理想的なパッケージングのスポーツカー
MGBは、1960年代から1970年代にかけてのスポーツカーとして、理想的なパッケージングで仕立てられていた。優れたスタイリングに確かな動力性能、狭すぎず快適に運転できる車内空間と座り心地の良いシート、実用的な荷室など特長は数多い。
【画像】現実的に楽しめるMGB ロードスターとクーペのGT 後年のMG RV8 同年代のエランも 全89枚
乗り心地と操縦性のバランスも良好。今回協力いただいたMGBの場合、リアのリーフスプリングがアップデートされ、テレスコピック・ダンパーを装備することで、オリジナルのコンセプトを保ったまま一層走りに磨きが掛けられていた。
特に先進的な装備はなかったが、MGBは極めてバランスの良いところに落とし込まれている。市場もそれを判断し、かなりの数が売れている。1.8L直列4気筒エンジンはトルクフルでパワフル。不満のない走りを実現していた。
初期の5マイルバンパー、通称ラバーバンパー・モデルは若干シャープさを失っていたが、改善は可能。車高が持ち上げられ、リアのアンチロールバーが標準装備になり、フロントのアンチロールバーは太くなっている。
1968年からは北米で排気ガス規制が強化され、北米仕様のMGBも最高出力が絞られている。1975年仕様では、シングルのストロンバーグ・キャブレターで71psまで落とされた。欧州仕様に戻すことは可能だ。
1976年からペダル配置が改められ、ヒール&トウでのシフトダウンが可能に。同時期にサスペンションもチューニングされ、操縦性の良さを取り戻している。
過度に心配すべき弱点などはない
電動パワーステアリングや5速MT、モダンなサスペンションなど、多様なアップデートも可能。基本的にMGBの走りを良くしてくれるはず。日常的に運転したい場合は、無鉛ガソリン仕様へのエンジンの改良をオススメしたい。
容姿の美しさという点で評価されるMGBは、やはりオリジナルのクロームメッキ・スチールバンパー。ラバーバンパー自体は、スチール製フレームに黒い樹脂製カバーが付けられたもので、ゴム製マウントを介して固定されている。
無骨なラバーバンパーを初期型のスチールバンパーへ交換するスタイルは、人気のある改造の1つ。だが、作業は簡単ではなくコストも掛かるため、仕上がりがイマイチなものもある。完璧な仕事なら、MGBの価値を大きく高めてくれる。
1969年後半からは、ヘッドレストはオプションながら、リクライニング機能付きの快適なシートを獲得した。また、年式によってダッシュボードの仕上げなども若干異なるので、細かな違いを気にする場合は注意したい。
とはいえ、どのバンパーであってもMGBは魅力的なブリティッシュ・スポーツカーだ。現実的に楽しめるクラシックとして過度に心配すべき弱点などはなく、万が一の出費もさほど覚悟しておく必要がないのは大きな強みだといえる。
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
最も気をつけたいのが、サイドシルのサビ。外側だけでなく内側も確かめたい。排水ドレインにワイヤーを刺すことで、内部の状態が確かめられる。
フロントとリアのフェンダー、Aピラー、バルクヘッドまわり、リアのシャシーレッグ、荷室のフロア、ドアの底面、燃料タンクなども錆びやすいポイント。インナーフェンダーは泥が溜まってサビやすいため、保護するアーチライナーの追加は賢明な判断だ。
再塗装されている場合は、パネルのフィッティングや塗装の仕上がりを観察する。
エンジン
Bシリーズと呼ばれるMGBの1.8L直列4気筒エンジンはシンプル。オイル漏れや過度なブローバイ、振動や異音、油圧の低下などが内部摩耗の症状。油圧は高回転域で50-60psi、温まった状態のアイドリング時で15psi以上が正常。
不自然な振動や異音、オイル漏れがないか確かめる。英国では、エンジンのリビルドに2000ポンド(約33万円)以上は必要。ラジエター内部のサビも確認したい。ちなみに、今回の撮影車両はオーナーがリビルドしておりオリジナルとは状態が異なる。
トランスミッション
1967年以降のオールシンクロ・トランスミッションは基本的に堅牢。オーバードライブ付きなら最高だ。それでも、シンクロの摩耗状態は確かめたい。
リビルドには、英国では400ポンド(約7万円)以上は掛かる。オーバードライブ付きのリビルド済みユニットは、1300ポンド(約21万円)程度で手に入る。
サスペンションとブレーキ
サスペンションは、ヘタリ具合を確かめる。ウイッシュボーン付きのレバーアーム式ダンパーは従来的な仕様だったが、メンテナンスしていれば充分に機能する。ブッシュ類の状態も確認ポイント。
ブレーキキャリパーは固着しがち。
インテリアと電装系
シートのヘタリやダッシュボードの状態を確かめる。メーター類が正常に動くかも、試乗時にチェックしたい。
MGBロードスターのまとめ
多くの部品が入手可能だが、新品未塗装のボディシェルは英国でも1万3000ポンド(約215万円)以上する。そのボディシェルも古いものはオリジナルと同様に錆びやすく、交換から時間が経過している場合は安心できない。
1990年代初頭からは、交換用ボディシェルが亜鉛メッキされるようになった。理想的なレストアを施すと、車両の価値よりもコストが多く掛かることが通例。購入するなら、ベスト・コンディションのMGBを選びたいところ。
英国市場には、数多くのMGBが流通している。状態の良いラバーバンパー・モデルは、価格価値に優れる選択といえる。
良いトコロ
実用性にも長けた、万能スポーツカー。英国には専門ガレージが少なくなく、サプライヤーが交換部品を提供してくれている。状態の良い中古車も少なくない。
良くないトコロ
サビが進行することで、維持やレストアを難しくする。ひどい状態からレストアすると、最終的にはクルマの価値以上の出費が必要になる。オリジナルの状態を保っているMGBは少ない。
MGBロードスター(1962~1980年/英国仕様)のスペック
英国価格:1153ポンド(1970年時)
生産台数:約38万6789台
全長:3893-4020mm
全幅:1575mm
全高:1251-1295mm
最高速度:168-173km/h
0-97km/h加速:11.0~12.6秒
燃費:6.9-13.1km/L
CO2排出量:−
車両重量:942-1065kg
パワートレイン:直列4気筒1798cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:96ps/5400rpm-136ps/5500rpm
最大トルク:14.5kg-m/2500rpm-15.1kg-m/3000rpm
ギアボックス:4速マニュアル/3速オートマティック
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みんなのコメント
自分で面倒見れるなら心配ないけど。