ランチアは「高性能・高品質」でブランドを確立。イタリアの名門
ランチアはイタリアの名門。1906年にレーシングドライバーとしても活躍したビンチェント・ランチアの手で創業され、「高性能・高品質」なクルマ作りでブランドを確立した。モノコックボディ、トランスアクスル・レイアウト、4輪独立サスペンション、5速MT、そしてV6エンジンなどは、ランチアが世界に先駆けて量産車に採用したメカニズムである。日本ではWRC(世界ラリー選手権)でのストラトスやデルタの活躍によって、モータースポーツ・イメージが強いが、実はランチアの真骨頂は、上質なクルマ作りにある。とくに1996年に誕生したイプシロン(Υ)以降は、「小さな高級車」として独自の世界を作り出した。
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今回の主役は、2003年にモデルチェンジした2ndイプシロン。各部が改良された後期型の2007年型で、ボディカラーは“B-COLORE“と呼ばれる2トーン仕様。エンジンは1.4ℓの直4DOHC16V(95ps/128Nm)を搭載している。トランスミッションはDFN(2ペダル式5速MT)。ちなみにDFNとはドルチェ・ファール・ニエンテ=何もしなくても良い甘美さの略。言い得て妙な何とも素敵な言い回しである。
優雅、快適、そしてスポーティ! 乗るほどに魅了される逸材
スタイリングは超個性的。全長×全幅×全高3780×1720×1530mmのコンパクトサイズながら、センターグリル、磨き込んだラインが、独特の上品さを伝える。モダンにしてクラシカル。各部に往年の名車のディテールを散りばめた造形は、さすがイタリアンだ。一見ファニーな雰囲気だが、時間が経過するほど本物感を感じる不思議な魅力を秘めている。
室内も素晴らしい。センター配置のオーセンティックなメーターと広いグラスエリアが開放的な雰囲気を演出する。感動するのはシートの完成度。デザインがお洒落なだけでなく座り心地も最高である。まるで高級ソファーのような優しい掛け心地で、サポート性も秀逸。抜群のカラーコーディネーションと相まって、独自の世界へと誘う。イプシロンの室内は、まさに味わう価値のある独自世界。ランチアが心地よさの意味を知り尽くしていることを実感した。
走りも一級品だ。メカニズムそのものは、当時のフィアット・プントがベース。信頼性が高いものの、とくに凝った面はない。とはいえ足回りのしなやかさは絶妙。静粛性も全域ハイレベルだった。明らかにランチアの世界を確立している。しかもアクセルをワイドオープンするとイタリア車らしく元気になり、加速はなかなか活発。ワインディング路では楽しいハンドリングが味わえる。
イプシロンには、名門ランチアの魅力が凝縮されていた。エレガントで快適、しかもスポーティである。多くのクルマを乗り継いだマニアこそ似合う本物。プレミアムコンパクトというキーワードがこれほど似合うクルマは珍しい。一度ステアリングを握ると、ずっと走っていたくなる逸材である。
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