多様なシーンで気兼ねなく使えるツール感あふれたデザインと使い勝手のいい室内空間を実現した第3世代の新型トヨタ・シエンタが市場デビュー

　トヨタ自動車は2022年8月23日、人気コンパクトミニバンのシエンタをフルモデルチェンジし、同日より発売した。

車種展開は以下の通り。

■ガソリンエンジン車・2WD（FF）

X・5名乗り：195万円

X・7名乗り：199万円

G・5名乗り：230万円

G・7名乗り：234万円

Z・5名乗り：252万円

Z・7名乗り：256万円

■ハイブリッド車・2WD（FF）

X・5名乗り：238万円

X・7名乗り：242万円

G・5名乗り：265万円

G・7名乗り：269万円

Z・5名乗り：287万円

Z・7名乗り：291万円

■ハイブリッド車・E-Four

X・5名乗り：257万8000円

X・7名乗り：261万8000円

G・5名乗り：284万8000円

G・7名乗り：288万8000円

Z・5名乗り：306万8000円

Z・7名乗り：310万8000円

　今回の全面改良で第3世代に移行する新型シエンタは、扱いやすい5ナンバーサイズ、最新の安全・安心装備、低燃費、そしてリーズナブルな車両価格という魅力はそのままに、初代から受け継ぐ「使い勝手の良い室内空間」をいっそう磨き上げたことが特徴である。

　まずエクステリアは、様々なシーンで気兼ねなく使えるツール感あふれたデザインで構成する。基本プロポーションは、広い室内空間と取り回しの良さを具現化したことがトピック。具体的には、ベルトラインを水平にした大きなキャビンに、良好な視界と運転しやすい見切りを表現したルーミネスなウィンドウグラフィック、コーナー部を丸くしてコンパクトに見せ、かつ取り回しの良さにもつながるシンプルな“シカクマル”シルエット、気兼ねなく使えるツールとしての機能を素直に表現した大きなサイドプロテクションモールなどを採用した。ボディサイズは全高を20mmほど高くした以外は従来とほぼ同寸の全長4260×全幅1695×全高1695（E-Four1715）mm、ホイールベース2750mmの5ナンバー規格に設定し、最小回転半径は5.0mを確保。ボディカラーはモノトーンのホワイトパールクリスタルシャイン／ダークグレー／ブラック／スカーレットメタリック／ベージュ／アーバンカーキ／グレイッシュブルー、2トーンのダークグレー×スカーレットメタリック／ダークグレー×グレイッシュブルーという計9タイプをラインアップしている。

　内包するインテリアは、使う楽しさを広げ、かつ心地よい室内空間を演出するデザインで構成。エクステリアと同様に愛着のわく“シカクマル”の造形を取り入れ、アイコニックでシンプルな統一感を持たせたドアポケット、カップホルダー、レジスターなどを採用する。また、収納スペースに入るモノを楽しく表現したピクトグラムを導入。さらに、インパネは薄く軽快な水平基調で仕立てたうえでファブリックを張り、同時にアッパー部前端から左右のドアベルトラインへのシームレスな繋がりによって、室内空間の広がりと車両感覚のつかみやすさをサポートするようにアレンジした。一方で内装カラーは、心地よく過ごせる3タイプのカラー、具体的にはカジュアルで明るいフロマージュと、落ち着いた空間を演出するブラック、そしてオプションのファンツールパッケージに採用する親しみやすいアースカラーのカーキを設定している。

　キャビン空間における快適性や使い勝手にも徹底してこだわる。

　まずキャビンスペースは、扱いやすい5ナンバーサイズはそのままに、従来比で20mm高くした室内高（1300mm）に加え、水平基調の低いベルトライン、サイドガラスを立てた意匠などにより、広く開放感のある室内空間を創出。また、クラストップレベルとなる最大1000mm（従来比＋80mm）の前後カップルディスタンス（前席シートから2列目シートのヒップポイント間距離）を確保し、2列目の居住性を向上させる。さらに、エアコンディショナーユニットから吹き出された暖気／冷気を効率的に後席側に循環する天井サーキュレーターや、日差しを遮る後席用サンシェードを設定。そして、パワースライドドアの開口部の高さを従来比＋60mmの1200mmにまで広げ、330mmの低いフロア地上高と段差のないフラットなフロアとともに、後席への優れた乗降性を実現した。キーを携帯している状態であれば、フロントドア下側に足を出し入れすることでパワースライドドアが自動で開閉するハンズフリーデュアルパワースライドドアも、標準またはオプションで装備している。

　ファブリックのシート表皮に消臭・撥水撥油加工を施して、食べ物や飲み物をこぼしても拭き取りやすくしたことも訴求点。合わせて、どの席に座っても有効に使える豊富な収納スペースを配備する。さらに、運転席シートバックスマホポケット2個（充電用USB端子〈Type-C〉2個付）や、インパネ部およびラゲッジデッキサイド部アクセサリーコンセント（AC100V・1500W／非常時給電システム付）を設定した。

　ラゲッジルームについては、バックドア開口部の高さを従来比で15mmほど広げ、合わせて荷室高を従来比で20mm高くしたことで、よりスムーズな荷物の出し入れを実現。また、2列シート車（5名乗り）は荷室床面に加えて2列目シートのチルトダウン構造を見直して格納時のシート背面高を下げたことで、荷室高を従来比で50mm拡大した。

　基本骨格に関しては、TNGAの新GA-Bプラットフォームをべースに新設計。主要な骨格を連結させた環状骨格構造とし、結合部の剛性を大きく引き上げる。また、主要骨格に採用する構造用接着剤およびルーフパネルに採用するマスチックシーラーの一部を高減衰タイプとすることで、操縦安定性や乗り心地、静粛性を向上させた。一方、剛性を高めたボディに対して、前マクファーソンストラット式／後トーションビーム式で構成するサスペンションジオメトリーを最適化。しなやかな動きと接地感あるフラットな走りを具現化した。

　パワーユニットは最新のシリーズパラレルハイブリッドと、1.5Lダイナミックフォースエンジン（M15A-FKS）のガソリン仕様を設定する。ハイブリッドは2WD（FF）モデルがM15A-FXE型1490cc直列3気筒DOHCエンジン（最高出力91ps/5500rpm、最大トルク12.2kg・m/3800～4800rpm）＋1NM型モーター（最高出力59kW、最大トルク141Nm）＋電気式無段変速機＋ニッケル水素電池（容量6.5Ah）、4WDのE-Fourが同ユニット＋1MM型モーター（最高出力2.2kW、最大トルク44Nm）でシステムを構成。シフトはZハイブリッドにエレクトロシフトマチックを、GおよびXハイブリッドにストレート式シフトレバーを採用する。燃費性能は2WDで28.2～28.8km/リットル、E-Fourで25.3km/リットルを実現した。

　一方、ガソリン仕様はM15A-FKS型1490cc直列3気筒DOHCエンジン（最高出力120ps/6600rpm、最大トルク14.8kg・m/4800～5200rpm）＋Direct Shift-CVTを搭載。シフトは10速スポーツシーケンシャルモード付ストレート式シフトレバーを採用する。駆動機構は2WD（FF）のみの設定で、燃費性能は18.3～18.4km/リットルを達成した。

　また、ハイブリッドとガソリン仕様ともに、スイッチ操作ひとつで状況や気分に合わせた走りが選択できるドライブモードスイッチを設定。モードとしては、ハイブリッドにノーマル／パワー／エコ／EVドライブを、ガソリン仕様にノーマル／パワー／エコを採用している。

　最新の予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備したことも見逃せない。対応する事故形態の拡大も図り、プリクラッシュセーフティでは車両、歩行者、自転車運転者に自動二輪車（昼）を加えて検知範囲を拡張し、衝突回避または被害軽減に寄与。事故割合が高い交差点での支援も拡大する。また、プロアクティブドライビングアシストでは一般道などのシーンでもドライバーの運転をさりげなく支援。「歩行者の横断」や「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行うことで、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないよう、ドライバーのステアリング・ブレーキ操作をサポートするよう設定した。

　一方、高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の機能として「アドバンストパーク」を採用。ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジの全操作を車両が支援するとともに、俯瞰映像に車両周辺の死角や目標駐車位置などを常に表示し、安全・安心でスムーズな駐車を実現する。さらに、バック駐車／前向き出庫に加えて前向き駐車／バック出庫も可能として、駐車時の使い勝手を向上させた。

　コネクティッド機能も、より進化させる。コネクティッドナビ対応のディスプレイオーディオ（8インチ高精細HDディスプレイオーディオはXグレードを除く全車に標準装備。車載ナビ搭載の10.5インチ高精細HDディスプレイオーディオはXグレードを除く全車にオプション設定）を採用し、センターから通信で取得した新しい情報（地図・施設・渋滞情報）で目的地検索・ルート設定が可能。音声認識サービス「エージェント」による目的地設定もできる。また、クルマがWi-Fiスポットとなる「車内Wi-Fi」を設定。全車に標準装備のDCMを通じて、データ通信容量無制限でスマートフォンやゲーム機などインターネットへの接続を可能とした。無線通信または販売店での有線接続により、常に最新のソフトウェアに更新可能な「ソフトウェアアップデート」を配したこともトピックだ。ほかにも、前後方ドライブレコーダーをオプションで用意（前方のみはXグレードを除いて標準装備）。トヨタセーフティセンスの単眼カメラと新たに追加した後方カメラが捉えた走行中の映像を内蔵メモリに録画し、映像データはディスプレイオーディオでの再生に加え、スマートフォンやUSBメモリに転送し持ち運びも可能としている。

Comments

このデザインはシーマジジイも喜んでるでしょう。

スタイリングを見れば、フィアットパンダ、ルノーカングーに似ていると多くの人が感じるのでは？
他のクルマに似ていると連想されるくらい似通ったデザインは今の時代、ちょっとマズいんじゃないですかトヨタさん。