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万全のコロナ対策のなか開催された「オートモービルカウンシル」リポート【前編】

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万全のコロナ対策のなか開催された「オートモービルカウンシル」リポート【前編】

2020年7月31日(土)~8月2日(日)の3日間幕張メッセでAUTOMOBILE COUNCIL 2020が「Withコロナ環境下、自動車文化の継承を途切れさせない決意で開催」されました。
今回で5回目のこのイベントは、これまでに二度延期されました。でももうこれ以上は!という強い意志で開催したそうです。

徹底したコロナウイルス対策

オートモビルカウンシルにあった80年代の私的想い出

徐々に復活してきたものの屋外屋内問わず大々的なイベント開催は世間体が良くないこのご時世、開催決定の報に接し「ホンマか?本気か?できるんか?」と、当日まで思っていました。この数日前あたりから第2波のムードが急速に盛り上がってきたこともあり、3月のジュネーブショーのように直前で中止の決断がされるのではないかと心配もしましたので会場に着いたときはほんとに良かったと思いました。強い意志で開催した主催者に拍手を送りたい。

とは言うものの、これでもし何かあったらそれこそシャレにならない事態を招くし、今後のいろんなイベント開催に影響を与えるでしょう。
このため徹底した防止策が講じられていました。
(1) いわゆる“3 密”を回避するため同時に入場できる人数を特別公開日は3,000人、一般公開日は5,000人に制限し、それを超える場合は一人退出ごとに一人入場する方式を採る
(2) 関係者はじめ来場者の体温測定、万が一に備えた来場者情報の登録、マスク着用、手指の消毒、会場内の消毒を徹底
(3) 会場内各所に消毒液を配置し手指消毒の促進
(4) 運営スタッフが会場を巡回し3密への注意喚起する
(5) 1時間ごとに外気導入による会場内の換気
専門家の検証により、最高5,900人までは可能との見解を得ていたそうですが、余裕をみてこの人数設定をしたそうです。
取材するプレスにしても事前登録且つメディアごとの人数制限もされた状態で入場できるようにされていました。私はうかつにも当日いきなり行ったのですが、主催者と直談判しても入れてもらえませんでした。
開催への強い意志もありましたが、この会場で感染者が出る、拡がるということは絶対にあってはならないという強い意志も感じました。





これだけやって何かあったら天命と思って諦めるしかないというほどの徹底ぶりです。
そこまで苦労を重ねて開催されたカウンシルはどのようなものだったのでしょうか。私の好みや気になった展示を選んでご紹介いたします。




マツダは創立100周年だったのですが……

一番大きなブースを構えていたのはマツダです。ブースではトークショーもプレゼンテーションもできず、美術館のような音声ガイドで一人自動説明を聴くことしかできませんでした。ただその代わりに、会場と、会場に来られなかったデザイナーや開発関係者と、やはり会場に来られなかったファンとを結んだネットライブ中継トークショーが開催されたそうです。これはこれで平常時でも嬉しいプログラムでしょう。お盆明けにでもアーカイブが公開されるらしいので気になる方はチェックしてください。

 




今秋導入予定のMX-30量産版のお披露目だったのに、なにもできず黙ってそこに置かれているだけ。寂しい。e-SKYACTIVE Gマイルドハイブリッド、自由素材のインテリア、RX-8以来のフリースタイルドア採用となかなかの意欲作なんですけどね。
デザインですが、東京モーターショー2019でコンセプトモデルが発表されたときにこれを見たあるデザイナーが、
「なんだんだよあの顔は?これをやめちゃだめでしょうこれを!これがマツダの顔なんだから!なんなのあの伸びて広い鼻の下は!!」
と、両手で形を表現しながらかなり怒っていました。これとは、マツダの顔になっている5ポイントグリルのことです。その時には、
「プリウスもさ、これやめちゃだめでしょうこれを!せっかく新ことに挑戦したんだから!日本のメーカーはすぐやめちゃうからダメなんだよ!!」
とも言っていました。これとはマイナーチェンジで大幅に変わった現行プリウスのテールライト周りのデザインのことです。余談ですが。
この点についてブースにいた担当者に訊いてみました。
「あの顔ももう長いですし、MX-30はちょっと違う層にアピールしたいということもあって変えたようです」
確かに、東京モーターショー2019でも、
「やわらかくふんわりひとにやさしい感じにしたかった」
とも聞いていたし、MX-という名はちょっとスペシャルなモデルにつけるとも言っていたので、これでもいいのかもしれません。じゃあボディカラーもこれまでとはイメージの色にすればいいのにこれは?とは思いました。いずれにしても決めるのは消費者なので、MX-30がどんな売れ方をするのかに注目です。





ヘリテイジカーたちもこうしてみるとなかなかです。当時のクルマはどれも個性的でした。メーカー間はもちろん、同じメーカーでも海外の著名デザイナー作、社員デザイナー作とそれぞれ個性が出ているし、海外のデザイナーにまけてたまるかと気合いにじみ出るモデルも多かった。コンペに負けた作品をいま改めて見るのもおもしろいかもしれません。
バラバラな感じですが、その点が欧州車にはない日本車の良さだったと思います。

こうして見ると、マツダは昔から赤なんですね。今の広島のヘルメットはソウルレッドメタリックを、ヘルメットにしても同じ色に見えるように調合した塗料で塗っているそうなのですが、広島東洋カープの“赤ヘル”ももしかしたらコスモやファミリアの赤だったのかな?
ちなみにマツダブース、通の方によると、「なかなかわかってる配置をしている。あれとこれとをこう並べるなんて、マツダファンには嬉しい並びだ」とのことでした。さて、どこがどうわかっているのでしょうか?想像してみてください!

50周年を迎えたトヨタ セリカ

少年期憧れだったクルマのひとつです。セリカもセリカリフトバックもカッコよかった。“太陽にほえろ”にもずっと出演していました。
カムリは今でこそあんなラグジュアリーセダンになっていますが、初代はセリカ カムリというセリカの派生モデル、スポーティーセダンの位置づけでした。遅れて発売された2000GT以降は特に。特に覚えている人はもうかなりの歳ですね。
余談ですが、日産が亡霊に襲われているかのようになかなか使えなかったGTRや、思い入れ強く使われたGTという名称を、トヨタは嫌みのようにいとも簡単にスポーティーグレードに付けていたのを見て笑っていたことを覚えています。





さらに余談ですが、日産全面協力の“西部警察”と“特捜最前線”は、暴力団の組長が古めのアメリカ車に乗っていることがある以外は警察も犯人も一般車も全部日産車だったのですが、捜査車両がトヨタ車になって以降の“太陽にほえろ”は犯人のクルマは日産車ばかりでそれが気に入らなかったことも覚えています。




さらにさらに余談ですが、ドラマで使われるクルマのエンジン音やドア閉め音は、“太陽にほえろ”末期に登場したS12系クラウンをはじめいわゆるトヨタの“ハイソカー”に搭載されていた1G-GEUエンジンの音や当時のセダンやバンの音が今でも時々使われていて、クルマと音の合なさにむずむずしています。

お宝探しも楽しみ

今回はお宝探しコーナーも多かったような気がします。かなり買いました。レアものや特価ものなどたくさんで、こちらの方を楽しみにしている来場者も多いですね。





初めて見て惹かれたのはこのオートモビルアート。すでにある画の色違いのような軽いものから本格的なオーダーメイドでも描いてもらえるそうなので愛車や愛妻との画を描いてもらうのはいいかもしれません。どんな画を描いてもらうか帰ってゆっくり考えたいと思います。




ヤングタイマーの価格高騰に痺れる

もう何も言えません……。




シトロエンと言えば……

このデザインです。色もいい。やはりクルマは色です。
幼稚園のとき、頼みもしないのに母親がふと買ってきてくれた、生まれて初めてのミニカーがマッチボックスのシトロエンSMでした。なんじゃこのデザインは!? と衝撃を受けたことを覚えています。当時はトミカとマッチボックスのディスプレイケースを並んで置いているおもちゃ屋さんも多かったので何十台ものミニカーがあったはずなのに、その中でなぜこれを? 「これが目に入ったから思わず」ですって。
前が広く後ろが狭いそのデザインに関しても、「ネコのヒゲと同じよ。日本の道は狭いでしょ。後の方が広かったら引っかかっちゃうでしょ。だからこうなってるのよ」と。よくもまあそんな適当なことをさらっと言ってくれたものです。後年大恥かきましたよ。そんなこんなで私にとってのシトロエンはそのSMとDS、CX、それとジャカルタに住んでいたときに頻繁に目にしたGSです。
今買うには勇気が要りそうですが、「壊れそうな箇所はだいたい予想できるし、思ったほど維持費はかかりません」とはショップの弁。この「思ったほど」っていくらなのかが気になります。




こんなクルマも!

気になるその他のクルマを写真でご紹介。もっと気になることは後編でご紹介いたします。





(取材・文:大田中秀一、写真:大田中秀一/相澤隆之)

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