毎月200店以上の新車ディーラーを回り「生」の新車情報を届けてくれる流通ジャーナリストの遠藤徹氏。
今回まずは、トヨタ ヤリスクロス絶好調・スズキ スペーシア大健闘といった、販売関係の話題から。7月の新車販売は登録車の前年同月比で20.4%減、軽自動車は1.1%減と、コロナ禍による大幅な販売減からは回復しつつあるなかで健闘する2台をピックアップ。
新型レヴォーグ搭載のCB18型1.8Lエンジンはどれほど凄いのか? 今後の展開はどうなる?
ほか、ホンダ N-BOXのマイナーチェンジ情報を筆頭に、トヨタ カローラ、ダイハツ ムーヴ、日産・マツダ・スバル各社の戦略…などなど、国内メーカーの「今」と「これから」を盛り沢山の内容でお伝え!!!
【画像ギャラリー】絶好調ヤリスクロス&注目の各トピックをギャラリーでクイックチェック!!!
※本稿は2020年8月のものです
文:遠藤 徹/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年9月26日号
■トヨタ新型ヤリスクロス絶好調!!! ヤリス超えもあるかも?
8月31日発表、9月1日発売するトヨタの新型コンパクトクロスオーバーSUV「ヤリスクロス」の売れゆきが絶好調の滑り出しを見せています。
7月末から先行予約を開始しているのですが、8月中旬現在の納期が11月上旬と、早くも3カ月待ちの長さになっているのです。
首都圏にあるネッツ店の営業担当者によると「ヤリスの予約開始時よりもお客さんの反応はよく、現車を見ていないのに最上級グレードのハイブリッドZを中心に予約をしてくれているお客さんが多い」とコメントしています。
トヨタ ヤリスクロス
ヤリスも引き続き好調な販売を推移しており、月販1万台強をコンスタントに売っていますが、新型ヤリスクロスはこちらを超える勢いで受注ピッチを加速させています。
現在はコンパクトSUVのライズも好調に売れていますが、今後はこれらを超えて、ヤリスクロスはトヨタブランドのトップセラーに浮上する可能性もあります。
■スズキ スペーシアが健闘、軽自動車の販売台数2位に浮上!
スズキのスーパースペースワゴン「スペーシア」の売れゆきの健闘が最近になって目立っています。
7月の届出台数は1万3333台で前年同月比5.1%増とこの時期にしては珍しくプラスに転じています。
ダイハツタント、日産ルークスといった強豪がひしめくなか、この2車を抑え、ホンダN-BOXに次いで7月の軽販売2位につけたスペーシア
そして、同クラスではダイハツタント、日産ルークスといった強豪が存在するわけですが、この両モデルを抑え、王者のN-BOXに次いで2番手にのし上がっているのです。
タントのフルモデルチェンジは2019年7月、ルークスは今年2月といずれも一新してからそれほど時間が経っていない最新モデルです。
これに対してスペーシアの現行モデルは2017年12月の登場と、今年末には3年が経過します。
モデル別に見てみると、標準、カスタム、ギアの3シリーズ構成ですが、売れゆきのリード役を果たしているのは販売の半分以上を占めているギアシリーズです。
■ホンダ N-BOXのマイナーチェンジが来年1月に延期
ホンダは今秋の10月下旬に予定していたN-BOXのマイナーチェンジを来年1月に延期したようです。コロナ禍によるパーツ調達の滞りなどが要因で、またマイナーチェンジを先送りしてもトップセラーを維持できるという判断があるようです。
ホンダ N-BOX
今回のマイナーチェンジは現行モデル発売後3年が経過することから、かなり大がかりな手直しで、内外装のデザイン変更、新グレード&ボディカラーの設定、安全対策強化などで商品ラインナップを強化する見込みです。
従来モデルは11月末でオーダーストップし、在庫一掃セールを実施する見通しです。
■トヨタ 10月1日にカローラ/カローラツーリングを一部改良
トヨタは10月1日、カローラ/カローラツーリングを一部改良します。今回の改良は、メーカーオプションパーツの変更や増設が中心で、価格は据え置きとなります。
具体的にはG-Xグレードにメーカーオプションで設定していた、スマホの置くだけ充電機能と16インチアルミホイールを廃止します。SグレードのUSBコンセントを従来の1カ所から3カ所に増設します。カローラスポーツの変更はありません。
従来モデルは8月いっぱいでオーダーストップし、改良型は9月から見積書の作成が可能になる見込みです。
昨年9月にフルモデルチェンジしたカローラとカローラツーリングを10月に一部改良する予定。ただし、オプション設定の変更など小改良になる見込み
■日産の本格的な増販攻勢は今下期から?
日産の本格的な国内新車増販攻勢は2020年度下期(2020年10月~2021年3月)になる見通しです。
今年10月以降は、キックスの供給態勢の改善や新型ノート&エクストレイルの発売、軽自動車ベース電気自動車の投入などによって商品ラインナップが一段と強化される見通しになっているためです。
これによって、今年末以降の新車販売はようやくプラスに転じるものと思われます。
なお、新型ノートの発売は年末、エクストレイルのフルモデルチェンジは来年早々が予想されます。
今年(2020年)1月仕様向上を果たした日産 エクストレイル(現行型・シャイニングブルー)
■ダイハツ、ムーヴの次期型は来春か?
ダイハツのハイトワゴンであるムーヴのフルモデルチェンジが来春に持ち越されそうな状況です。現行モデルの登場が2014年12月で、今年末には6年が経過するため、いつ世代交代してもおかしくないタイミングといえます。
販売店ではムーヴカスタムの特別仕様車「RSハイパーリミテッドSAIII、XリミテッドII SAIII」に絞って販売しています。
これは装備を充実させながらベース車と同じ価格設定のモデルのため、ほとんどこちらだけが売れているためです。こうした売り方になると、フルモデルチェンジが近いのがこれまでのパターンとなっています。
ダイハツ ムーヴ(XリミテッドII SAIII ・2WD・パールホワイトIII)
しかし、それでもまだ販売店筋には、世代交代の情報がまったく流れていないのです。
ダイハツはコロナ禍の影響もあり、軽自動車を中心に3~5月に生産ラインが止まったりしたため、新型車の投入スケジュールにも狂いが生じているのかも知れません。
■マツダはマイルドハイブリッド車の設定でトータル燃費を改善
マツダは近い将来、マイルドハイブリッドエンジン搭載車のラインナップを拡充させて、燃費改善をしながら、トータルコストの引き下げに取り組む方針のようです。
マツダはこれまでSKYACTIV-Xやクリーンディーゼルで燃費改善&性能向上に取り組んできましたが、大幅なコストアップによって、価格競争力がダウンし、国内向け車両の販売が頭打ちになっています。
今秋に発売を控えるマツダ MX-30
このため比較的低コストで燃費改善を図れるマイルドハイブリッドのラインナップを強化することで、販売増と低コストの両立を目指す方針です。
マイルドハイブリッド車は当面、2Lクラスで対応する見通しで、今秋にも発売する新型コンパクトSUV「MX-30」が第1弾になりそうです。
ただし、SKYACTIV-Xやクリーンディーゼルエンジン搭載車についても引き続き技術の向上を図りながら、コストダウンにも取り組むものと思われます。
■スバルはターボを軸にe-BOXER、直噴NAでラインナップ再編?
スバルは2022年までの新商品ラインナップで搭載するパワーユニットを、水平対向の1.8L&2.4Lの直噴4気筒ターボ、モーターアシストのeボクサー、NAガソリンエンジンなどで、新しく構築する方針です。
ターボはこれまで1.6Lと2Lでしたが、1.6Lに置き換わる1.8Lを開発し、8~10月にかけて新型レヴォーグと改良型フォレスター、来秋発売の新型レガシィアウトバックに搭載します。
今後スバルのパワーユニットはターボを中心に、e-BOXERや直噴NAエンジンでラインナップする見込み。新型レヴォーグは新開発1.8Lターボ搭載
従来の2Lターボの後継は2.4Lターボになるものと思われ、現在、開発中です。近い将来にはレガシィアウトバックやフォレスターの上級&スポーツバージョンに搭載される見込みです。
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