この記事をまとめると
■クラシックミニをベースに多目的車として設計された「ミニモーク」
いまの「軽自動車」より小さいだと!? 現物を見るとびっくりする「小さすぎる」普通車4台
■ミニモークは「パラシュートで投下可能な軍用車」というコンセプトで製作
■現在はアメリカでBEVモデルとなって市販されている
軍用を目指したミニの多目的車両があった
近頃は見かける機会がすっかり少なくなったが、20年ほど前に友人のS野くんが普段づかいしていた「ミニモーク」は、ひたすらカッコいい乗り物だった。
ミニモークは、クラシックミニ(英国のブリティッシュ・モーター・コーポレーション=BMCが作った元祖ミニ)をベースに、ミニの設計者であるアレック・イシゴニスが設計した多目的車。ボディ以外の多くのパーツはミニと共通で、そもそもは英国軍の軍用車として正式採用されることを念頭に開発されたクルマだった。
要は「英国軍が使っていたランドローバーや米国陸軍のジープなどより小型で軽量な、きわめて機動力の高い軍用車両」というコンセプトだ。
だが、ミニと同じ10インチの小さなホイールを履き、最低地上高も低かったミニモークは──1959年に完成した試作車の名前は「Buckboard」だったが──戦場には付き物の不整地を走破するには適さなかったため(そりゃそうだろう……)、英国軍に採用されるには至らなかった。
ちなみにモーク(Buckboard)は、「パラシュートによって投下可能な軍用車」というコンセプトでもあったらしい。空挺部隊とともにパラシュートで地上に降りてくるミニモークを見たかったような気もしないではないが、いずれにせよBMCはモークを軍に売り込むことをあきらめた。
そして、「軽工業や農業などで利用するためのクルマ」とコンセプトを改め、市販バージョンは1964年に英国で発売された。MK-Iと呼ばれる初期世代はイギリス国内で生産され、エンジンは850ccのローエンドな直4OHVを搭載。
サスペンションとトランスミッション、10インチホイールは当時のミニと共通のものが採用された。
生産終了になっても不死鳥のように蘇ってきたミニモーク
ミニモークMK-1は1968年には早々に英国での生産が中止となってしまったが、モークのノックダウン生産を行っていたレイランド・オーストラリア社が改良版である「ビッグモーク」のライセンス生産を続行。1973年までは「モーリス・ミニ モーク」として、そして1973年から1981年までは「レイランド・モーク」として販売された。
オーストラリアではホテルのビーチワゴンやゴルフのキャディカーなど多彩な活躍の場があったため、まずまずのヒットを記録。850ccのエンジンはパワー不足を理由に1098ccに拡大され、ホイール径も10インチから12インチにアップするなどの改良が施された。
その後、1972年にはレクリエーショナルビークルとしての要素の強い「モークカリフォルニアン」が登場。こちらのエンジンはクーパーS用の1275ccを搭載し、ホイールも13インチを採用している。
1981年にオーストラリアでの生産が終了すると、今度は生産拠点をポルトガルにあったレイランドの子会社に移し、引き続き「カリフォルニアン」を製造。そして1990年、イタリアのオートバイメーカー「カジバ(CAGIVA)」がモークの販売権を獲得。同じくポルトガル国内にて「カジバ製モーク」は1993年まで、改良を重ねながら作り続けられた。
1993年に生産終了となったカジバ製モークだったが、2017年には英国のモーク・インターナショナル社が権利を買い取り、最高出力67馬力の1089cc4気筒エンジンを載せて英国でパーツを作り、フランスで最終組み立てを行うようになった。
そんな復活版モークも2021年10月には生産中止が発表されたが、同社は「代わりにピュアEVのモークを作ります!」と宣言。そしてEV版モークは、確かに2022年5月、英国での生産が開始され、2022年10月には米国でBEVの「モークカリフォルニアン」が発売された。
エレクトリック版モークは33kWのモーターで後輪を駆動し、車重は800kg。トップスピードは80km/hで、航続可能距離はWLTCモードで約86kmだが、モーク・インターナショナル社は「実際に街や海辺などで使う際は72~129kmになるはず」と公式サイト内で述べている。
以上のとおり不死鳥のごとき復活劇を続けているモークは、いまなお(その気になれば)購入できないことはない。ガソリンエンジンを搭載したモークの中古車価格は2024年5月上旬現在で360万~450万円といったところ。そして、そのまま日本にもち込めるかどうかはさておき、EV版モーク カリフォルニアンの価格は4万1900ドル(約645万円)からとなっている。
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見た目可愛いけど快適装備一切無いスパルタンな奴