充実の先進安全装備&運転支援機能に注目!
レクサス「NX」と同等の先進安全装備
新型ノア/ヴォクシー、略して“ノアヴォク”は至るところに技術的なハイライトがある。先進安全装備もそのひとつで、充実ぶりには目を見張るものがある。開発責任者の話を聞くと、どうやら先代での悔しさがばねになっているようだ。
「(2014年発売の)先代はトヨタセーフティセンス(先進安全技術の総称)ができる前に立ち上がったんですね。当時の自動ブレーキ系は高価で、装着率はそれほど高くありませんでした。それもあって私が二の足を踏んでしまった。はっきり申し上げて、1番負けていたところだと認識しています。それでも先代は8年間で140万台売れました。最終年の2021年でも月1万台のペースで出たということは、お客様が大事にするのはミニバンの基本性能だと思っています。今回は、足りないと言われていた先進安全装備を“名誉挽回”の意味で最新にしました」
先進安全装備が不足していたから売れていなかったわけではなく、売れてはいた。その実績にあぐらをかくことなく、弱点を消しにかかってきたということである。強みであるミニバンとしての基本性能を高めつつ、先進安全装備の充実を図ったのが、新型ノア/ヴォクシーである。鬼に金棒ではないか──。
“次世代レクサス”を謳って2021年11月に国内で発売されたレクサス「NX」と同等の先進安全装備が盛り込まれている。そう記せば、安全装備の充実ぶりがご理解いただけるだろうか。
プリクラッシュセーフティ(予防安全機能)に関しては、対応する事故形態を拡大しており、例えば、交差点右折時に、隣接する2レーンから直進する対向車両や右左折時に前方から横断してくる歩行者と自転車運転者に加え、トヨタ初となる出会い頭の車両・自動二輪車の検知機能を付加した。
「フロントクロストラフィックアラート(FCTA)」がそれで、見通しの悪い交差点に進入する際、左右から接近する車両を検知。車両が接近しているにもかかわらずドライバーが発進しようとした場合、表示とブザー音で注意を喚起する。と同時に、カラーヘッドアップディスプレイでは、車両が近づいてくる方向をアニメーションで表示し、ドライバーが気づきやすいような注意喚起を行う。交差点に差し掛かった際に身を乗り出しても左右を確認するのが難しい状況がある。そんなときに役立つ機能だ。
自然なPDA
トヨタ初搭載はまだある。「プロアクティブドライビングアシスト(PDA)」もそうだ。「歩行者が横断してくるかもしれない」「飛び出してくるかもしれない」といった“かもしれない”リスクを先読みし、歩行者や自転車、駐車車両に近づきないようにステアリングやブレーキ操作をサポートする。
近年、クルマを運転する人は、事故の加害者になることを恐れる風潮が強くなり、それを回避する技術には積極的に対価を支払う傾向が強くなっている。新型ノアヴォクが充実させた安全装備の数々は、そうしたトレンドに見事に合致しているように感じる。
PDAにはもうひとつ機能があり、前方のカーブに対して自車の速度が速いと判断した場合、ドライバーがアクセルオフしている状況に限り(アクセルを踏んでいる場合は加速意思を優先する)、緩やかに減速を支援してくれる。下り坂で想定以上にスピードが出てしまい、オーバースピードでカーブに進入してしまいそうな場合、システムが自動的に減速操作をしてくれるということだ。これは、ナビシステムと連携しているわけではなく、前方を監視しているカメラからの情報をもとにおこなう。
筆者は、レクサスNXでひと足先にPDAを体感したが、かゆいところに手が届く安心機能であると感じた。システムの介入が自分の感覚より早いと「お節介」であると感じてしまうし、介入が遅ければ遅いで意味がない。トヨタ/レクサスのPDAは介入が絶妙で、ちょうどいい。とくに下り勾配でありがたみを感じる機能だ。
最新技術満載!
ミニバンならではの新機能が、安心降車アシストだ。駐停車時にパワースライドドアを開けて降車しようとした際、後方から接近する車両や自転車が、ドア、もしくは降車する乗員と衝突する可能性が高いとシステムが判断した場合(後方のレーダーで検知する)、車内への注意喚起に加え、スライドドアの途中停止またはオープン操作をキャンセルする。これはデモンストレーションで確認したが、後席乗員のうっかりミス(をするのは、子供や高齢者ばかりとは限らない)を防止するのに有用な機能だ。
「あったらうれしい」を実現したのが、アドバンストパーク(リモート機能付き)である。スマートフォンのアプリで車外からノアヴォクをリモートで操作し、駐車や出庫ができる。これも、トヨタ初採用の機能だ。狭い場所で乗り降りするのに便利だし、先に子供だけ降ろして単独で待たせておき、その間何ごとも起きないように祈りながら、手早く駐車を済ませる不安なひとときから解放される。同乗者と一緒に降りて、リモートで操作できるからだ。また、ショッピングモールの駐車場などでちょっとだけ前に出して後ろの壁から離し、バックドアを開けるのに便利だ。
車内での簡単な操作により、車両がハンドルやアクセル、ブレーキの操作を行って並列駐車および出庫(バック/前向きともに対応)、さらには縦列駐車&出庫を行ってくれる機能は、精度が高まった。これまではバック駐車にのみ対応していたが、新型ノアヴォクでは前向き駐車にも対応。この機能は実際に体験したが、周囲に注意を払いながら恐る恐る自分でやるより、システムに任せたほうが正確で速いと感じた。
ドライブの快適性に寄与する機能では、アドバンストドライブ(渋滞時支援)がトヨタ初採用だ。自動車専用道路での渋滞時(0km/h~約40km/h)、レーダークルーズコントロールおよびレーントレーシングアシストが作動中に、ドライバーが前を向いているなどの一定の条件を満たすとシステムが作動。ドライバーはハンドルから手を離して走行できる状態になり(自動運転システムではない)、渋滞時の疲労軽減につながる。ロングドライブでは、緊張から解放されるだけでも効果は大きいだろう。
いったいいくつの“トヨタ初採用”が投入されているのだろう……新型ノア/ヴォクシーは、ミニバンとしての基本性能を磨いただけでなく、トヨタが持つ最新の先進安全装備がこれでもかといわんばかりに投入されている。
トヨタの最先端を走っていると形容してもいいほどの充実ぶりで、まるで最新技術の見本市だ。
文・世良耕太 写真・安井宏充(Weekend.)
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みんなのコメント
これトヨタらしいんだよな。
乗って走って使って大した車が良くなくても信者が買い漁ってくれるw
それでもトヨタ信者は安心とか安全て言い切っちゃうんだからな~w