フルモデルチェンジしたスズキのコンパクトカー「スイフト」の完成度はいかに? 試乗した小川フミオがリポートする!
優れたデザイン
都会人ならコンパクトカーの使いやすさを知っているはずだ。最新のオススメは、スズキの新型スイフトだ。全長3860mmのボディだけれど、デザインによるまとまり感は強く、クオリティも高い。
従来、スイフトのイメージは、けっこうスポーティだったそうで、それが潜在的なユーザーを遠ざける結果になったことをメーカーでは憂慮。そこで今回は“街中で使いやすく、かつ操縦が楽しいクルマ”を、目指したという。
2023年12月13日に発売された新型スイフトは、今回で5代目。1197cc直列3気筒搭載の前輪駆動が基本。パワートレインは、エンジン車と、マイルドハイブリッド車が選べる。変速機はCVT(無段変速機)。後者には5段MTも設定された。
デザインはすぐれている。ひとことでいうと質感が高い。大きなグリル開口部がまず眼をひく。くわえて、L字型のLEDシグネチャーランプを組み込んだ大型ヘッドランプとともに、フロント部分は、内部からの力に押し出されたような“力”を感じさせる造型だ。
クラムシェル型とデザイン界では呼ばれる立体的なボンネットと、その切り欠きが車体側面をぐるりとまわるキャラクターラインにつながっている。
ピラーはすべてブラックアウトされていて、いわゆるフローティングルーフというデザイン。理知的だけれど、エモーショナルでもあり、欧州でもウケそうだ。
車体色は豊富だ。暖色系から寒色系と揃い、フローティングルーフを活かしての2トーンの塗り分け(ルーフはブラック)も設定されている。印象的にはどの色もよく似合っている。内装は単色。これだけは少し惜しいように思う。
デザインが新しくなっただけでなく、ボディは高張力鋼板と、構造用接着剤の採用で剛性を上げた、と、謳う。同時に、結合部には減衰接着剤を使うとともに、バッフル材を追加するなどして、エンジンルームからの透過音やロードノイズ低減を実現したという。
燃費と排ガスをテーマに開発された1.2リッター3気筒エンジンは、このスイフトでデビュー。エンジン開発者によると「(欧州でこれから施行が予定されているとても厳しい)ユーロ7もクリアする自信がある」というもの。燃費はハイブリッドでリッターあたり24.5kmを達成している。
ハンドリングにも自信アリ!ドライブフィールにおいても好ましい。CVTとの組合せもうまく調整されているのだろう。運転したのはマイルドハイブリッドのモデルなので、モーターの力で発進はスムーズ。そこからの加速の伸びもなかなか気持ちがよい。
トルク特性を考え、街中できびきび走れることを目指したそうだ。街中を流すなら2000rpmあたりでもほとんど不満はなさそうだし、高速などでアクセルペダルを踏み込んでいくと3000rpmを超えるあたりからもりもりとトルクが出る。
私が感心したのは、意外なほど静かな点。CVTにつきものの甲高い金属音もないし、エンジンは高回転までまわっても、耳障りな音が聞こえてこない。高速走行時もけっこう快適。このクラスではダントツのクオリティではないかと思った。
「ハンドリングにも自信があります」と、スズキでは言うとおり、カーブが連続する道でも楽しい。車体の剛性を上げるとともに、フロントのスタビライザーに、従来スイフトスポーツ用に使っていたものを流用。操舵感がクイックすぎず、もちろんダルでなく、うまく設定されているのだ。
ホイールベースは2450mmと比較的コンパクトだが、パッケージングは上手。175cmの人間(私)が4人、べつだん窮屈な思いもせずに乗っていられるのだ。
かつ今回は、ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせた先進安全装備が搭載され、アダプティブクルーズコントロールに、カーブ速度抑制機能、車線変更時の補助機能(自動で加減速等)、渋滞時の停止保持機能などがくわえられた。
これ1台でカバーしてくれる範囲は広い。こういうまっとうなクルマづくりに接すると嬉しくなるのは、私だけではないだろう。クルマ好きのかたはぜひ一度体験してほしい。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)
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みんなのコメント
うちは2台CVT車だけど、全く感じない。
現行車でそんな音するモデルあるのかな?