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【試乗】アルピーヌA110Sをサーキットで走らせて初めてわかった、ベースモデルを凌ぐポイント

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【試乗】アルピーヌA110Sをサーキットで走らせて初めてわかった、ベースモデルを凌ぐポイント

サーキットにおいてベースモデルのA110との比較試乗を行うことができた。限界領域での両車の挙動の違いをメインにレポートする。(Motor Magazine 2020年5月号より)

まずはベースモデルを試乗
A110SとA110の比較試乗を行ったのは筑波サーキット2000。低速コーナーから中速での切り返し、そして120km/h程度で旋回する高速コーナーもあるテクニカルサーキットなので、両車の限界領域での挙動を確認するにはもってこいの場所だ。試乗はまずA110(リネージ)からで、最初はヘルメットを装着せず、様子を見る程度に走るように指示された。

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乗り心地を確認するためにあえて積極的に縁石に乗って走らせてみるが、足まわりへの入力は「ゴツン」という感じではなく、「タタン」という感じで、しなやかにクリアしていく。少しペースを上げてコーナーへ侵入してみると、多少のロールをともなうものの非常に扱いやすく挙動はマイルド。スピンしちゃうんじゃないか……、というような危うい感じはまったくしなかった。

バックストレートにはハンドルの切り返しでの挙動を確認できるようにパイロンが置かれているが、ここでかなり攻めた走りをしてもリアが急に流れ出すような感覚は一切なく、アクセルとブレーキ、そしてハンドルの操作のつながりがわかりやすい。なんだか運転がちょっとうまくなったような気分を味わわせてくれる。

A110Sのシビアな挙動に緊張感
ピットに戻ると、A110の感触を忘れないうちに、すぐにA110Sに乗り換えることができた。そして1コーナーのクリップに向けてハンドルを切り始めた瞬間、そのセッティングの違いが感じられる。A110Sはハンドル操舵に対するフロントの反応がA110より明らかに速いのだ。

ストレートで強めの加速をしてみると、40ps増&20kg減が確かに体感できる。とくにスポーツモードで全開にした時の「ブフォフォフォー」というレーシングカーのような重低音のエキゾーストノートをともないながらの加速感はとても気持ちいいものだ。

加速がいいから、当然コーナーへの進入速度もA110より高い。ブレーキペダルを若干早めに踏むことになるが、少し硬められた足まわりということもあって、フロントの沈み込みは少なめで、ターンインの速度も高い。まだ、それほど気合いを入れて走らせているわけではないのだが、クルマの方が「もっと速く走ってくれよ」とでも言っているかのようだ。

それに応えるべく、ヘルメットを被ってからの全開走行ではコーナーを限界まで攻めてみる。するとA110Sはワンランク上の速度でコーナーを駆け抜けることができるのだが、A110とは明らかに扱いやすさが異なり、ワンランク上のドライビングスキルを要求してくる。つまり速く走れるけれど、シビアな挙動をうまく制御できる運転技術を求めてくるのだ。

ただし、リアを少しスライドさせながらハンドルは若干カウンターをあて、アクセルを微妙にコントロールしつつタイヤを鳴かせてコーナーを駆け抜けることができたのなら、その爽快感もハンパじゃない。しかし、そこにはA110では感じられなかった「スピンしてしまいそう……」というある種、独特の緊張感が漂う。

結論。腕に自信があって、ハードなスポーツカーに乗りたいのならA110S。オシャレなスタリングも楽しみながら、たまにスポーティに走らせたいのならA110。ちなみに今の私なら、乗り心地が良くワインディング路を軽快に走れるA110を選ぶ。(文:加藤英昭)

■アルピーヌA110S主要諸元
●全長×全幅×全高=4205×1800×1250mm
●ホイールベース=2420mm
●車両重量=1110kg
●エンジン= 直4DOHCターボ
●総排気量=1798cc
●最高出力=292ps/6420rpm
●最大トルク=320Nm/2000rpm
●駆動方式=MR
●トランスミッション=7速DCT
●車両価格(税込)=899万円

■アルピーヌA110リネージ主要諸元
●全長×全幅×全高=4205×1800×1250mm
●ホイールベース=2420mm
●車両重量=1130kg
●エンジン= 直4DOHCターボ
●総排気量=1798cc
●最高出力=252ps/6000rpm
●最大トルク=320Nm/2000rpm
●駆動方式=MR
●トランスミッション=7速DCT
●車両価格(税込)=844万円

[ アルバム : アルピーヌA110S サーキットトライアル はオリジナルサイトでご覧ください ]

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