国産初の量産型乗用4WD車として1972年9月に誕生した初代レオーネ4WDエステートバン。前身となるスバルff-1 1300Gバン4WDは宮城スバルが東北電力の要請で開発したモデルだったが、青森・酸ヶ湯でスバルSUVに改めて試乗した。
文/国沢光宏、写真/平野 学
スバルのAWDは雪道でも曲げる!! 玄人も思わず唸る完成度!! スバルのAWDはどこまでもコントローラブルだったぞ
■スバル豪雪試乗会で青森へ!
国産初の量産型乗用4WDモデル、初代レオーネ4WDエステートバンのパイロットモデルとして誕生したスバルff-1 1300Gバン4WD
先日、東京都市部で久しぶりの積雪(8cm)となったら、53時間も首都高閉鎖! この程度の雪で物流も含めた交通全般がマヒするようだと、雪国なんてどうなっちゃっているんだろうと思う。
そんなタイミングでスバルは「青森豪雪試乗会を行います」とな! コースを聞いたら青森市内からアメダス歴代日本記録(566cm)を持つ酸ヶ湯温泉までとのこと。面白い企画です。
クロストレックe-BOXER車と筆者。後ろは現在もなおそのまま残されている青函連絡船だ。その昔、上野駅発の夜行列車の終点だった
ということで青森に行く。出発地点はその昔、上野発の夜行列車で到着した青函連絡船を望む駐車場。ここから行きはクロストレック、帰りにフォレスターという試乗メニューである。いずれも2Lマイルドハイブリッドのe-BOXER搭載モデルだ。
クロストレックのスタッドレスタイヤは私の推奨銘柄であるヨコハマの「iceGUARD7」。ドライ路面のシャッキリ感をキープしながら優れたアイスバーン性能を持つ。スタッドレスタイヤとしちゃ静かだし。
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■横方向のGなら雪道でもなんら問題なし!
青森市内の駐車場では完全なドライ路面だったが、酸ヶ湯温泉に向かう道中では完全に圧雪路に変わった!
青森市内はところどころにアイスバーンが残るもドライ路面。酸ヶ湯温泉に向かうと少しずつ路ばたの雪が増えていき、やがて雪の壁に。そうこうしているうち、みごとな雪の回廊のなかの圧雪路になった。
凍った舗装路の上に凍った雪で、しかも気温はマイナス4度という滑り頃のステキな雪である。後続車がいないことを確認して強くブレーキを踏んでみたら、普段街中で使う程度の減速Gしか出ない。
クロストレックが装着していたスタッドレスタイヤはヨコハマの「iceGUARD7」
逆に考えれば普段街中で走っている程度の発進加速と減速、横方向のGであれば何ら問題なく走れると言うことでもある。クロストレック+iceGUARD7の組み合わせでのアイスバーン雪の回廊は、普通に走れちゃいます。
滑った時のコントロールだって充分可能。これで道路を閉鎖して対向車が来ないとなれば、きっとスウェッデシュラリーみたいに走っちゃいますよ、私。
■まずはクロストレックでスバルのAWDをチェック!「雪道でもしっかり曲がる」
積極的に曲がろうとするセッティングになっているのが、クロストレックを含めたスバルAWDの面白さだと筆者は指摘する
スバルAWDの面白さは、クロストレックのような普通のモデルであっても、雪道でしっかり曲がるセッティングという点にある。
四輪駆動の知見が少ないメーカーだと、滑りやすい路面で安全志向のセットアップをする。すなわちアンダーステアですね。わずかなオーバースピードだとスピンモードでなく、速度を落とさせようということ。でも雪道のアンダーステア、怖いです。
クロストレックをドライブする筆者。その楽しさに思わず表情もほころんでいた
曲がらないからビビッてしまう。結果的に「雪道怖い」「雪道イヤだ」となりがち。スバルの四輪駆動車で雪道を走ればわかるけれど、ハンドルを切ると”やや”オーバースピードであっても曲がろうとする。
姿勢を崩しそうになれば横滑り防止装置でカバーしてくれるのだった。少しヒヤリとするけれど、コントロールできるから楽しい。人間の本能のひとつに「横滑りを楽しむ」があるらしい。
ヒヤッとさせられる部分もあるが、横滑りを楽しめるというスバルAWD。その楽しさの真髄にはスキーやスノーボードと通じるものがあるとは筆者の弁
だからこそスキーやスノーボード、サーフィンは楽しい。スバルで雪道を走ると、たまに思ったより滑る雪面に出くわし、「おっと!」があるけれど、怖いというより文字どおり「おっと!」。
そもそもアンダーステアを出すと後輪のグリップはまったく使えないため、コーナリング速度からして低い。前輪で曲がろうとすれば、後輪の横方向のグリップも引き出せるため、安全で速いのだった。
日本有数の豪雪地帯である青森県・酸ヶ湯温泉
そんなことを考えていたらあっという間に酸ヶ湯到着。ちなみに雪さえ降ってなければ、酸ヶ湯までの山道を皆さん、標準的なスタッドレスタイヤ+FFで走ってくるそうな。ただ、本格的な降雪が始まるとイッキに厳しくなり、八甲田山の厳しさを実感するという。
今回、雪かきしていないワイルドな雪道も試してみたが、最低地上高200mmはダテじゃない。存分に楽しめました。
■続いてフォレスターに試乗し、その雪道性能を改めて実感!
続いてフォレスターに試乗。すでに北米では新型が登場したが、モデル末期でもそ現行型のコストパフォーマンスは抜群だ
帰りにフォレスター+ダンロップ「ウインターマックスSJ8」を試す。ご存じのとおり、フォレスターってすでにアメリカで次期型を発表しており、トヨタの技術を使うストロングハイブリッドの搭載も決まっている。
モデル末期ということ。クルマ好きなら新型を待つのだろうが、実需ということを考えたら購入条件が緩む(商談するとその気になっちゃうレベルかと)モデル末期のクルマもありだと思う。
フォレスターをドライブする筆者。試乗したのはベーシックグレードの「Touring」にウィルダネスホイールを履かせているモデル
寒冷地だとエンジンが暖まるまでフルハイブリッドでも実用燃費が伸び悩む。最低地上高220mmのフォレスターで駆動力マックスになる『X-MODE』を選ぶと、「こりゃ無理でしょ!」と思えるような深い雪からも余裕で脱出できる。
お金持ちなら次期型を待つことをすすめるけれど、おそらく価格は案外高くなるだろう。実用性を重視して完成度の高いモデル末期選びは悪くないチョイスかと。
筆者はフォレスターの雪道性能を「世界最強クラス」と高く評価している。今回の試乗でも改めて実感したようだ
フォレスターの雪道性能は改めて書くまでもなく世界最強クラス。フォレスターで走れなければ、本格的なクロカン4WDだって厳しい。おそらく軽さと最低地上高とX-MODEの駆動性能バランスがいいと考えます。
乗り心地やステアリングフィールに代表されるクルマとしての性能は最新のクロストレックには届かないものの、フォレスターって定番の安心感が大きい。
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