5代目ゴルフに3.2L V6と四輪駆動を搭載
フォルクスワーゲン・ゴルフといえば、評価の高いドイツの定番ハッチバック。しかしR32は、型破りな内容を備えていた。優れたシャシーに四輪駆動を組み合わせ、GTI以上のパフォーマンスを備える、ゴルフRの元祖といえるクルマだ。
【画像】フォルクスワーゲン・ゴルフ R32 最新8代目 RとGTI、ヴァリアントも 全67枚
ゴルフ R32で最大のトピックが、3.2Lという大排気量の自然吸気V型6気筒エンジンを搭載したこと。実用性の高さと、圧倒的な動力性能との、絶妙なバランスに仕上げてあった。一部では、今でもカルト的な支持を集めている。
R32が初登場したのは、4代目ゴルフ。5代目ゴルフのR32は、大人しすぎると評価されたGTIを超える存在として、2005年に発売された。GTIより4000ポンド高い価格を正当化できる内容か、疑問の声もあがったことは事実ではあるが。
注目のV6エンジンは、最高出力250ps、最大トルク32.5kg-mを発生。当時のゴルフGTIが発揮した、200psと28.4kg-mを大幅に上回るものだった。ちなみに馬力では、最新のGTIをも凌ぐ。
加えて、フォルクスワーゲンが4モーションと呼ぶ、ハルデックス四輪駆動システムを搭載。トランスミッションは、6速マニュアルか7速デュアルクラッチ・オートマティック(DSG)が選択できた。
この時代は、まだドライバーが操るMTの方が速かった。0-100km/h加速は6速MTで6.2秒、7速DSGでは6.5秒がうたわれた。
実用性は損なわずに新次元の動的能力
もちろんゴルフだから、直線番長ではない。しっかりと、コーナリング性能も磨き込まれている。
4代目R32と比較し、剛性を高めたダンパーとスプリングをサスペンションに採用。アンチロールバーも太さを増し、強力なグリップと優れた姿勢制御を叶えていた。車高も、標準の5代目ゴルフから20mm落とされていた。
乗り心地は、硬めながら不快ではない程度。センター2本出しのマフラーからは、心地よく荒々しいエグゾーストノートを響かせた。日常的な利用に問題はなく、その質感や音響には、GTIとは異なる特別感が漂っていた。
見た目では、クロームメッキの大きな専用グリルが与えられ、ブレーキキャリパーがブルーに塗られ、通常のゴルフと明確に差別化。さらにキセノン・ヘッドライトと、18インチのアルミホイールも装備していた。
一方の車内は、ゴルフらしく広々として居心地が良い。ドライビングポジションは良好。専用の3スポーク・ステアリングホイールに、アルミ製のペダルと内装トリムで雰囲気を高めていた。
欧州仕様の場合、エアコンとオートワイパーは標準装備だったが、パーキングセンサーやナビなどはオプション。サイドサポートの高いハードシェルのレカロシートも、追加費用で装備できた。
5代目ゴルフ R32は、実用的なハッチバックの能力を損なわず、新領域といえるパフォーマンスの獲得に成功していた。フォルクスワーゲンのRモデルへ展開するスタイリング要素を生み出すことにもなった、記念すべきゴルフだ。
新車時代のAUTOCARの評価は?
R32の操縦性は、そのスピードに合致している。豊かなグリップ力と、引き締められた姿勢制御を併せ持っている。ダイレクト感のあるフィーリングが、素早いコーナリングへの自信を高める。ブレーキもよく効く。
この走りを引き立ててくれるのが、美しく仕上げられたインテリア。最新のR32は、先代(4代目)以上に完璧なモデルに仕上がっている。
より速く、より快適で、見た目は凛々しく装備も充実。GTIでは難しい、コーナリングラインを楽しませてくれる。つまり、素晴らしいクルマだ。 (2005年10月5日)
オーナーの意見を聞いてみる
トム・ギャラガー氏
「馬鹿だと思われるかもしれませんが、8代目ゴルフRではなく、5代目のゴルフ R32を2021年に購入しました。もちろん、後悔はしていませんよ」
「新しいゴルフの方が遥かに洗練されていますが、R32のサウンドは代えがたいものです。このゴルフで、最も魅力的な部分でしょうね。夢を見ているように、運転にも強く惹き込まれます」
「フルノーマルの状態で、5500ポンド(約85万円)で購入しましたが、問題は殆ど起きていません。あえていえば税金が高いことと、ヘッドライト・レンズの曇り。でも、レンズは磨いて簡単にきれいになりました。ボディのサビも、少し補修しています」
購入時に気をつけたいポイント
トランスミッション
5代目ゴルフの時代のDSGは、6万4000km毎にフルード交換する必要がある。怠らなければ、信頼性は高い。リアデフのフルードも、6万4000km毎に入れ替えたい。
DSGの不具合として聞かれるものが、メカトロニクス・ユニットの故障。交換には、英国で1500ポンド(約23万円)ほど掛かることも。6速MTの場合は、3速へ入れづらいことがあるようだ。
エンジン
タイミングチェーンなので、タイミングベルトほど交換の頻度は高くない。コイルとテンショナーの状態や、ボルト類の緩みには気をつけたいところ。異音がないかも確かめたい。エンジンオイルは、通常で1万6000km毎の交換が指定されている。
ボディ
一般的な5代目ゴルフと心配する内容は同じ。プラスティック製のインナーフェンダーが、ホイールアーチ部分の塗装を削ってしまい、錆びる可能性がある。テールゲートのVWロゴ付近と、ドアのエッジ部分、ルーフの継ぎ目付近が錆びやすい。
ヘッドライトは、シール類の劣化が原因で水が侵入し、故障することがある。点滅することもあるようだ。
インテリア
レカロシートは、サイドサポート部分が立ち上がっていて摩耗しやすい。シートマウントがガタつくこともあるという。レザーシートでも、状態はよく確かめたい。不自然に車内が湿気っぽくないかも確かめる。不具合の原因だ。
電気系統
クルーズコントロールとエアコンの故障は珍しくなく、安く修理はできない。サンルーフが不調になることも。
エンジン系統に不具合が起きても、メーターパネルの警告灯を消してごまかしている場合がある。始動時に警告灯が付き、アイドリングを始めたらすべて消えることを確かめる。
知っておくべきこと
その能力や珍しさを考えると、5代目ゴルフのR32はお手頃な価格に思えるが、3.2L V6エンジンはお財布に優しくない。燃費は良くても10.0km/Lほど。CO2の排出量は233g/kmで、英国では税金も高い。
といっても、同じ年代のホンダ・シビック・タイプRは11.2km/L、フォード・フォーカス RSは9.9km/Lだから、燃費の悪さはその時代のホットハッチ全般にいえることではある。それらには、V6エンジンが載っていないのだが。
英国ではいくら払うべき?
5000ポンド(約77万円)~6499ポンド(約99万円)
英国では、走行距離が24万kmを超えるような、走り込まれたR32が売られている価格帯。多くのオーナーは大切にしていて、しっかり整備記録などは残っているようだ。
6500ポンド(約100万円)~7499ポンド(約115万円)
走行距離は長めだが、状態は少し良くなる。DSGのほかに、MTも探せるようになる。オプションの有無にも気をつけたい。
7500ポンド(約116万円)~8499ポンド(約130万円)
社外品のボディキットや、エンジンECUのマッピングなど、チューニングを受けたR32が含まれてくる。状態はさらに良くなる。
8500ポンド(約131万円)~9499ポンド(約146万円)
やや走行距離は長めながら、しっかり整備されてきたエンジンと、サビのないボディを備えるR32を英国では探せる価格帯。
9500ポンド(約147万円)以上
走行距離は12万km前後へ短くなる。1万ポンド(約155万円)以上奮発すれば、市場でベストといえるR32を英国では狙える。
英国で掘り出し物を発見
フォルクスワーゲン・ゴルフ R32 登録:2008年 走行距離:16万4100km 価格:8495ポンド(約131万円)
ブラックのボディが珍しいR32。これまでに11回、ディーラーでメンテナンスを受けている。キーが2本とナビが付き、インテリアの状態も良いようだ。ボディの状態も美しい。3か月の保証も付くという。
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みんなのコメント
ボトムの3気筒のリッターカーから乗り出し400万円とインフレさせすぎているので、Rのまともな価格設定がとても出来そうにありませんから。