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「トヨタMR2」登場で計画変更! パンサー・ソロ 2(1) 独創的なカタチ 複合素材のタブシャシー

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「トヨタMR2」登場で計画変更! パンサー・ソロ 2(1) 独創的なカタチ 複合素材のタブシャシー

専用設計のプラットフォーム 市販は11台

当初から個性的なクルマを生み出してきたパンサーだが、1990年発売のソロ 2も相当な異端児といえた。ジャガーの部品を流用した他ブランドのマネとは異なる、独創的なスタイリングのミドシップ・クーペだ。

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複合素材を用いたプラットフォームは専用設計。当時のロータスをライバルに据えた、スポーツカーが目指されていた。フォード由来の、ベーシックな2.0L 4気筒ターボエンジンで。

パンサー・ソロをご存知なかったとしても、まったく不思議ではない。生産期間は約1年で、形になったのは26台。そのうち、高額を支払ったユーザーへ納車されたのは、11台でしかない。

とはいえ、ブランドイメージを刷新しようという試みは達成されていたと思う。異論が絶えなかった、クラシカルな見た目のモデルを提供した時代へ別れを告げて。

クルマ作りの方針を転換するきっかけになったのは、パンサー・ウェストウィンズ社の倒産。1980年に同社の経営権は、創業者のロバート・ボブ・ジャンケル氏から、ヤング・チョル・キム氏率いる韓国のジンド・コーポレーション社へ売却されたのだ。

日常利用できるミドシップ・クーペで再興

キムは、それ以前に生産されていたパンサー・リマを、フォードの4気筒エンジンへ載せ替え再生産。パンサー・カリスタとして復活させた。さらに、日常利用できる実用的なミドシップ・クーペを1万ポンド以下で提供することで、再興を図った。

カリスタの生産を通じ、フォードからのエンジン供給体制は既に確立されていた。当時のエスコート XR3i用1.6Lユニットも取引き契約へ追加することは、さほど難しいことではなかったようだ。

従来と異なり、シャシーも完全に新設計された。技術者として指名されたのは、フォードGT40や、後のGT70にも関わった技術者、レン・ベイリー氏だ。

スタイリングは、英国オペルのヴォグゾールでデザイナーを努めた経験を持つ、ケン・グリーンリー氏へ依頼。空力特性に優れ、独創的なボディが創出される。

開発が始まったのは1983年。ベイリーは、整った形状のチューブラー・シャシーを設計し、グリーンリーはアルミニウム・パネルをプレス加工する、キャブフォワードのシルエットをまとめた。

作業は順調に進み、プロトタイプが発表されたのは1984年10月の英国のバーミンガム・モーターショー。AUTOCARの取材に対し、「最初のモデルは来年に発売予定です」。とキムは回答している。

トヨタMR2の登場で開発計画を変更

ところが、このソロ 1には未解決の問題が残っていた。ボディの仕上がりは高水準に見えたものの、キャビンのパッケージングは未完成。ミドシップされるエンジンは、充分に冷却できていなかった。

そんな折り、トヨタはAW1系の初代MR2を発表。キムにも試乗する機会が巡ってきた。彼は、優れた走行性能と手頃な価格へ感銘を受けるのと同時に、ライバルとしてソロが苦戦すると判断。開発計画には変更が求められた。

少なくとも、ソロ 1の反響は好意的なものだった。最終的に、基本的なコンセプトを維持しながら、ロータス・エスプリ・ターボへ対抗できるような、上級モデルにすることが決まる。ソロ 2へ改め、価格帯を引き上げ、最高出力と洗練性を高めることで。

フォードから供給を受けたのは、コスワースと共同開発された、フォード・シエラ用の4気筒ツインカム・ターボユニット。2.0L 16バルブで、最高出力206ps、最大トルク27.6kg-mを発揮した。

トランスミッションは、5速マニュアル。フォード・スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)への在籍経験を持つ、ロッド・マンスフィールド氏が創業したレイマー社の技術により、ファーガソン社の四輪駆動システムが実装された。

複合素材タブシャシー 160km/hの事故でもほぼ無傷

かくして、ミドシップの四輪駆動という構成は、その時点では量産車初だった。また、シャシーは延長され+2のリアシートを獲得。風洞実験では、空気抵抗を示すCd値が0.32と小さいことも判明。量産車では初めて、有効なダウンフォースも生成していた。

先進的なシャシー開発へ貢献したのが、レーシングカー・マニュファクチャーのマーチ・エンジニアリング社。キャビン部分へ堅牢なタブ構造を採用し、前後に取り付けられたスチール製サブフレームへ、パワートレインとサスペンションが搭載された。

中央部分のタブは、アルミニウム・ハニカム材のコアを、エポキシ樹脂で固めたカーボン・ケブラーとグラスファイバーで強化するという構成。ねじり剛性は極めて高く、優れた操縦性を引き出すことを可能としていた。同時に、非常に軽量でもあった。

タブシャシーは、安全性も驚くほど高かった。実際、初期の生産車の1台は160km/hで事故を起こしているが、乗員はほぼ無傷で済んだという。

この続きは、パンサー・ソロ 2(2)にて。

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みんなのコメント

2件
  • nut********
    ホイルベース長っ!と思ったら4人乗れるのね
    こんなクルマなのに後席にもドアでもあったら更によかったのに
  • rbqpj
    酷いな。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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