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日本が先行も最後はビリに? 水素社会へ欧米中は本気で舵切り 「判断と行動」遅い日本 取り残される可能性も

掲載 更新 15
日本が先行も最後はビリに? 水素社会へ欧米中は本気で舵切り 「判断と行動」遅い日本 取り残される可能性も

■再注目の燃料電池車、日本は先進国?

 おそらく皆さん「日本は燃料電池車の先進国」だと思っていることだろう。

大ヒットから10年 トヨタは3代目「プリウス」の大量の使用済バッテリーをどう処理するのか?

 確かに「国別乗用・商用FCV累計販売台数」を見ると、2014年にトヨタ「MIRAI」を発売してから2016年まで日本がリードしていました。
 
 いや、アメリカの台数もMIRAIやホンダ「クラリティ FUEL CELL」を多数含むため、2017年くらいまで日本の技術が世界をリードしていたと考えて良いです。

 しかし、同じペースでしか伸びていない日本に対し、他国は急激に台数を増やし始めました。

 現時点では日本より少ないEUながら、2年くらい前から大きく動き始めており、水素社会に向け89兆円という巨額投資をすでに決めています。

 EU参加国もそれぞれ独自の水素社会に対する投資を進めており、ドイツだけでも日本の1.5倍規模の予算を付けたほどです。

 翻って我が国を見るとスタートダッシュこそ素晴らしかったものの、6年かかって未だ水素ステーションは全国で150箇所程度。

 世界最高の電気自動車に負けない「航続距離500km。充填時間3分。車両価格700万円」という素晴らしいスペックを持ったトヨタの新型MIRAIながら「水素ステーションが近所ににない」という理由で躊躇う人も多いと聞きます。

 なぜ普及しないのか。菅首相は「2050年にカーボンニュートラル」という宣言をしたものの、大上段に構えるなら「日本」という「集合体」が「そんなこと出来るワケがない」と認識しているからなのだと思う。

 確かに今の電力を火力発電所に頼っている現状からすれば、カーボンフリーは難しい。けれど世界を見るとカーボンフリー社会へ向けハッキリ舵を切っています。

 日本だけ「出来ない」とかいっていたら、取り残されるだけ。「世界」は新しいルールを作り、そちらで動き始めている。

 世界を相手にビジネスをしている我が国が新しいゲームに参加しないという選択はあり得ないことです。

 それならば、新しい陣営の作った「化石燃料は使えない」というルールブックを熟読し、そこで勝つことを考えることだと思う。

 最初から難しい内容になったけれど「新しいゲーム」の主役は電気になる。どうやって電気というエネルギーを作り、貯めておくかということです。

 説明するまでもないけれど、電気はいろんな方法で作れます。日本でいえば二酸化炭素を排出する「火力」と、排出しない「水力」「風力」「太陽光」「地熱」。原子力は二酸化炭素より危険なので考慮しない。

 電気という「エネルギー」、困ったことに使った量と作る量が均衡しないと成り立たない。

 供給過剰になると「熱」として逃がす以外に無くなり危険。足りないと電圧低下によりブラックアウトしてしまう。そこで使う分だけを発電するワケです。

 前述で挙げた5つの発電方法を見ると違う特性を持ちます。火力&水力についていえば0%から100%まで対応可能。風力と太陽光は自然任せ。地熱といえば基本的に100%稼働となります。

■好スタートをきった日本…このままだとビリになる可能性も?

 一方、自然エネルギーとして有効に使いたいのが風力と太陽光です。すでに東京電力ですら昼間の時間帯だと太陽光発電で30%近くの電力を供給出来ています。

 とはいえ太陽光発電を4倍にしたら100%を超えてしまう。さらに風力も加わってくると、電力は供給過多になってしまいます。

 実際、九州電力は太陽光発電の能力が多くなりすぎ「もういらない!」と断っている状況。つまり本来なら二酸化炭素を排出したい自然エネルギーを上手に使わないということを意味します。

 そういった状況を抜本的に解決してくれるのが新しいルールで役立つ水素だったりする。余った電力使って水を電気分解すると水素になり、それを貯めればいいのです。

 水素は運ぶことも出来る。技術の進化により燃料電池のエネルギー源として使うことで、電力に戻すことも可能になりました。

 また、水素は火力発電で燃やせます(燃やしても二酸化炭素は出ない)。天気の悪い日に太陽光発電が出来なくなったときや、風のない日の火力発電用として使えるのです。すべてのエネルギーのベースになると考えていい。

 前述の通り、欧米中は直近の2年から3年で水素社会に向け大きく舵を切っている。

 日本も舵を切ろうとしているものの、判断と行動という点で負け始めているような気がします。舵の切り方も推進パワーも足りません。

 このままだと先行スタートしながらもビリという状況も大いにありうる、という現状を広く知って頂けたら嬉しいと思う。

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  • 注:筆者は国沢光宏氏
  • 日本の半導体産業がかつて世界をリ-ドしていたが、経営者の判断の遅さ、メリットよりもデメリットばかり考える思考判断により衰退してしまった。水素社会の実現についても、同じ道を歩むのだろうか。産業の面から考えても、現状維持に固執する考え方の人々は、火力・原子力のままが一番安全。日本は世界の変革ペ-スに乗る必要は無い、独自路線でいいという考え方をする人もいるが、この考え方が、日本の産業の衰退を推進していると思う。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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