現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンダの上級セダン「インスパイア」復活!? 全長5m級&縦型グリルで迫力スゴイ! アコードと違う印象は? 中国で試乗

ここから本文です

ホンダの上級セダン「インスパイア」復活!? 全長5m級&縦型グリルで迫力スゴイ! アコードと違う印象は? 中国で試乗

掲載 19
ホンダの上級セダン「インスパイア」復活!? 全長5m級&縦型グリルで迫力スゴイ! アコードと違う印象は? 中国で試乗

■ ホンダ「インスパイア」復活してた! どんなクルマ?

 かつて日本では2012年まで販売されていたホンダ「インスパイア」。
 
 中国では最新モデルも販売されています。その試乗した印象はどのようなものなのでしょうか。

【画像】超カッコいい! ホンダ「インスパイア」の画像を見る!

 インスパイアは1989年、フラッグシップセダン「レジェンド」とアッパーミドルセダン「アコード」の間を埋めるモデル「アコードインスパイア」として登場しました。

 2003年に登場した4代目モデルからは北米向けアコードをベースにするようになり、日本向けアコードよりも余裕のあるエンジンと車体設計を特徴としています。

 レジェンドとあわせてホンダにおける二大フラッグシップ的な立ち位置を担うことになりましたが、2012年9月には販売終了となりました。

 一方、インスパイアの名前は中国市場では健在です。

 2018年に中国で初登場を飾ったインスパイアはアコードに対する姉妹車としてその車名が復活。

 ホンダの現地合弁会社「東風ホンダ」が製造・販売を担当しています。

 ホンダは中国で東風汽車との「東風ホンダ」、そして広州汽車との「広汽ホンダ」の2つの合弁会社を持っており、ひとつのモデルに違うデザインと車名を与え、それぞれから姉妹車として展開する販売戦略をとっています。

 アコードも例に漏れず、広汽ホンダでは「アコード」であるのに対し、東風ホンダでは「インスパイア」となる形です。

 2022年11月にアコードは11代目へと移行しましたが、それにともなってインスパイアもフルモデルチェンジ、「7代目インスパイア」が2023年5月に発売されました。

 ボディサイズは全長4979mm×全幅1862mm×全高1449mm、ホイールベースが2830mmとなり、日本で販売されているアコードとほぼ同一となります。

 エクステリアの全体的な印象はアコードと同じですが、一方でフロントマスクやテールの造形はインスパイア独自です。

 アコードではフロントグリルの角がシャープ、天辺がヘッドライトの延長線上にあるのに対し、インスパイアではグリルの縁を分厚く、また角を丸く仕立て上げています。

 グリルの模様が縦型なのに加え、バンパーのエラに当たる部分にはインテークも設けられていることから、アコードよりもスポーティな印象を受けます。

 テールライトはアコードが左右一体型なのに対し、インスパイアではオーソドックスな独立型となっています。

 他にもリフレクターやディフューザーの形状が異なっている形です。

 内装は他の仕向地と同様の設計となり、ダッシュボードのセンターには12.3インチのディスプレイが鎮座します。

 同クラスのライバルであるトヨタ「カムリ」の中国向けモデルは他市場モデルと大きく内装設計を変えており、例えばエアコンの操作は木目調のタッチパネルとなっています。

 このこともあり、インスパイアが他市場モデルと同一の内装を持つのには少し驚きました。

 それでも、今世代のホンダの内装設計はそもそも優れており、ボタン類の押し心地からタッチパネルの応答速度まで、不満は一切感じられません。

 上位グレードのスピーカーには日本のアコードと同じくBOSE製12スピーカーシステムを搭載、極上の音響空間を演出してくれます。

 インスパイアは5人乗りのミドルセダンなため、後部座席の空間も重要となります。

 身長187 cmの筆者が実際に座ってみても窮屈さは感じられず、楽な姿勢で長距離も移動できると感じました。

 一方、リアトランクは容量17.7 kWhのバッテリーを搭載する関係で、積載量が少なからず圧迫されています。床面もフルフラットにはなっていないため、荷物の搭載には注意が必要と感じました。

 パワートレインは純ガソリンかプラグインハイブリッド(PHEV)の「e:PHEV」モデルのみとなり、日本や北米などで販売されているハイブリッド(HEV)の「e:HEV」は展開されていません。

 純ガソリンモデルはL15C型1.5リッター直列4気筒VTECターボエンジンを搭載し、最高出力189 hp/最大トルク260 Nmを誇ります。

 中国では「260 TURBO」というグレード名が付与されていますが、その数字はトルクの数値に由来します。

 一方のe:PHEVモデルはLFB型2.0リッター直列4気筒i-VTECエンジンを搭載。

 エンジン自体は最高出力146 hp/最大トルク182 Nmですが、これにフロントに配置された最高出力181 hp/最大トルク335 Nmの駆動用モーターと組み合わせています。

 バッテリーは「CATL(寧徳時代)」が製造する容量17.7 kWhの三元系リチウムイオン電池を搭載、WLTC方式での純電動航続距離は82 kmとなります。

 ガソリンエンジンと総合した数値は公表されていませんが、同じパワートレインを搭載する「CR-V」の姉妹車「ブリーズ」のe:PHEVモデルが1060 kmと案内されているため、インスパイアでも同等と言えるでしょう。

■ホンダ「インスパイア」いざ試乗! e:PHEVの印象は?

 今回、中国で試乗したのはe:PHEVモデルです。

 運転してみると、さすがはPHEVと言わんばかりの静かな走り出しが体感できます。

 ただ、そこで終わらないのがホンダのe:PHEV。

 アクセルを強く踏み込むとスムーズに加速してくれて、あっという間に100 km/hを超える速度で静かに巡航してくれます。

 エンジンは搭載していますが、振動はほぼ感じられず、またエンジン音も非常に抑えられている設計です。

 ドライブモードを「SPORT」にすることでエンジン音はより大きく、また加速性能もよりパワフルになり、立派なスポーティセダンとしての走りをもたらしてくれます。

 エンジンとモーター駆動の切り替えはとてもスムーズで、運転していても切り替わる瞬間は気づかないほどです。

 また、足回りはよく設計されており、土や石が混ざった凹凸路でもしっかりと衝撃を吸収してくれます。

 パワートレインとサスペンションの両方がよく設計されているため、高速道路では疲れ知らずのクルージングをもたらしてくれると感じました。

 デザインよし、乗り心地よし、そしてパワートレインはスポーティかつエコ。

 これらの要素が揃ったインスパイア e:PHEVは、ほんの30分ほどの試乗でしたが、その高い完成度ゆえにこれを日本でも販売してほしいと強く感じました。

 ホンダは日本市場において、2024年夏にCR-Vの燃料電池モデル「CR-V e:FCEV」、N-VANの純電動モデル「N-VAN e:」をリリースする一方、PHEVの販売予定はありません。

 また、「ホンダ e」の生産終了にともない、現在は1台もBEVを販売していない状況です。

 日本ではインフラや国土の面でもBEVよりPHEVのほうが向いていると筆者は考えます。

 環境面だけじゃなく、スポーティな魅力も持つ「ホンダのPHEV」を中国国外でも積極的に展開してほしいという感想を抱きました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 後編
AUTOCAR JAPAN
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
ラリージャパン3日目、SS12がキャンセル…一般車両が検問を突破しコース内へ進入、実行委員会は理解呼びかけると共に被害届を提出予定
レスポンス
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
【F1第22戦予選の要点】苦戦予想を覆すアタック。ラッセルとガスリーが見せた2つのサプライズ
AUTOSPORT web
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
なぜ潰れた? 名車と振り返る「消滅した自動車メーカー」 32選 前編
AUTOCAR JAPAN
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
NASCARの2024シーズン終了! 日本からスポット参戦した「Hattori Racing Enterprises」の今季の結果は…?
Auto Messe Web
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
ジャガーEタイプ S1(2) スタイリングにもメカニズムにも魅了! 人生へ大きな影響を与えた1台
AUTOCAR JAPAN
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
もの凄く「絵になる」クルマ ジャガーEタイプ S1(1) そのすべてへ夢中になった15歳
AUTOCAR JAPAN
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
日本の「ペダル踏み間違い防止技術」世界のスタンダードに! 事故抑制のため国際論議を主導
乗りものニュース
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
90年前の“博物館級”のオートバイがオークションに登場 “2輪界のロールス・ロイス” 1936年製ブラフ・シューペリアがカッコ良すぎる
VAGUE
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
HRC渡辺社長、フェルスタッペンの4連覇を祝福「ホンダ/HRCとしてサポートし続けてこられたことを誇りに思う」
motorsport.com 日本版
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
本拠地の欧州で「メルセデス・ベンツのタクシー仕様」シェア急降下! なぜ? 「“ベンツのタクシー”に乗れたらラッキー」な時代が到来するのか
VAGUE
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
くるまのニュース
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
「銀の皿」に「レジ横のガム&タバコ販売」に1000円以下のメニューと「ザ昭和」がたまらない! トラック野郎を癒し続ける「采女食堂」はぜひ立ち寄るべし【懐かしのドライブイン探訪その5】
WEB CARTOP
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
ラッセルが今季3度目のPP獲得。ガスリーと角田裕毅がQ3で健闘見せる【予選レポート/F1第22戦】
AUTOSPORT web
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
F1ラスベガスGPで追い上げ2位のハミルトン「予選がしっかりできれいれば、楽勝だったろうに」
motorsport.com 日本版
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
中央道「長大トンネル」の手前にスマートIC開設へ 中山道の観光名所もすぐ近く!
乗りものニュース
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
ペレス、チームメイトのフェルスタッペンとは対照的に10位が精一杯「レッドブルは最高のチーム。来年は良いマシンが作れるはず」|ラスベガスGP
motorsport.com 日本版
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
「ん、ここ工事してなくない?」 高速道路の車線規制“ムダに長い”場合がある理由とは?
乗りものニュース

みんなのコメント

19件
  • ajo********
    日本が以前より新型を発表する事が減ったから 海外にある日本車メーカーの現地で発表した(売ってる)車の記事をよく見るけど、日本で売らない車の話されてもなぁ…って思うんだよな。
  • njm********
    初代インスパイアの方がデザインカッコイイな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.898.0万円

中古車を検索
インスパイアの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

368.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.898.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村