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最強のオール・イン・ワン──新型ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・カントリーマンALL4試乗記

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最強のオール・イン・ワン──新型ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・カントリーマンALL4試乗記

フルモデルチェンジ、かつ名前も変わった新しい「ミニ・カントリーマン」の、高性能バージョン「ジョン・クーパー・ワークス」にサトータケシが乗った! 通常モデルとの違いに迫る。

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ミニ・カントリーマンがミニ・クロスオーバーからネーミングを変更した理由や、ひとまわり大きくなったサイズ感、パワートレインのバリエーションなどについてはミニ・カントリーマン S ALL4の試乗記に記したとおり。

ここで紹介するのは、最高出力317psを発生する排気量2.0リッターの直列4気筒ガソリンターボエンジンを積む最強版、ミニ・ジョン・クーパー・ワークス・カントリーマンALL4だ。

これまでのミニのジョン・クーパー・ワークスといえばハバネロ級のホットハッチだったから、乗る前にストレッチ体操をして体をほぐし、気合を入れてスタートする。けれども新型カントリーマンのジョン・クーパー・ワークスは、意外や平和な走りで、ちょっと肩透かしを食らう。

足まわりのセッティングを自在に変えて最適化するアダプティブサスペンションは、ジョン・クーパー・ワークスのキャラに合わせて引き締まったものになっている。ただしクルマづくりの手練れが上手にしつけているようで、突起状の路面のつなぎ目を越える瞬間、「ビシッ!」という衝撃を覚悟していたのに、サラッといなしてくれた。4本の足がしっかりと伸び縮みしていることと、衝撃が一点に集中するのではなく車体全体へ上手に分散していることが伝わってくる。

新型カントリーマンは、おなじボディを用いるBEV(バッテリー式電気自動車)もラインナップする。重たいバッテリーを積むために、BEVの場合はより強いボディが求められる。そこに対応するために車体の剛性を引き上げたことが、乗り心地にもよい影響を及ぼしているのかもしれない。

つなぎ目を越えた後に、ボディの上下動が一発で収束するのも好印象で、常にフラットな姿勢を保ってくれてふらふらしないので、ステアリングホイールを握っていて気分がいい。

2.0リッターで317psと、かなりチューンの高いエンジンであるけれど、気難しい素振りは一切見せず、発進加速から豊かなトルクで車体を押し出す。7段DCTのトランスミッションもジョン・クーパー・ワークス専用のセッティングが施されているけれど、シフトショックが大きいわけでもなければ、無駄に高回転まで引っ張るわけでもない。

これは、ホットハッチというよりクールハッチではないか、いままでのジョン・クーパー・ワークスに比べるとちょっと薄味かもと思ったけれど……。

BOOSTの効果絶大!新型ミニ・カントリーマン S ALL4の試乗記で紹介したように、このクルマにはダッシュボード中央の巨大な円形パネルの下に、「EXPERIENCE」と、記されたトグルスイッチが備わっている。このスイッチでエクスペリエンスモードを切り替えることが可能で、たとえばのんびり、エコに走りたいときには「グリーン」モードを選ぶ。

ここで、「ゴーカート」モードを選ぶと、エグゾーストサウンドは重低音の効いた迫力のあるものに変わり、ハンドルからの手応えも増す。ただパワステが重くなったというだけでなく、ハンドル操作に対するクルマの動きがダイレクトになる。このステアリングフィールの変化はゴーカートモードを選択することで、アダプティブサスペンションの設定がタイトになることにも関係するのだろう。

ゴーカートモードにすると、クルマがひとまわりコンパクトになり、車重も3割減になったかのように、キビキビと軽やかに走るようになる。あと、昭和のクルマ好きは、こういうワイルドな美爆音を聞くとパブロフの犬のように、条件反射的に気分がアガる。

加えて、ステアリングホイールの左右に備わるパドルのうち左側、「BOOST」という赤文字で刻まれたパドルを引っ張り続けると、10秒間だけフルブーストになる。排気音は野蛮の一歩手前までさらに激しくなり、アクセル操作に対するレスポンスはまさに電光石火だ。液晶パネルには「10」から「1」までのカウントダウンが表示されるけれど、この10秒間はまさにハバネロのホットハッチだ。

ボタンを押すとナイトラス・オキサイドを噴射してドカンと加速する、映画『ワイルド・スピード』に登場するニトロチューンのようでギミック感満載であるけれど、童心に帰るというか、頭の中が空っぽになる。ちょっと大げさに作り込まれた排気音といい、エンタメ的な盛り上げ方が上手で、楽しめる。

しれっと乗ればクールな高級車だし、スポーツカー好きが乗っても満足ができる。4輪駆動のSUVだから、タイヤさえ換えればウィンタースポーツにも対応可能だ。最強のオール・イン・ワンで、もし1台ですべてをこなさなければいけないのならば、有力な候補になるだろう。

文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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