗車は1981年式の初期型なので、より人気の高い年式です。

程度次第で700万円オーバー!?大野:聞くところによると、CBX400Fっていまめちゃくちゃ高騰しているとか?

カワニシ:今回試乗車を用意してくれたUEMATSUによれば、国内販売モデルで500万円前後、海外で販売され逆輸入されたモデルで350万円前後が相場だそう。国内モノでオリジナルコンディション、程度がいい個体なら700万円以上! になるモノもある、とのことです。

大野:え、えー!ナナヒャクマン以上……。

カワニシ:新車当時の価格が47~48万円だから、ざっと15倍!?

大野:CBX400Fの人気や希少性はわかりましたが、とはいえなぜそんなに高騰しているんでしょうか?

カワニシ:当時のホンダの技術の粋が注がれた高性能にくわえ、“バイクらしい”スタイリングが人気の理由じゃないかと思います。じつはCBX400Fの後、“レーサーレプリカ・ブーム”が訪れるんです。バイクは凄まじく高性能化し、デザインもレーサー風のフルカウルが主流になっていった。それに比べると丸めライトでネイキッドのCBXのスタイリングはシンプル。

大野:確かに、レーサーっぽいデザインって時代とともに古臭くなっちゃうけど、CBXはシンプルだから旧さを感じさせないですね。

カワニシ:じつはその“堂々感”のおかげで、その後“ヤン車”、“族車”として重用されたことも、CBX400Fの人気が高まった一因なんですけどね。マッチこと近藤真彦さん主演映画『ハイティーン・ブギ』(1982年公開)で劇中車としてCBX400Fが使われていたし、漫画『特攻の拓』にも登場人物の愛車として描かれていました。もっと言うと、漫画『東京卍リベンジャーズ』も登場しています。

大野:映画やマンガの影響は絶大です! 僕もバイクに興味を持ったのは『スラムダンク』で鉄男が乗っていたのを見たから(鉄男の愛車として描かれていたのはホンダ『スティード』)。

カワニシ:そう、“ヤン車”、“族車”として人気になったがゆえに、ノーマル状態で残っている個体が少ない、というのも価格高騰の理由らしい。だから取材車のようにノーマル、オリジナルコンディションの個体は超希少なんです。

大野:うーん、旧いモデルに乗ってみると、日本のバイク史の勉強にもなるなぁ。面白い。絶版旧車にますます興味が湧いてきました!

大野拓朗(おおのたくろう)1988年11 月 14 日生まれ、東京都出身。2009年に第25回ミスター立教に選出。10年に「インシテミル~7 日間のデス・ゲーム~」で俳優デビュー。NHK連続テレビ小説「わろてんか」や大河ドラマ「西郷どん」をはじめ、数多くのドラマ、映画、ミュージカル、舞台作品に出演。いよいよ今秋に本格的な海外進出を控える。

文・河西啓介 写真・安井宏充(Weekend.) スタイリスト・堀直樹 ヘア&メイク・Ryo 編集・稲垣邦康(GQ) 取材協力・UEMATSU

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みんなのコメント

6件
  • dgc********
    知らんこの人
  • 川東 加代子
    大野拓朗さんが実際に乗ってみての感想がとても具体的でわかりやすくて、このバイクの良さがすごく伝わって、大変いい記事でした。漫画「特攻の拓」初めて知りました🎵
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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