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プラグインハイブリッドの機は熟した

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プラグインハイブリッドの機は熟した

SUVの全モデルを電動化したボルボは、日本での最量販モデルのXC40にもPHEV(プラグインハイブリッド)モデルを追加設定した。近場ならEV走行のみで、長距離ではハイブリッドモードで充電もでき、パワーモードも備える。そんな “リチャージ”の実力を試した。

どのボルボを選んでも“電動化モデル”

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コロナ禍にあってもボルボの電動化戦略は着々と進行している。ボルボ・カーズは、今後5年間で電気自動車(BEV)を5車種導入する計画で、2025年までに世界販売台数の50%を電気自動車(BEV)に、残りをハイブリッド車(PHEV、48Vハイブリッド)にする、という目標を掲げている。

そしてこのタイミングで日本での最量販モデルXC40に導入されたのが、PHEVの「XC40リチャージプラグインハイブリッドT5インスクリプション」だ。これによってボルボの国内販売モデルから内燃機関のみの車両が消滅。すべてのモデルがPHEVもしくは48Vハイブリッドとなり、電動化戦略の第1段階が完了したことになる。

ボルボでは今後、BEVとPHEVには、“Recharge = 外部充電”できるという意味から、“リチャージ”という呼称を使うという。

パワートレインは、最高出力180ps、最大トルク265Nmを発揮する1.5リッター直列3気筒ガソリンターボエンジンと最高出力82ps、最大トルク160Nmの電気モーター、容量10.91kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせたもの。トランスミッションは7段DCTで、前輪を駆動する。EV走行時には通常は2速ギアを、高速域では4速を使用する設定になっている。90km/hあたりで走行しているときに事前に意識していれば、ギアの切り替わる瞬間がわかると言われていたが、正直、気づかなかった。

買い物などはEV走行のみで十分対応

カタログ値でのEV走行可能距離は45.6kmと、買い物など近場の移動には十分なものだ。今回はボルボのオフィスから車両を借り出し、まず芝公園ICから首都高速にのって横浜の大黒PAを目指した。出発時のEV走行可能距離は40kmと表示されていた。約43kmを走って大黒PAに到着。高速区間のほとんどをEV走行でこなした。到着直前にバッテリー残量が0になり、数km区間のみハイブリッドモードでエンジンが始動していたが、遮音が効いていてほとんど気にならなかった。帰路はエンジンを使って、積極的に充電を行うチャージモードを設定する。首都高で都内へと向かい、約42km走行した頃にはバッテリーの目盛りは約半分にまで増え、EV走行可能距離は16kmまで回復していた。有明ICで首都高を降り、ボルボのオフィスまでの約8kmの道のりはEV走行のままで到着した。ちなみにこのときのガソリンでの走行可能距離は560kmとなっており、もちろん長距離ドライブも何ら不安はない。

過去のPHEVといえば、カタログ値30kmほどの電動走行距離がせいぜいで、実際はその半分しか走行できないものもあったが、40kmも走ることができれば日常使いしやすい。長距離ドライブの際には、高速走行時にチャージして、目的地の近場ではEV走行すれば深夜や早朝でも気兼ねなく使える。

よりパワフルに走りたいときにはパワーモードを選択すればいい。エンジンを主体とし、モーターが最大限アシストする。車両重量は1810kgとやはりそれなりにかさむが、アクセルペダルを踏み込む右足の動きに応じてグイグイ加速する。また電動化を見越して設計された小型車向けプラットフォームであるCMA(コンパクト・モジュラー・アーキテクチャー)を用いており、センタートンネル部分にうまくバッテリーを配置しているだけあって、重心が低く、乗り心地はよく、ハンドリングも良好だった。

いまやどのボルボを選んでも電動化モデルではあるし、48Vマイルドハイブリッドもいいけれど、EV入門としていよいよプラグインハイブリッドの機は熟した、と感じる出来ばえだった。

文・藤野太一 写真・茂呂幸正 編集・iconic

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