コロナ禍の影響など、今新車の納期は早くとも半年後となっている。ランクルやレクサス NXに日産 フェアレディZなど受注自体をストップしているモデルも散見される異常事態となっているのだ。
だからこそユーザーは中古車に流れるワケだが、統計以来初めて平均取引額が100万円を突破したのだ。納期問題など理由はいくつか考えられるが、なんでここまでになったのか!? そしてコレはいつか解決するのか!?
平均取引額100万円超!! 新車納期長期化で中古車がアツいのはナゼ?
文/小鮒康一、写真/TOYOTA、SUZUKI、AdobeStock(トップ画像=xiaosan@AdobeStock)
■アウトドア人気の要因のひとつ!? そもそもがクルマ全体の需要増が根底に
新車の納期がどれだけ伸びても、すでにそこにある中古車であれば数週間で納車できることも。「即納可能」が中古車人気の一因といえる(xiaosan@AdobeStock)
現在のクルマを生産するにあたって必須とも言われる半導体やワイヤーハーネスなどの不足や、コロナ禍における物流の停滞などの影響もあって、遅れに遅れまくっている新車の納期。
2021年6月に発表されて、即長納期となったランドクルーザー300のように世界的に需要の高いモデルはもちろんのこと、今まではほとんど待つことなく納車されていた実用的な車両たちまでもが、かなり待たなければならない状況となっており、まさに異常事態となっている。
またコロナ禍において、不特定多数の人間が否が応でも集結してしまう公共交通機関を使用するよりも自家用車で移動した方が感染リスクが低いという考えや、密にならないレジャーとしてキャンプやグランピング、車中泊といったアウトドアレジャーに注目が集まっている。
これらも、クルマ全体に対する需要の高まりの要因のひとつと言えるだろう。
そんなクルマ全体の需要増に合わせて注目を集めているのが中古車、というワケである。
これから生産する新車はさまざまな要因が影響して納期が延びることもあるが、すでに車両がそこに存在している中古車であれば、早ければ数週間で納車することも可能ということで、すぐにでもクルマが必要なユーザーを中心に奪い合いとも言える状況となっているのだ。
■ランクルが90年代国産車だけじゃない! ミニバンや軽も取引額上昇の要因
2021年6月に発表され、ほどなくして長納期化したトヨタ ランドクルーザー。納期4年とも5年ともいわれ、2022年7月に受注を一時停止した
今回100万円を突破したという中古車の取引額はあくまで平均の話。
なかには新車価格の倍以上の価格で取引されているランドクルーザー300や、店頭では新車価格の100万円以上高い金額で売れらているカローラクロスのほか、円安もあって輸出目的で高値で落札されている90年代の国産スポーツカーなどが底上げしているというのは理由のひとつとしてあるだろう。
しかし、実のところは今まで格安で取引されていた車両についてもジワジワと平均取引額は上がってきており、ひと昔のように格安物件を入手しにくくなってきているという事実もあるのである。
特に価格を上げているのが、今までクルマを所有していなかった層が買いやすい価格帯の軽自動車や、同様のファミリー層が狙うミニバンなど。
それまではちょっと年式が古かったり過走行気味であったりすれば比較的安価で落札できてきたところ、現在ではある程度の金額でないと落札できなくなってきているというのだ。
■中古市場も負のスパイラル!! 新車不足に新規ユーザーの増殖がネック
新車が売れれば下取り車が中古車市場に流れるが、新車を購入することができないとなると、中古車もだんだんと「タマ不足」に陥る(xiaosan@AdobeStock)
このように中古車の平均価格が上昇している原因のひとつとして挙げられるのが、中古車に対する需要が高まり続けているというものである。だが、もうひとつ忘れてはならない原因がある。それが中古車のタマ不足という問題だ。
当然ながら中古車を求める人が増えれば、市場に存在する中古車の台数は減少する。ただ、そこに新たに誰かが手放した車両が流通すれば何の問題もないのだが、前述したように今までクルマを保有していなかった層がクルマを購入したことで、通常であれば発生する“下取り車”が存在しないのである。
また新車の納期も延びているため、新車を購入したユーザーがそれまで乗っていた車両を下取りに出すこともできないということもあって、慢性的な中古車不足が発生しているという悪循環に陥っているのだ。
つまり中古車においても需要と供給のバランスが崩れつつあることが、中古車の平均価格を押し上げている要因と言うことになるワケなのである。
といっても、どんな中古車であっても価格が上昇しているのかというとそういうワケではなく、残念ながらそこまで人気のない中古車においてはコロナ禍以前とそこまで変わらない価格を維持している。
例えば現在の日本では不人気ジャンルというイメージが確立してしまった微妙な年式の国産セダンなどはほとんど価格上昇は見受けられない。
むしろ大排気量なモデルに至っては自動車税が高額な点や、燃費がそこまでよくないためにランニングコストが高くなるイメージがあるようで、低値安定といった状況となってしまっているので、こういった車種を狙っている人はむしろ買い時と言えるかもしれない。
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みんなのコメント
「新車納期が長期化」されたからだろ!
値上がりが続くミニバンの中には、便乗値上げと思われる過走行車もチラホラ伺えます。
例を上げるなら9万キロ弱、5年落ちで260万のステップワゴン。流石に高杉。