積算1万7863km 近所にある林道へ挑戦
筆者の自宅周辺には、マウンテンバイクなどにもうってつけな、細い林道は殆どない。しかし少し離れた場所にある、趣味で利用されている小さな飛行場の近くになら、丁度いいルートが伸びている。
【画像】高級SUVへ仲間入り ランドローバー・ディフェンダー 90から110 クラシックな初代も 全124枚
そこを走っていると、しばしばスカイダイビングを楽しんでいる集団を目撃する。パラシュートを開いて舞い降りてくる姿を大空と一緒に眺めつつ、お茶を飲んで休憩するのも悪くない。その後、気晴らしついでに林道へ紛れれば、仕事のストレス発散にもなる。
このルートは比較的短く、暖かい季節なら簡単に往復して戻って来れる。だが、寒くなる11月から3月までは、凍結の可能性があることを理由に閉鎖されてしまう。今年の春先にも、ここを走りたいタイミングはあったのだが、開放前で叶わなかった。
閉鎖直前の今なら、鬱蒼とした林道をランドローバー・ディフェンダー 130で散策できる。自慢の優れたオフロード・システムを、ある程度は検証できると考えた。
悪路で役立つサラウンドカメラ
ディフェンダー 130のダッシュボード中央には、大きなタッチモニターが備わる。そこに表示できる、「オフロード」画面は素晴らしい。前後左右のサスペンションが、現在どのくらい圧力を受けているのか、あるいは伸びた状態なのかを確かめられる。
フロントタイヤのステアリング角度や、センターデフとリアデフをロックする必要性も確認できる。基本的にディフェンダー130の走破性は高く、通常は路面も険しくないから、ロックする場面は低いのだけれど。
それ以上に有用といえるのが、車両の周囲360度の路面状態を確認できる、サラウンドカメラ。任意の場所を拡大表示できるうえ、クルマ直下の映像を、バーチャルで表示することも可能だ。
この直下の映像は、ライブではない。直前に走行した路面の映像をもとに、場所を割り出して表示されている。
大きなディフェンダー 130を、狭い林道で正確に進めるのに、サラウンドカメラはとても有効。長靴でなければ歩けないような悪条件でも、ホイールを傷つけそうな岩や、ボディをひっかきそうな立木の場所を把握できるから。
筆者は、以前に険しいオフロードを別のクルマで走行したことがある。カメラ映像は、タイヤを狙い通り導くのに極めて役に立つと、その時も実感している。
林道はディフェンダー 130にとって序の口
エアスプリングを膨らまして車高を持ち上げられるが、この程度の林道では必要なかった。生えた草が撫でたおかげで、ボディの底面は少しきれいになったかも。ローレンジへ切り替える必要もなかった。というより、気にするほどの悪路ではなかった。
あくまでも、今回の道はディフェンダー 130にとって序の口に過ぎない。フェラーリで例えるなら、走り慣れたサーキットへ持ち込み、カップホルダーのコーヒーを飲みつつ、4000rpm以下を維持しても勝てるような難易度だろう。
それでも、限られた機会を有効に使えたとは思っている。ボディには適度に汚れが付着したから、少し挑戦したように見えなくもない。
積算1万9360km オリジナルとの見た目の共通点
長期テストのディフェンダー 130を、筆者が所有している、オリジナルのディフェンダー 90の隣へ並べてみた。新しいモデルが、ディフェンダーらしいと感じるデザイン要素を観察してみる。
ラウンドしたショルダーラインと、フロントフェンダー後方のエアベントが、その1つだということは理解していた。だがそれ以外にも、共通する特徴は沢山あるようで興味深い。新型には、受け継がれていない部分も多いけれど。
テストデータ
気に入っているトコロ
サラウンドカメラ:狭い駐車場へバックで駐車するような時でも、カメラ映像は重宝する。長くて広いクルマだから。
気に入らないトコロ
ブラックのホイール:ブラックのアルミホイールは、筆者の好みではない。多少汚れていた方が、カッコいいかも。
テスト車について
モデル名:ランドローバー・ディフェンダー 130 D300 アウトバウンド(英国仕様)
新車価格:8万390ポンド(約1560万円)
テスト車の価格:9万6745ポンド(約1877万円)
テストの記録
燃費:13.9km/L
故障:なし
出費:なし
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こいつは馬鹿か?