125ccとして復活した人気車種「ダックス」
原付二種を数多く生産・販売する本田技研工業(125cc)のラインアップには、実用的なモデル以外にも趣味を重要視したモデルがそろっています。
【画像】今でもピッカピカ!ホンダの1970年製「ミニバイク」を写真で見る(27枚)
「グロム」はその筆頭かつ新世代の“ミニバイク”の先陣を切ったモデルです。
小さいボディと123ccの空冷単気筒エンジン・5速マニュアル・トランスミッションを組み合わせた本格的なスポーツモデルです。
グロムが登場して以降、ホンダは原付二種のミニバイクを精力的に展開していきます。
50ccのモンキーの後継となる「モンキー125」もそんな一台で、カスタムベースとして相変わらずの人気を誇っています。
そして2022年9月22日に登場したのが、「ダックス125」です。
ダックスは、50ccの原付一種モデルとして1969年に発売されました。
まるでミシンのような外観を持つ個性も手伝ってか、生産終了後、2020年代に入っても熱烈なファンを抱えており、サードパーティからもたくさんのカスタムパーツが出ています。
ダックス125は、その復刻版です。
125cc化されたので初代よりもボディは大きくなったものの、ダックスの象徴ともいえる鋼板プレスを用いたTバックボーンフレームを再現するなど、“側の張り替え”ではなくオリジナルのデザインを忠実に再現しています。
当時を知る人には懐かしく、初めて見た人には斬新に感じるデザインです。
ダックス125はグローバル展開モデルですが、実は初代もグローバル展開がなされていました。
原付一種扱いの49ccエンジンを搭載した「ダックスホンダ ST50」意外に輸出専用車として72ccエンジンを搭載した「ST70」が存在していたのです。
オフロードを駆け回れるダックス
今回、アメリカのオークションサイト「ブリング・ア・トレイラー」で落札されたのは、ダックスベースの「CT70」という1970年製のモデルです。
STでない理由は、車体の趣向の違いです。車名は正式には「CT70トレイル」で、オフロード走行を前提にデザインされたモデルなのです。
ちなみにCTとは、ホンダのトレイル系に冠された車名で、有名なのは「ハンターカブ」です。現行型も「CT125」とCTの冠が残っています。
今回の個体も、通常は「DAX」の名が刻まれるプレートの箇所に「TRAIL 70」のプレートが付いています。
そのほかカスタム箇所が多数あります。
車体カラーはホワイトですが、これは塗り替えられたようです。
車体は全体的に手入れが行き届いており、新車のような輝きを保っています。
それからキャブレターやマフラーも車外品に換装。オフロードでの仕様を前提としているため、ブロックパターンのタイヤを履いています。
この個体のスペックは公表されていません。
参考までにST70の値は、72ccの空冷4ストローク単気筒OHCを搭載し、最高出力6PS/9000rpm・最大トルク0.5kgm/7000rpmを発揮。
ボディサイズは全長1510×全幅580×全高960mmで、ホイールベースは1035mm、車重は65kgとなっています。
CT70のスペックもこれらSTの値と大きく変わらないとみられます。
※ ※ ※
この個体は6200ドルで落札されました。日本円換算では約93万5000円で、現行型のダックスが2台分となり、プレミアが付いていることが分かります。
ホンダのミニバイクは、その頑丈さからアメリカのレジャー用として人気を得ました。
今回のCT70も頑丈なのは間違いありませんが、貴重な車種だけに、新たなオーナーの下できっと大切に磨かれるでしょう。
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みんなのコメント
仕向け地がアメリカだからCTになっただけ。
その後ダックスにはオフロード重視のST90(マイティダックス)っていうモデルがあるよ。
車載を狙ったんでしょうが重かったですね。
記事の車両は国内版ST70エクスポートに似ています。
こちらはアップのメッキマフラーで、やはりフロント回り分離可能でした。
ハンドクラッチ4速ロータリーミッションを採用したのが、油圧フォークの付いた型からだと思いました。
12Vバッテリーを採用したST50再販型もあり、レジャーバイクで人気のあるバイクでしたね。